【自衛隊のトレーニング?土のうのバケツリレー】発掘調査員日記⑥

3ヶ月間、アルバイトで発掘調査員として働いてみました。その時の発掘調査の手順を素人なりに記録に残している発掘調査員日記。今回は第6回、掘削し、写真に残し、測量を終えた後の、埋め戻しについての話です。これまでの記事はこちら

 

土のうの埋め戻し

本題に入る前に、これまでの記事(発掘調査員日記①〜⑤)の内容を簡単におさらいをしたいと思います。

発掘調査の始まりは、掘削。地山まで掘り進める作業です。途中、土の中から土器や石器など遺物が出てきた場合はどの層から出てきたのか記録し、遺物(今回の場合だと、弥生土器など)は保存します。また地山まで掘っていくと、地山の形から当時の暮らしの様子がわかってきます。しかし遺構(今回の遺構は古墳時代のお墓である横穴墓)は動かすことができず、その場所に新しい家や工場、道路などを建てることになるので、未来に遺跡の状態を記録として残すため、測量、写真撮影といった記録作業が行われます。

記録作業を一通り終えたら、この記事の本題である【埋め戻し作業】に移ります。

今回は2022年の2月に調査を終えましたが、工事予定は半年だったか1年先だそうで期間がしばらくあきます。竹藪の斜面上の土を掘り返していますが、一旦元の状態に戻していく、つまり埋め戻しをして、発掘調査現場での仕事は終了となります。

腰にくる・・・!バケツリレー

最終的にいくつの土のう袋に土を詰めたのか、数を確認してませんが、500以上はあったかと思います(1000近く?)。

この写真の土のうはほんの一部です

土のうはもちろん、全て手作業で運んで、掘った穴に戻していきます。土は土のうから出さずにそのまま積み重ねて穴を塞いでいきます。

斜面上かつ広くはない場所なので、皆、等間隔に並び土のうのバケツリレー。職員さんは手慣れた様子で、ひょいっと土のうを運んでいますが、これが結構足腰にきます。発掘調査について検索すると「発掘調査 バイト きつい」と検索窓の候補に出てきますが、掘り作業やこの土のう運びは発掘調査のまさに“きつい”部分に当てはまるかと思います。

きついとは言え、皆で土のうを運べばあっという間。何日もかけて掘った場所が1、2日ですぐに埋め戻されてしまいます。

「一生懸命掘ったのに・・・」ー「埋め戻しはそんなもんですよ」

重機を使う場合

後から聞く話によると、このように掘り上げた土を土のうに詰め、作業を終えたら土のうを埋め戻す、こうでない場合もあるそうです。平地での発掘作業であれば、重機である程度掘り、埋め戻す際も重機を使うとのこと。発掘調査をする場所によって、調査の流れや作業内容は変わってくるようです。

土のうのバケツリレーは、“きつい”作業でしたが、冬に皆で汗をかき、声をかけ合いながら身体を動かすことができました。個人的には楽しい作業でした(笑)。

埋め戻しを終えると、現場での作業も終わりです。次回からは、現場作業を終えた後の、整理作業について書いていきます。それではまた!

発掘調査の日常

 

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