23日目 出会い

今日はお休み。1日晴れだというので、同じくお休みの先輩は上の方へと朝早くに出発したようだが、私はゆっくり起きて夜ご飯を先に作り、昼前に出発した。

従食は、夜ご飯のみ皆で一緒に食べるが、今日は1人で食べたいという時はカレンダーにばつ印をつけておけば良い。そうでなければ、当番であるEのシフトの人が作った料理を皆で全ての仕事が終わった後、一緒に食べる。そして、片付けも皆でやる。食事〜片付けの時間はダラダラしてしまうので、ささっと部屋に戻りたい私からすると、休みの日は1人で食べようと思ってしまう。1回限りならダラダラするのも悪くないが、7ヶ月も一緒にいるメンバーだ。毎日会話に花が咲くわけでもなく、携帯をずっと見ている人だっている。一応言っておくが皆が仲が悪いとか、毎回楽しくないわけではない。

1人で食べるとなると、選択肢は3つ。夜ご飯を食べない、自分で作る、カップ麺を食べる。カップ麺には毎日惹かれるが今日はなんとか我慢をし、夜ご飯はオムレツとおにぎりを作った。

小屋を出発したのはお昼前。8km先の河童橋まで、なんならさらに先の大正池まで行こうかと思っていたが途中、思い出に残る出会いがあった。

ツバメオモトを今シーズン初めて見つけ、夢中で写真に撮っているとおじいちゃんに声をかけられたのだ。それから一緒に歩き、座っておしゃべりをした。今日の散歩は、このおじいちゃんに会うためだったのかもしれない。実際の年齢よりも10以上若く見える。私よりも歩くのは速いし、背筋はピンと伸び、シワがありながらもお肌はツヤツヤしていて、目もきらっとしている。話していても年齢の差を感じさせず、花の話以外にも色々とお話をしてくれた。

先日のフキノトウ事件(笑)のような出会いもあれば、今日のような出会いもある。同じ道を歩いていて一瞬の挨拶をした時に10秒で終わってしまうこともあれば、話が30分、1時間へと発展することもある。

どのくらいの時間、そのおじいちゃんとお話ししたのかは時計を見ていないが、いつぶりかわからないくらいに、出会うことができてよかったと心から思った。家にいたら家族と喧嘩するだけだし、あなたとお話しできてよかったと、別れ際に何度も何度もありがとうと頭を下げながら、歩いて行った。「私も小屋にいると24時間同じスタッフと過ごしているので、人とお話しする時間が貴重です。お話しできてよかったです」と伝えた。私は、聞いたお話しにうるっとしてしまい、さらに先へ散歩するつもりだったが、十分にお腹いっぱいになったので途中で回れ右して小屋へと戻った。

さて、植物観察はというと、

まず、そのおじいちゃんとの会話のきっかけとなった、ツバメオモト。一度目に入ると、その後次から次に目に入ってくる。葉はつるんとしていて鮮やかな緑色だ。ユキザサよりも明るい色をしている気がする。また、少し葉も部厚い印象。

ユキザサはというと、あちらこちらで蕾の数が増えていた。美しく巻かれた髪のように、葉はくるりんとしている。

こちらは、ツクバネソウだと思う。

葉が開くときはこのようにカールしているようだ。

サンカヨウは小屋から離れたところにいくつもいくつも葉を出している。

カタバミも順調に数が増えている。蕾も、開きかけも、開いた花も、どれも可愛い。

そして、エンレイソウ。この状態で地中から出てくるのかと思いきや、今日新たな発見があった。

おそらく、このように首が折れた状態で地中から出てくるようだ。エンレイソウだと思う。

地中から出てくる途中なので、色は薄く黄色っぽい。明日以降、エンレイソウの芽観察にもう少し力を入れることにする(笑)。

そして、ニリンソウ。昨日と比較しても花の咲いている数が倍近くになったと思う。ニリンソウは、上の花から先に咲く。

いつも花の写真ばかり載せているが、花の咲いている森の様子はこんなふうだ。

この、緑で覆われた部分が1週間2週間経てばニリンソウの白い花で埋め尽くされ、その季節が終われば、また他の花たちが森の中をにぎやかにしてくれる。

最後に定点観察。

【小屋から望む前穂】

【化粧柳と前穂】

【梓川と大天井】

【大天井岳】

 

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