56日目、57日目 デイジーが泊まりに来る
過去の山小屋日記in NZを読んでいる方はご存知、2シーズン一緒に働いたデイジーが、私の働いている小屋に1泊泊まりに来てくれました。彼女はキウイですが、約1年半前に一緒に働いた後、タイを中心に海外で生活しておりヨガを学んでいたようです。その後親戚(?)のいるオーストラリアにいき、今はオーストラリアで幼稚園の先生をしているとのこと。数日前に彼女のインスタグラムで、ニクリスマス〜正月の間ニュージーランドに戻ってきていると投稿があったので連絡をしてみると「月曜なら泊まりに行けそうかな」と。
私の働いている小屋は基本的にガイド付きツアーなので2泊3日のツアーに参加しなければ泊まることはできません。トラック上にある2つの小屋のうち1つの小屋に1泊だけする、素泊まりする、連泊する、というようなアレンジはできません。しかしスタッフの友人や家族であれば単発で泊まることができます。ネットでリクエスト申請をしオフィスが承認すれば、1晩55ドルで泊まることができるのです。
直前に決めましたが、お天気にも恵まれ彼女は無事お昼過ぎに到着。私はデイジーが来るということを、ブリッジには内緒にしていました。数日後に辞めるブリッジはここを離れる日が近づいてきて嬉しそうではありますが、毎日何かに対して文句ばかり言っています。少しでもハッピーになって欲しいと、サプライズにしようと私からデイジーに提案しました。デイジー、ブリッジ、私3人とも同じ小屋で2シーズン働いた仲間です。
デイジーが到着した日は、ブリッジはLシフト(洗濯)。Lシフトは夜のディナーサービスの仕事はありませんので、15時前にはやることが全て終わります。一緒に湖へ散歩し、そのあとは部屋に戻って私にこう言います。「夕食は皆と一緒に食べたくないから時間をずらすか、部屋で食べる」彼女は明日はHシフト(ホスト)なので仕事が始まる時間11時までフリーなのです。

▲湖周辺の花が一気に咲き始めました

▲水位もだいぶん下がりました
散歩を終えたあと、ブリッジとは解散。私はデイジーがそろそろ到着するのではないかとソワソワしながらラウンジで彼女を待ちます。しばらくするとデイジーが到着。オーストラリアで日焼けしたのか、オレンジ色の肌のデイジー。最後に会ってから1年半以上経ちます。久しぶり!!!と挨拶して、部屋や洗濯室を案内。そしてブリッジの部屋の前で部屋にこもっている彼女に私は叫びます。「ブリッジ、いる?出てきて!」「はぁ?!何だよ!!!」晴れている日には日差しで暑くなるスタッフルーム。ブリッジは暑いのが嫌いなのでカーテンをきっちり閉めていますが、カーテンを明けて私の声のする方を見ます。
とてもびっくりした様子でfuck offだったかget out!だったか、アボカド柄のパジャマを着たブリッジは叫んで笑顔に。「夜ご飯は部屋で食べようと思ったけど、今日は一緒に食べないといけないね・・・」
私はディナーサービスがあるので、ブリッジとデイジー2人で夕方は少し離れた場所まで散歩。私がディナーサービスを終えたあとは私たち3人と、エマ、セシアでラウンジでワインを飲みました。毎日数少ないメンバーで過ごしていると、外からやってくるフレッシュな空気が新鮮で、1日が特別なものになります。ブリッジも、デイジーと久しぶりにおしゃべりできて嬉しそうです。よかったよかった。
エマの存在
クリスマス頃から私たちの小屋に助っ人として2週間一緒に働いているエマ。彼女のこと、彼女がきてから変わったことも書き残しておきたいと思います。この2週間、彼女がいたことで小屋の中の雰囲気が随分と変わりました。彼女は誰に対しても、どこにいても笑顔。よく笑いますし、たくさんおしゃべりします。急に踊り出しますし、「何か必要だったら何でも言って!」と声をかけてくれます。2シーズン目に一緒に働いたマリアを思い出させます。彼女がいれば場は必ず明るくなる、ムードメーカーです。
彼女が2週間いてくれたことで、雰囲気が変わったのはもちろん、私の仕事の一部も他のスタッフに分散され、毎日1時間以上は短く働くことができました。本当にありがたい。小屋の中ではcookである私とシェリー、マネジャーであるリンとセシアはどうしても毎日10時間以上働かざるを得ません。1人増えたことでそれが解消され、セシアは「常にこうあるべきだ!」と、オフィスのマネージャーにメールをすると言っています。「私もメールしよう、そうしよう」「うんうん。さやかもメールしてくれたら1人で訴えるより絶対いいと思うから」
朝から腹が立つ私
これは58日目の出来事。思い出しただけで腹が立ちます。
朝、キッチンへ行くと、ゴミ箱が空になっていません。ニュージーランドの山小屋は毎晩ディナーサービスが終わったらKHシフト(キッチンハンド)のスタッフがキッチンにある3つのゴミ箱のゴミをまとめ、外の大きなゴミ箱へと持っていくことになっています。(日本では朝の掃除で片付けますが、私は夜に綺麗さっぱり片付ける方が好きです。)
朝、さあ仕事を始めるぞ!というときにゴミ箱がパンパン、気分が下がる私。すぐにゴミをまとめて片付けることにします。私は、ポーチドエッグを作り、オーブンの世話をし、ポレッジを作りとやることは山盛りなので、その場にいたKHのエマに、「この縛ったゴミ袋、外のゴミ箱にもっていってくれる?昨日ルイがやり忘れているみたいだから」とお願いします。
それから数時間後、朝のスタート時間が遅いLシフトのルイがいかにも寝起きという顔でキッチンにやってきます。少し時間を置いてから私はルイに「昨日ゴミ箱のゴミ、捨てるの忘れてたよ」というと、私の頭から湯気が出そうな返事が返ってきます。「あー。KHの仕事は多いから毎回何か1つは絶対忘れるんだよ。それに外のゴミ箱は全部パンパンだったから外に持っていっても入らないよ」「エマが今日の朝外のゴミ箱に持っていってくれたよ。」「うーん、ああ、そう」
は???????
まずは謝らなやろ!!!
私は大した返事もせず、この会話は終了。
日本だと誰かに何か仕事をお願いしたり、他人の仕事に対して口を出したり、ということは遠慮しがちな私ですが、ニュージーランドに来ていろんな国籍の人と仕事をするようになってから、お願いしないと誰も手伝ってくれないし空気を読む人はいないと学んだので、以前よりははっきりと物事をいうようになりました。気を使うだけ無駄ですし、私が気を使っても誰も気づきません。口に出してやっと気づきます。
しかし、今回に限っては、ルイに気を使うどころか、口に出して伝えても無駄だな、と思ってしまいました。朝からこれ以上さらに強く言うエネルギーもありませんし、怒るのも叱るのも、私の得意分野ではありません。私は泣いても騒いでも、あと数ヶ月ルイと一緒に仕事をしなければなりません。うーん。
彼は気が乗っているときは、仕事をきちんとしますし、日によっては誰よりも皿洗いに力を入れてくれます。男とか女とかいうのはこのご時世よろしくないかもしれませんが、男性にしては、父親がレストランを経営しておりそこで働いた経験があるからか、食べ物に対してやキッチンの仕事を丁寧にこなしてくれています。
が!気が乗っていない時の仕事の雑さったらありゃしません。はぁ。“山小屋愚痴日記”にしたくないので、この辺でやめておきます。
最後のワイン
58日目の夜は、ブリッジにとって小屋での最後の夜。その場にいたガイドとブリッジ、エマ、私で、wastage wineを飲みながらおしゃべり。(wastage wineというのは開けてから3日以上経って余っているワインはスタッフのワインとなります。)エマのおかげでブリッジも楽しそうに会話をしています。それでもここでの生活に飽き飽きしているのは、言葉の端々からすぐにわかります。こう言っては何ですが、私はブリッジの愚痴聞き係が今日で終わるので、少しホッとしています。それにしても彼女は、過去一緒に働いたG小屋での思い出を美化しているのか、あのときはああだったよね、こうだったよね、楽しかった、いいメンバーだったと言っています。でも!私は覚えています。G小屋で過ごしていたときは彼女は今ほどではなくとも「こんなところで仕事なんてやってらんない!」「あいつは××だ」と愚痴を言っていたことを・・・。きっと、今の思い出も数年後には彼女の中で美化されることでしょう。そう願っています。
59日目 下山
59日目は木曜日。リサプライの日です。食糧はお昼前に運ばれ、たったかと10kg、15kgあるいくつもの野菜などが入ったかごを冷蔵庫に入れて整理し、今日私の下山と入れ替わりで入山するシェリーに置き手紙を残します。前回は、ヘリのお迎えがあまりにも急で、トイレにいく暇すらなく、水筒を忘れ置き手紙は全く残せませんでした。今回は、何が起きても良いよう、前もって準備していたのでスムーズにことが済みました。
ヘリコプターでの移動は、やっと慣れました。興奮しすぎず、ここ数回は車に乗るようにヘリに乗っています。いや、ヘリの音を聞いたり、ふわんと浮く瞬間はまだ興奮しているかも・・・。
*
こうして、今回の16連勤は終了。セシア「あと4回入山したらシーズン終わりだね!」もうあまりにもびっくりする私に、1回、2回と数えてみせるセシア。すでにシーズン折り返し地点に来ているようです。まだまだ長いような、あと4回しかないと短いような・・・。

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