Week off ③ 4日目 ヒッチハイクしてルートバーントラックへ

(注)このウィークオフ以降、山小屋日記が雑になっており、特にこのウィークオフ中はハイキングに忙しく1文字も残していません。数ヶ月経ったある日、写真を見ながら記憶に頼って書いています。

コーヒーとポレッジで始まる朝

バリスタでもあるエリンは「コーヒーがないと1日が始まらないヨ」と8:00過ぎ、エリンの淹れるコーヒーとともに4人の朝が始まります。両手をカップで温めながら、料理好きなベッカが作ってくれるポレッジを私とリリーは待ちます。鍋に焦げ付かないよう優しくかき混ぜながら完成したポレッジに、エリンは昨日に引き続きたくさんの“具”を入れていきます。

200mlのモンベルのカップいっぱいのポレッジを食べ、お腹も心も温まり、出発したのは9:20頃。

30分弱で、グリーンストーントラックの終点に到着。駐車場に向かって歩きます。

Shutteとヒッチハイク

駐車場からは予約したshuttleでルートバーンシェルター(ルートバーントラックのグレノーキー側)に一番近いポイントまで移動します。shuttleが来るまでベリーをつまみ、トイレットペーパーのあるトイレへ行き(ああ、贅沢)、テントを広げて乾かします。

Shuttleは時間通りに到着。予約必須でこの近辺を走っているバンなのですが、残念ながら私たちが今日行きたいルートバーンシェルターまでは行きません。何にもない1本道の道路の途中で降ろされます。バンを運転するおじちゃんにも確認しましたが、グリーンストーントラックの終点からルートバーンシェルターまで行く直通のバスはありません。途中までshuttleを利用し、そこからはヒッチハイクまたは徒歩という選択肢しかありません。私たちを下ろしたバンは街がある方へ行くので、一旦私たちも街へ出れば、そこでバスを乗り換えてルートバーンシェルターへ行く便に乗ることもできるのですが時間がもったいないので、今回はヒッチハイクにかけることにしました。

この時間帯、ルートバーンへ向かう車はきっと捕まるはず!だけど、大きなザックを抱えた4人を乗せてくれる車はなかなか来ないだろうから2人ずつ分かれてヒッチハイクするしかないね、と話していた私たち。

そんな私たちに奇跡が起こります・・・。

バンを降りてありがとうと運転手のおじちゃんに手を振っていると、こちらに向かってきた1台の車。私たち4人は大きく手を挙げ必死に車を止めようとします。

すると、窓を開けて笑顔の素敵なお兄さん。ベッカは食いつくように、ルートバーンシェルターまで乗せて行ってくれませんかと声をかけます。ドイツから来てニュージーランドをふらりとしているお兄さんベンは、私たちと同じようにルートバーントラックに歩きに行くらしく、乗せてくれるとのこと。「4人乗るんじゃないかな、荷物は膝の上状態で乗ることになると思うけど、大丈夫だと思うよ」

無事、私たち4人はベンの車に乗りルートバーンシェルターに到着。お昼ご飯を食べて、さあ出発です。ベンも一緒に歩くとのこと!

ルートバーントラック

1時間ほど森の中を上がっていくと、スイミングスポットに出ます。ここで泳がない選択肢はありません!もちろん、ベッカとリリーにとっての話です。私とエリンは、足を突っ込むだけ!!!

▲私より先に川に入っていくエリン

▲ベン、ベッカ、リリーは岩に登って川へジャンプ

グリーンストーントラックや私の働く小屋付近の川の色とはまた違う、緑に近い川の色。目を疑うようですが、写真に加工はしていませんし、肉眼で見ても本当にこんな色です。

友人に再会

川遊びした後は、さらに標高を上げていき、樹林帯から景色が開けた地点へ出ると山の間を縫うようにして流れる川が一望できます。

この辺りからでしょうか。私は右膝に違和感を覚え始めます・・・。

15:30、私たちの系列の小屋に到着。友人がここで働いているので私1人、顔を出すことにします。皆は近くで休憩がてら外で待っていてくれるとのこと。

しかし小屋のマネージャー曰く友人は小屋のメンバーと近くへハイキングに出かけたとのこと。休憩時間中、外で遊び回っているようです。「歩いていたらすれ違うんじゃないかしら」「そうですね、このまま進んでみます」

友達は小屋にいなかったと伝えると、あらあら残念だったねと皆。すると数分もしないうちに上から軽装の3人がこちらに向かって歩いてきます。「あぁ〜さやか〜!今日くるの忘れてた!!」「そうだろうと思った〜!」友人のまりちゃんと、去年一緒に働いたみんなの姉貴キャサリン、それから小屋のシェフ3人で出かけていたようです。

しばらく立ち話しして、またゆっくり来るね、とお別れ。私たちは今日の宿泊地であるバリーオブザトロールと呼ばれる地点まで歩きます。「地図に書いてあるほど時間はかからないよ」と3人に教えてもらいます。

▲お天気が良くてなかなか前へ進めません

▲ベンに頼んで4人の写真を撮ってもらったり、自撮りしたりで忙しい私たち

バリーオブザトロールへ

バリーオブザトロールと呼ばれるその場所は、ルートバーントラックの正規のルートから離れた場所にあり、途中湖の方へ降りていきしばらく歩くことになります。

ベンはDOCの小屋を予約していたので、この分岐点でお別れ。私たちは目の前の大きな湖に向かって突っ込んでいくようにして降りていきます。

この辺で私の膝の違和感はしっかりとした痛みに変わり、特に下り坂はどう動かしても膝の中が痛くてたまりません。負担がかからないようゆっくりゆっくり歩きます。膝の痛みさえなければ、十二分にこの景色を楽しめたのでしょうが、私は正直それどころではありません。今の私には皆が走っているかのように速く、距離が開いてしまったので、テントを張ったら皆に膝が痛いことを伝えようと決めます。うーん、困ったなあ。

▲この地点では山の反対側からの風がどんどん入ってきて、雲が巻き上がるように出来上がります

▲いざ、目の前にすると大きな湖

▲景色に圧倒されて、いや、膝が痛くて何度も立ち止まります

▲道はないようで、しっかりとあります

テント設営

湖沿いをアップダウンしながらしばらく歩くと湿地に出ます。ここで、私たちはテントを張る場所を探します。エリンは自分のストックで地面を突きながら、湿りすぎてないか、しっかり平地になっているか確認を続けます。

途中、すれ違った人からの情報で、滝のそばにある大きな岩の隣がフラットで湿ってなくてテントを張るにはちょうどいいと聞いていました。エリンはその情報を頼りにずんずんと進んでいきます。「あ!そこは気をつけて、沈むよ!」「こっちこっち!」

無事テント場を確保し、ほっとひと休憩。テントを背に、目の前に広がる景色はこちら。

本来はここからもう少し進んで、きゅっと斜面を登ったところにあるレイクウィルソンに行こうと話していましたが、時間的にも厳しいですし皆で行くのは中止に。ベッカは夕食後、ヘッドランプをつけて一人で行っていました。私は膝が痛いという話も皆にします。

ワッフルとホットチョコレートとトランプ

今夜はベッカは不在ですが、リリーとエリン3人でトランプをしながらテントの中で盛り上がります。「なんのゲームがいい?」「頭を使わない簡単なのがあるよ、こういうの知ってる?」「知らない!」「やってみよう」私が2人に教えたのはババ抜き。簡単で良いです(笑)。「このゲーム楽しいね!もう一回やろ、やろ!」

もちろんトランプは、今夜もワッフルとホットチョコレートを飲みながら。このワッフルというのは、平らなもので間にメープルシロップが挟まっています。ホットチョコレートを入れたカップの上に蓋をするようにのせ、しばらく置いておくとホットチョコレートの蒸気でメープルシロップがとろりと溶ける、といった具合です。

コーヒーを飲んでポレッジを食べ、テントを片付けて1日中歩き、またテントを張って夕食、そしてトランプにこのおやつ。このルーティーンがとても心地よくてたまりません。

さて、明日は車を停めた駐車場へと歩いて戻る日です。

 

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