【25日目】パーソナルスペース

今日は早番なので午前中に休憩時間があった。晴空だと、散歩せずにはいられない。

「散歩せずにはいられない」というのは本当のことだが、小屋の中にパーソナルスペースがないに等しいから、というのも、休憩時間に外に出る理由の一つだ。

従業員部屋は相部屋で、自分のスペースはベットの上だけ。荷物を置くスペースもベッドの上だ。工夫して天井や壁に紐をつけ、洗濯物をぶら下げたりしている。カーテンで仕切られた秘密基地のようで嫌いではないが、とにかく狭い。

私の場合、そのパーソナルスペースに入った途端、眠くなる。そして、小屋のどこよりも寒く感じる。休憩場所としては最悪だ。

そんなことなら、散歩したり写真を撮ったり。外で音楽を聴く方がストレス発散にもなる。

あの人は何を考えながら歩いてるんだろうか、どこからきたんだろうか、夏らしい雲だな、とか、ぼーっとするのもなかなか楽しい。ときどき昼寝もする。お日様の下の方が部屋よりも心地よい。

稜線上は音を遮るものがないので、おしゃべりしながら歩いている人がいると、遠く離れていても、話す内容が手にとるように聞こえたりもする。

今日は1つ新しい発見があった。遂に秋を知らせるトンボが飛んでいたのだ。支配人もちょうどブログ用の写真を撮るために近くを歩いていたので、トンボがいますよ!と声をかけると、すぐにカメラを構えた。

梅雨が明けたかと思えば、もう秋か。

夜も少し散歩した。月は明るいが、星も夜景も綺麗に見えた。岩にカメラを乗せて撮ったので、伝わらないが…こんな景色だった。

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