9日目 first group

去年の私のbossである愉快なchefケイシーの偉大さを感じている今日この頃。

今日は、営業初日。15:00頃に到着するボートに乗って、47人のお客さんが夕方、私たちの小屋に到着します。それまでに、やるべきことを朝の8:30からひとつずつクリアにしていきます。

営業初日でバタバタしていると言うのに、今日は水曜日、そうです、週に1度のリサプライの日。手を止める暇がありません。ヘリでやってくるマネージメントチームの昼食を作りつつもゲストの夕食の準備を進め、ヘリが来たら食材を整理し、スタッフの夕食も作ります。私は午前中1時間以上オレンジをカット。皮を剥き、サイコロ状に25つのオレンジを切るのですが、切っても切っても終わりません。

あと1人、2人、キッチンに人手が欲しい。

なぜ今年、こんなにバタバタしているのかと言うと、すでに調理された解凍するだけでいい冷凍のベニソンシチューは廃止、野菜と鹿肉を切るところからシチューを作らなければならないからです。鹿肉を15kg切りましたが、肉や魚を切るときは、心を無にしないと考えただけで心が震えて(動物の元の姿が頭に浮かびます)その場を逃げ出したくなります。私が鹿肉を食べやすい大きさに切っている途中、キッチンにやってきたエミリー「今日の朝ね、私の部屋から外を見てたら鹿と目があったのよ」と。鹿の血まみれになりながら肉を切っている私の前で、鹿の話はやめてくれ!と言いました。

話を戻して、去年は前菜として出されていた冷凍のpre cookedのフライドライスも、チキンサラダに変更されました。これも、私たちがバタバタしている原因のひとつ。サラダは、レタスにキヌア、サイコロ状に切られたオレンジに鶏の胸肉スライス、上からはカシューナッツとパセリを振りかけ、見た目もなかなかファンシーです。

マネージャーのエミリーは、一昨年からこの小屋で働いており「去年はpre cooked(冷凍食品)のフライドライスとシチューを使ってたけど、一昨年やその前はずーっと、今あなたたちがやってるやり方だったのよ。それでやってきたの。できないことはないはず」

と言いますが、いやいやいや、18時間労働、1週間48時間労働でこの量こなせるわけないですよ。と私は声を大にして言いたい、、、。(少なくとも料理を勉強したわけでもなく、commercial kitchenでの経験がない私には毎日12時間働いても終わらない量です。)

今までの私なら言いにくいこと、言わない方が良さそうなことは、相手の顔色を伺いながら聞こうかな、言ってみようかな、やめておこうかな、どうしようかなと躊躇うことばかりでしたが、ティナと働き始めて1週間強、全てなんでも言うことにしました。ティナにはもちろん、マネージャーのエミリーや、ジェン、他のスタッフにもです。それがいちばんの近道だと感じます。

私とティナ「毎日ベニソンシチューを作って、これだけの量を準備してたら、8時間じゃ収まりませんよ」エミリー「今まではそうやってきたのよ。できるはず。けどね、改善できることは改善していきましょう」

文法を気にして文章を組み立てる余裕がないほど忙しい手と、頭の中。ぐちゃぐちゃの英語を、ティナもエミリーも、他のメンバーも、一生懸命聞いてくれますし、わかってくれます。

ティナとの今日の会話のひとつは、ナッツ類のアレルギーに関して。極端なアレルギーの場合、死を招くこともあります。なので、去年は、念には念を入れる愉快なchefの指示通り、ナッツアレルギーが1人でもいる場合は、メインメニューに振りかけるアーモンドを、アレルギーのお客さんの分だけ省くのではなく、全てのお客さんにアーモンドを使うことをしませんでした。lodgesやガイドが、盛り付けを手伝ってくれたり、お客さんのもとへ運んでくれるので、万が一ミスがあった場合を考えてのケイシーなりのやり方でした。

それを伝えると、他のお客さんがナッツを食べれないのはおかしいのではないか?手伝ってくれるlodgesたちの手が綺麗に保たれているか、盛り付けが間違ってないかを確認するのは私たちchefcookの責任。1人のために全てのお客さんからナッツを省くのは間違ってると思う、とティナ。

確かにその通りだとは思うのですが、キッチンにいるとダイニングルームまで目は届きませんし、外の世界とは隔離された森の中を5日間歩き続けるお客さんにもし何か起きた時、車に乗って病院へ、と言うわけにはいけません。そこまで考えると、私はケイシー派です。

しかし、議論するのが苦手な私は、とりあえずティナのやり方に従うことにします。

ティナ「私は全部いちからやり方を変えるために来たわけじゃないから、間違ってたり、去年のやり方がよかったら、そう言って。もいろん私たちにとって簡単な方がいいからね」

去年、ケイシーが教えてくれたやり方はそれなりに理にかなっていたんだなと思いつつも、ティナはこうした方がいいんじゃないかと、自分の経験に基づいて新しい方法を提案してくれます。私はケイシーのやり方のほうがいいのでは?と思っても、なぜなのか理由とともに説明できるだけの経験と知識、英語力が残念ながら追いつきません。間に挟まれた気分で、常にもどかしいです。

そんな私に、他のスタッフも「大丈夫?」「元気にやってる?」とその都度聞いてくれます。無理して笑顔を作ることなく「とにかく大変」と、皆に言ってまわります。

まぁ大変、大変と書きつつも、プレッシャーのないlodgesの皆は楽しそうにやっています。キッチンは主に、cookが立つサイドと、lodgesが洗い物をするサイドに分かれているのですが、cookサイドでバタバタする私「こっちとそっちじゃ、全く別世界」音楽が流れるlodgesサイドでおしゃべりしながら皿洗いしているアレックス「ハハハ!!!どっちのサイドがbetter?」私「I don’t say anything」アレックス「笑笑笑」口髭のある25歳、UKからやってきた今年初めてのアレックスはふざけてばかりなので、常に楽しそうです。

冗談を言う余裕はぎりぎりありますが、私もそしてもちろんティナもいっぱいいっぱいです。私たち2人に関しては1516連勤中の9連勤目。

シャワーをゆっくり浴びる余裕、洗濯をする時間、朝昼晩とゆっくり椅子に座ってご飯を食べる時間。今日はありませんでした。しばらくはこの調子が続きそうです。

 

▲定点観察

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