【95日目】水場の締め作業と雑巾縫い

今日明日の2日間は水場の締め作業だ。男性陣は総動員で水場の締め作業を行う。よって小屋の中は女性で回すことになる。


ヘリがなかなか飛ばないので下げ荷は昨日からこの状態だ

小屋の中は女性3人で忙しくなるかなと思いきや、お客さんの流れは落ち着いていたので、穏やかな1日だった。午後はひたすら雑巾縫いをした。

水事情についてはせっかくなので、簡単にまとめておきたい。

小屋で使う水は沢水

私の働いている小屋では沢から汲み上げている水をタンクに溜めて使っている。販売している水、トイレや洗面台でひねると出てくる水、料理に使っている水、全て沢から組み上げられた水だ。小屋によっては天水に頼っているところもあれば、水源地が小屋から近く水に困らないようなところもあるようだ。

水源地

私たちの小屋の水源地は、女性陣は行くことはない(小屋に来たばかりの頃、見てみたいと伝えると閑散期に一緒に行けたらいいねと話していたが、今季は流れてしまった)。

水場に行くのは男性陣で、小屋を開ける時期、閉める時期と、シーズン中定期的にバッテリーの交換に行く。水場は登山道から離れたところにある。小屋と水場はパイプで繋がっているので辿っていけば着く場所ではあるが、小屋の人間以外は行かない場所だ。

聞くところによると、道なきみちを行くらしく、岩場が続くので気を抜けば谷へ落ちてしまう。そこから見ることのできる岳樺の紅葉は綺麗だ、と男性スタッフは皆そう言っていた。

貴重な水

晴れの日が続けば、もちろん水は枯れる。タンクの水が減ってきた時や、この時期、水場を閉めて天水に切り替わった時は、皆で節水する。皿洗いや仕込み作業、自分たちの洗濯や歯磨きの時でさえ気を使う。

水場の閉め作業

10月の下旬になると氷点下の日が増え、水場には雪が積もり、パイプを通る水は凍ってしまうので、男性陣は水場の締め作業に出かける。

締め作業がが完了すると、沢の水はタンクに溜めてあるだけになり、なくなれば、天水に頼ることになる。天水、つまり雨水のことだ。これから約1ヶ月弱の小屋閉めまでの間は水はさらに貴重になり、今まで以上に気を使うことになる。お客さんにも一言、節水の協力について声をかける。

水抜き

水場の締め作業とは別に、水に関する重要な仕事がもう1つある。水抜きだ。

小屋の裏にあるタンクから小屋内の水道につながるパイプの中で、夜中〜朝方にかけて水が凍るので、毎晩消灯前に男性陣が小屋の周りのパイプの中の水を抜く。雨が降る日も、凍えるように寒い日も、毎日レインウェアに長靴の格好で、ヘッドランプをつけて行っている作業だ。

水抜きをするということは、タンクと小屋の水道が繋がっておらず、蛇口をひねっても水が出ないということだ。夜の歯磨きや朝パイプを再度繋ぐまでの時間は、鍋ややかんに溜めた水を使うことになる。明日は冷えそうだ、という日は厨房に大量の鍋とやかんが並ぶことになる。

何をするにしても、あ・・・水がいる・・・、と気づく。ちょっと手を洗おう。次の野菜を切りたいから包丁を洗おう。お湯で温めたいな。無意識に蛇口に手を伸ばす。ひねっても出ないのは分かりきったことなのに。人間にとって水は大切なものだと改めて知らされた。

 

 

こうして水場の締め作業が終わったということは、今シーズン営業終了まで残りわずかだということだ。小屋の中でも小屋閉めに向けて掃除や在庫管理などの作業が増えてきた。小屋閉め作業については追い追い書いていきたいと思う。

 

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