(注)このウィークオフ以降、山小屋日記が雑になっており、特にこのウィークオフ中はハイキングに忙しく1文字も残していません。数ヶ月経ったある日、写真を見ながら記憶に頼って書いています。
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ニュージーランドと日本の山歩きの大きな違いといえば、危険な動物はおらず日没が遅いので、1日の行動する時間帯が変わってくることでしょうか。歩き始めはいくら遅くても誰も気にしませんし、19:00過ぎても歩いている、なんてこともあります。
朝ごはんはポレッジ
山に挟まれた地形上、朝はすっぽりと霧の中に包まれ陽が差さないので、寒くて寝袋から出たくありません。4人ともぼちぼち朝ご飯の支度を始めます。今回のハイキングでは朝はポレッジ、日中は各自ナッツバーやお菓子を齧り、夜はしっかり食べる、というふうにしています。
ポレッジは1人の1食分から計算して朝4回分の量を持ってきました。オーツだけでは味気ありませんので、ナッツやドライフルーツ、ココアパウダー、シナモン、粉ミルクなどを混ぜて作ります。
▲エリン撮影。もやの中で朝食の支度を始める
ポレッジは小屋でMCをしていれば毎回お客さんの朝食用に50人分の量を作るので、どうすれば焦げないのか、どの程度火を入れるのか、だいたいわかっているつもりではあります。でも、ポレッジを食べる習慣のない私は、専ら作る担当。食べることは今までほとんどしませんでした。ジャムやフルーツ、スパイスやチアシード、ナッツなんかを入れて小屋の皆が食べているのを見ても、食欲はそそられませんし、おかゆのようなポレッジに甘いものをトッピングして食べると言うのが、私的には“No”だったのです。食わず嫌いといえば一言で片付きますが、別に嫌いでもないですし、だからと言って食べたいわけでもない。(笑)
それを今回のハイク中毎朝食べようとエリンが決めた時も、別に嫌だとは思いませんでしたし、んなら食べてみるか、どうにかなるだろうと思っていました。ポレッジなんかでお腹が満たされるのかなと(ケプラートラックを歩いた時に食べたシリアルと同じように)心のどこかで感じていたかもしれません。
エリンが作ってくれたトッピングもりもりのポレッジ。小屋で出すplainなポレッジとは全く違います。最初の一口は、こんなに甘くして食べるんだ・・・!と驚きましたが、ひとくち、またひとくちと食べていくうちに私にとって新しい食べ物“ポレッジ”を少しずつ理解して行きます。「意外といけるかも」
朝露をいっぱい含んだテントを乾かし歩き始めたのは10:00頃。それでもまだ寒いので上着は着たまま出発です。
川沿いを歩く
午前中はゆるりゆるりとカーブしている川沿いをずっと歩きます。川の隣を歩いていたかと思えば、裸眼でギリギリ確認できる距離まで離れたり・・・。車でも電車でも飛行機でもなく、自分の足で歩いているので意識はずっとそこにあるはずなのに、ふと我に戻ると、さっきまでそこにあった川があんな遠くにある!と思うことも多々。
グリーンストーントラックではほとんど人にすれ違うことはありません。4人でこの景色を思う存分楽しみます。時々すれ違うハイカーには軽い挨拶を。こんなに天気の良い日にこんな場所を静かに歩けるなんて幸せです。
一旦森の中に入って、橋を渡りました。この橋は1人ずつしか渡れません。
少し揺れますし、高所が得意でない私はゾッとしましたがなんとか渡り終えました。
そうこうするうちに、また景色はひらけて目の前に小屋が現れます。
「ここに住みたい」
▲私「ここに住みたい!」エリン「さやか、ここに住みたいの?住んだらいいヨ」
小屋には人の気配はなく鍵は閉まっていますが、窓から部屋の中が見えます。2段ベットが並び、トイレやシャワールームもあります。女子トイレだけは何故か鍵が開いており、勝手ながら使わせてもらいました。綺麗に掃除され、誰かが管理しているんだと思うと急に心が痛くなり、勝手に使ったことを後悔・・・。しかし、小屋をぐるりと見て回ると、私の働く会社の小屋だったことがわかりました。「これ私たちの小屋じゃない?」「ほらほら、あれ見てよ、同じの使ってるよ」「ほんとだ!」「This is ours!!!」罪悪感はすっと消えていき、小屋を管理してくれている人にありがとうとお礼を言って小屋を離れます。
▲あの小屋に住むことができたらこの景色が毎日見れる・・・と思うとやっぱり住みたくなります
川を見つけたら、泳ぐ!
▲この辺で水浴びしよう、休憩しよう!と、1時間滞在。乾ききれてなかったテントももう一度ここで広げて乾かします
川沿いのトラックは永遠には続きません。ここで、森の中に入って行きます。
▲木を見上げるエリン
▲ここなら泳げる!とスポットを見つけては水に飛び込むリリー
▲おとぎ話の世界のようです
▲ここでも水の流れと川の深さを確認しリリーとベッカは水にすっと飛び込みます
ハイキングをしながら泳ぐという文化は、なかなか日本ではないかなと思うのですが、ニュージーランドにいると冷たい水への抵抗がない人が多く、キーンと冷たい水の中にさささっと水着に着替えて、なんなら下着のまま飛び込む人はたくさんいます。私はもちろんパス。エリンも冷たい水は苦手ということでパス。2人とも、足だけつかる程度ですませます。
▲さっきも見たような景色・・・。夢の中のよう
トラック上の牛の存在
6時間以上歩いたでしょうか。グリーンストーントラックの終わりまで後少しというところで、今日はテントを張ることにします。
牛のふんがあちらこちらにあるので、テントを張るときは要注意・・・。牛の声が聞こえると、怖い〜!とベッカ。リリーはデイリーファームで育ったらしく、牛は自分にとってはペットの犬や猫のような存在で、牛が怖いというベッカに、大丈夫だよ、大丈夫だよ、と笑顔で伝えます。「私にとっては当たり前の存在だけど、そうだよね、牛が身近じゃなかったら怖いんだよね、気付かされるよ」とリリー。
昨日の反省を活かしテントは、それぞれの出入り口を中央に向けてテントの中に座った状態でお茶ができるように設置。皆でおしゃべりしながら夜は今日もワッフルにホットチョコレートです。
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