【33日目】掃除とコロナ対策

従食当番に悩まされることを散々書いてきたが、少しずつ慣れてきた。最近は、部屋掃除が大変だ。お盆シーズンのためお客さんが毎日多く、掃除する場所が増えるからだ。ありがたいことである。

山小屋の掃除の時間は朝だ。出発するお客さんを見届けた後、唯一小屋の中が静かになる時間、その間に掃除をする。大体、6:00頃から8:00頃、長いときは9:00頃まで。途中、自分たちの朝の従食を挟む。

掃除は、トイレ当番だけ毎日順番で回るが、それ以外の箇所は特に決まってない。それぞれが周りを見ながら動く。空気を読め、というやつだ。

リネン類は、毎日洗って干せるわけではないので、布団専用の箒で履く。シーズン中数回、屋根に布団を干すこともある。

個室の布団にはシーツがあるので、そのシーツは毎回取り替える。使用済みは一つの段ボールにまとめておき、ヘリが来たときに下げてもらい、クリーニング済みのシーツが上がってくる。

部屋をはじめ、食堂や談話室、厨房、自分たちの従部屋、廊下、全ての床を履いて雑巾掛けをする。しゃがんで雑巾掛けをするのは小学生以来だ。(中高の時は、モップのようなものを使っていた気がする)

7月の初めは、正しい雑巾掛けの方法(笑)が分からなかった。何も考えずに、ただ拭けばいいだけなのだが。

掃除の時間は結構体力を使う。布団を決められた形に畳むのでさえ疲れる。私がひと区画掃除している間に、先輩たちは倍のスピードで布団を畳んで終わらせていく。

コロナ対策ということで、小屋の中でのルールとして掃除中は手袋をはめる。特に枕や布団は感染源となりやすいからだ。

それ以上に気を使うのは、トイレ掃除だ。今年から長靴をはき、トイレ掃除用のレインウェアを着て、フェイスシールドを付けた上で行うことになった。もちろん手袋もする。二重だ。

鎧を纏った状態のようだ。今日は、珍しく暑い。夏とはいえこんな風に暑いと思うことは山の上では少ない。レインウェアを着て、フェイスシールドをして、、、となると、メガネが曇ってくる。

お客さんが多いとトイレの使用回数も増える。ここでは、トイレのゴミは全てヘリで下ろすようになっている。空気を抜いてできるだけ小さくしてゴミ袋をしばる。

ゴミ袋の縛り方も徹底されている。大体このくらいの量、重さ、というのがあり、それ以上入れると運ぶ人が苦労するし、それ以下だとゴミ袋が勿体無い。

ゴミ袋は生ゴミ以外は全て二重だ。生ゴミは小動物が狙うので三重にしなければならない。空気を抜いて縛り、結び目に手が引っかけやすいような形にする。これがなかなか難しい。握力はもちろん、コツがいる。

トイレ掃除は、床に消毒作用のある液体を水に薄め床に撒き、ブラシで汚れを取って綺麗にしていく。便器を磨いて、壁を拭き、トイレットペーパーを補充する。忘れてはいけないのが、ドアの取手の部分の消毒だ。

今年からトイレ掃除は特に、手順が増えて時間が掛かるし気を使う部分が多い。汚れていないであろう部分から手をつけ、1番汚れているであろう部分は後に回す。掃除中の手袋で、あらゆるところを触らないようにする。レインウェアは使い終わったらアルコール消毒し干しておく。

大変ではあるが、綺麗になっていくのが気持ちいい。なかなかの臭いだが、トイレ掃除は個人的に好きだ。

掃除中にテン場のお客さんが使っていですか、とやってくる。200円で使えるならありがたい、綺麗だ、と声をかけてもらえると、嬉しい。

 

 

 


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