【32日目】流れ星

今日は流れ星を見た。しかも、絵に描いたような流れ星だ。流れていく線は長く、瞬きしてもすぐには消えない。

午前中は昨日の天気を引きずっていたが、夜になるに連れて雲は少なくなった。

今日も上着を羽織って消灯後に小屋をを抜け出す。スタッフ同士で星を眺めるのも嫌いではないが、1人で静かに眺める方が好きだ(笑)。テン場を通り過ぎて、ここなら誰も来ないだろうという場所を選んだ。座って一息つく。

まるで、美術館で絵を見ているかのようだ。

目の前にあるのは額に入れられたような北アルプスの山脈。これまで感じたことないような迫力だ。山肌の細かな部分まで油絵で再現されている。いや、再現ではない、本物だ。山が迫ってくる。

寝転がれそうな岩を見つけて仰向けになった。今日は星がよく見える。山小屋に来る前に、山での景色がよく見えるようにとメガネを買ったのだが、それでも度数が足りないように思った。天の川の小さな星まで眼鏡では追えないのだ。

目が慣れてくると、一つ、また一つと流れ星を見つけた。すーっと細い筆で線を描いたように、流れていく線が空に残ったままだ。これには驚いた。

星の流れるスピードが遅いのか?空気が澄んでいるから跡がよく見えるのか?

さっきまで少し寒く感じたが、寝転がっているとそれほど寒さを感じない。岩になった気分だった。

 

 

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