160日目 連休一日目、お金を使う

ここでの山小屋生活において、最後の2連休。2日目は、休みが重なった1人のスタッフと一緒に奥又白池へ行こうと数日前に決まった。では、1日目は何をしよう。登山という登山をする気にもなれず、コーヒーとスイーツがおいしくホッと一息つくことのできる、歩いて1時間下ったところにある山小屋へ行くことにした。週末は特に混雑し、スイーツも売り切れになることが多いので、休みの日にしては早起きをし、ケーキとコーヒーのために、てくてく1時間弱歩く。

ケーキは季節によって変わる。今日のケーキは何だろう。行かなければわからない。

到着すると、そこそこお客さんが入っているが、ボードにはまだ売り切れの文字はない。まずここで一安心。今のスイーツはキャラメルチーズケーキらしい。それを一つオーダーし、歩いていると体もあったまったのでアイスコーヒーを注文する。

写真に撮ったはずだが、誤って消したそうだ。写真が残っていない。大事に大事に食べるつもりがぺろっと食べてしまい、コーヒーもごくごくと飲んでしまい、20分足らずでご馳走様。次から次にお客さんも来るので、私は立ち上がりお会計を済ませ、次の目的地へと向かう。

次に向かったのは、私の山小屋のすぐ隣にある小屋。名物の手作りカレー、そしてショーケースに並べられた瓶のレモネードをいただく。ランチどきはいつも混んでいるので、食事をしにいくのをためらっていたが、今回は、私にとっては最後だからと強い気持ちで(笑)食券を買う。

天気は良い。外のテラス席で晴空の下、カレーを一気に食べ、レモネードを瓶で飲みながらぼーっとする。お金を財布から出し(山にいる間はジップロックが財布になる)、対価として何かを手に入れるという行為をあまりしないので、お金の使い方を覚えた子どものように新鮮な感覚を覚えながらの食事。働いたお金で食べているというある種の嬉しさをひしひしと感じた。何回山小屋生活を繰り返しても、この感覚は、うまく説明できないが、面白い。私が今お金で何かを買えるという状況にあること、買うことで満たされる自分がそこにいること、一つ一つが面白いのだ。

コーヒーソフトも食べようかなと迷ったが、それは明日の登山後に取っておくことにする。

そうこうするうちにお昼が夕方になり、夕方が夜になる。あっという間の連休初日。明日の天気は良さそうだ。初めて行く場所なので、楽しみと不安で半々だ。

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