157日目〜159日目 バッジ制作

下山する日が着々と迫ってきている。それまでに私が終わらせなければならないことは一つ、バッジのデザインだ。デザインを確定させ、あとは納品を待つだけ、という状態にさせて下山しなければならない。しかし、仕事と休みをきっぱり分けたい私は、休みの日を使ってまでデザインをしたくない。私が好きで(趣味で)絵を描くのと、今回小屋の商品のためにデザインをするのは、同じ絵を描くという作業でも、別物だ。だからと言って、勤務時間中に絵を描ける時間があるのかと言われると、まとまった時間はなく、たいてい30分、長くても1時間。しかも途中電話を取りながら、受付でお客さんのチェックイン作業をしながらである。リラックスした状態では描けない。と文句ばかり言っても仕方ないのだが、今回手拭いとバッジの制作をしてみて、精神的にストレスを溜めながらの作業になってしまうし、やっていて自分がわくわくできないと気づいた。事務的に絵を描いている感覚なのだ。それでもやるからには自分が納得いくまでやりたいし、質を落としたくない。見えないプレッシャーと自分が勝手に感じてしまうストレスで、あぁもう・・・と何度も叫びたくなるのを抑え、なんとかなんとか完成しそうではある。

自分が納得のいくものを作るのであれば、環境を整えた上で、仕事としてきちんと受けるべきだなと、今回とても勉強になった。器用にやれる人もいるだろうが私は器用ではないし、絵を描くスイッチを付けるのであれば他のスイッチは全て消してしまう必要がある。できることなら一つの絵はぶっ続けで描いてしまいたい。途中でやめてしまうと、翌日や時間を置いて途中から取り掛かるときにかなり戸惑う。絵だけでなく、考えてみると、本を読む時もそうだった気がする。隙間時間、5分だけの読書、とか高校生の時の朝の読書の時間15分、なんて本当に嫌いだった。

話は代わり、パティシエの先輩がアップルストゥルードゥル(どうやってカタカナで書くのか分からない)を焼いてくれた。これは、私がニュージーランドの山小屋で2シーズンいくつもいくつも作ってきたデザートでもある。ニュージーランドの山小屋で作っていたのは、冷凍のパイ生地に缶詰のりんご、他スパイスを混ぜて作っていたものだが、先輩が作ってくれたのは、パイ生地から全て手作り、オーストリアで食べてきたのを思い出しながら作ってくれたらしい。私は出来上がったパイにアイスクリームをスクープしてお皿に盛る。このアイスクリームも毎日50つ作っていたので懐かしいなと思いながら綺麗な丸になるようアイスクリームを転がしながらお皿にもる。

お味は・・・?もちろん、おいしかった。秋になったからか先輩のお菓子作りが捗っている。下山までにあと何回先輩の手作りお菓子をいただくことができるだろうか?笑

 

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