梅雨前のお天気が良い日に、いつか、いつか、行こうと思っていた鷹取山へ行ってきました。今回は私含め5人の家族登山、最年少は小学3年生になったばかりのいとこです。
鷹取山とは
鷹取山と調べると全国にいくつかあるようですが、今回行ったのは、福智山系に属する鷹取山(633m)。福智山系とは、福岡県北部の北九州市、直方市、福智町、春日町に跨る南北30kmの山脈です。最高峰は、福智山(901m)。そのすぐお隣にあるのが鷹取山です。
昔、鷹取山の山頂にはお城があったそうで、福智町観光案内サイトには、“時の城主で、黒田武士のモデルとなった母里太兵衛(ぼりたへえ)が「富士山よりも福智山の方がすばらしい」と言い放ち、生涯譲らなかったといいます。“ と紹介されています。
鷹取山はもちろん、福智山系に属するピークへのルートはいくつもあり、初心者からベテランハイカーの方々まで賑わう場所です。ザックを背負った登山者だけでなくトレイルランナーの姿も多く見られる山で、毎年、香春町の採銅所〜北九州市の皿倉山間の24kmがコースとなったカントリーレースが春と冬に開催されているようです。(この春行われた大会は101回目だったようです。)
この辺りの学校に通っていた人であれば、遠足先は福智山や鷹取山、校歌には福智山の名がうたわれているはずです。
上野登山口
鷹取山へのルートはいくつかありますが、今回は初心者でも登りやすい上野登山口から山頂へ繋がる上野越ルートを選びました。上野は「あがの」と読み、地名です。上野と言えば、上野焼。登山口へ向かう道中には上野焼の窯元があります。
余談ですがこの辺りは田んぼに水が張り蛙が鳴く季節になると蛍が飛び始めます。小さい頃よく行きましたが、木がクリスマスツリーのように輝いていたのをよく覚えています。数は減ったものの今も蛍を観ることができます。
上野登山口付近には、上野峡入口バス停、水汲み場、公衆トイレや靴を洗える水道があります。公衆トイレ隣には数台分の駐車場、少し下りたところに大型駐車場があります。週末ということもあり、9時半前後に駐車場に着いた時には、路上駐車している車が多々・・・でした。(低山ならではの急登が続く白糸の滝ルートの場合、公衆トイレからさらに上に行くと別の駐車場があります。)
駐車場から舗装された道を行く途中には、閉館した温泉旅館や民家があります。昔はこの温泉も賑わっていたのでしょうか・・・、なんとも寂しい雰囲気でした。
5分ほどコンクリート道を歩くと上野登山口に到着。
登山口には大抵「登山口」と書かれた看板があるような気がしますが、「注意」系の看板が並ぶこの登山口・・・。よく探すと、隠れていました。
ここから福智山を目指すも、鷹取山を目指すも、分岐までは同じルートなので、看板には福智山方面と書いてあります。
この写真の通り、とても歩きやすい道が沢沿いに続きます。背の高い木々のおかげで、山に入る前は暑く感じたこの日も涼しく快適でした。
のんびり歩き始めて5分、最初の分岐点。右に行けば八丁越(白糸の滝)ルート)、真っ直ぐ進めば上野越ルートです。もちろん真っ直ぐ進みます。
さらに5分ほど歩くと、左手に看板が出てきます。
どこんじょう・・・?
この大きな木の根っこのことでした。一歩引いて視界を広げてみると、とても大きな木、大きな根っこで口をポカンと開けて上まで見てしまいました。私以外は気づかなかったようで、いつの間にかおいてきぼり。早足で追いかけます。
写真には撮りませんでしたが、この先に次の分岐点があります。そこを右に曲がると虎尾桜へ出ます。最近まで知りませんでしたが、この辺では有名な桜の木だそうです。樹齢600年だとか。去年も今年も見逃したので、来年こそは・・・と思っています。
しばらく行くと砂防堤につき当たり、写真のような急な階段があります。石段は急で不揃い。段差が大きなところもあるので、要注意です。とは言っても、手すりがあるので一歩一歩気をつければ、問題ありません。上野越ルート上で注意箇所を挙げるのであれば、ココです。
鷹取山・福智山の分岐点
階段を登りきって少し歩くと、次の分岐点に出ます。左に行けば、鷹取山、右は福智山、真っ直ぐ進んでしまうと、福智山ダムの方へ降りてしまいます。看板があるので、間違うことはないかと思います。この日は登山者も多く、ベンチで休憩している人、すれ違いに挨拶を交わす人、街中の交差点のようでした。
この看板から山頂へは10分(と某アプリには出ていましたが、ゆっくり歩いていたのでもう少し長くかかった記憶)。視界は山頂に出るまで開けることなく、林の中を歩いていきます。所々道が狭いので譲り合いながら。
少し目線を下げると、この植物があらゆるところに。肌触り、とっても良い◎
道脇に黄色い花の蕾も。どんな花が咲くんでしょうか。
鷹取山山頂
そろそろ山頂についていいはず・・・と思いながら歩いていると、急に視界が開け、鷹取山山頂に到着。633m、スカイツリーと同じくらいの標高です。
目の前には遠賀川とその周りの田んぼや街が広がり、反対側には福智山が。
見頃は過ぎていましたが、水仙が咲く山としても知られている鷹取山。いくつか咲いていた水仙をパシャリ。
山頂は走り回れるほど広々としていて、お弁当を食べる人、寝っ転がる人、お茶する人、それぞれソーシャルディスタンスを保って(笑)のんびり過ごしていました。いや〜あ、それにしても、広い山頂です。
山頂の広場から少し離れたところに、石垣の跡らしきものが。こんな高所にあった鷹取山城、どんな姿だったんでしょうか。
終わりに
片道1時間半程度のコースタイムですが、今回は休憩30分含めて4時間弱の、のんびり登山でした。歩きやすい登山道で日帰り登山には丁度良い距離、山頂からの展望は◎!何度でも足を運びたいなと思える低山でした。近くの福智山はもちろん、尺岳や雲取山と縦走してもいいし、コースを変えてもいいし、真夏の暑い時期を避けて、また登りに来ようと思います。
✏︎2021.5.24
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