96日目は連勤最終日、97日目は休みだった。
ここ数日続けているニュージーランドの山小屋のオフィスとのやりとり。朝起きてメールを確認すると、内容はapplication提出の催促だ。何度も催促は来ている。ビザの手続きや採用のためには、リターナー(2年目以上の人)はCVと応募フォームにある質問に答えなければならない。
こちらはこちらで、毎日9時間以上働き、日中の休み時間は日によっては1、2時間、ご飯を食べて洗濯したらあっという間に過ぎるし、少しくらい刺繍をしながらぼーっとしたい。夜は消灯前に風呂に入ったら、もう後は寝るしかない。そんな中、英語での10を超える(日本語で回答だとしても)決して簡単ではない質問に向き合う暇なんて、ない。
応募フォームの質問内容はというと、前のシーズン中で、直面した問題は何か。どう対応したか。とかいうのはまだ簡単な方で、チームの一員として、受動的ではなく主体的にどう動きましたか、というようなものが多い。
だから、明日の休みは1日かけてapplicationを完成させよう、と決めていた。
前にも書いたが、またニュージーランドに戻れるかどうか知りたいな〜というゆるっとしたテンションのメールに対しての返事が、ビザは今回サポートするからぜひ働いてほしいと、120%前向きなメールで、私は正直面食らっている。物事の進むスピードが低血圧の私には、速すぎるのだ。
支配人と、数人にはこのことを伝えたが、まだ全員には今シーズン早く切り上げてニュージーランドに行くとは言っていない。
こんなことを考えながら1日働いた96日目。
「明日の休みは何するの?」と皆に聞かれても、なんとなく濁す。あ、また刺繍するのねと思ってもらえれば、それでいい。
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97日目、午後から雨が降るという典型的な1日の天気は分かっていたので朝一で走ろうかと思っていたが、二度寝してしまった。正直に書くと、走る気分ではそもそもなかった。昼前から、ご飯を食べ、applicationの質問に嫌々ながら向かい合う。
そして、夜、applyボタンをおして、完了させた。
あぁ、また戻るのか。ぼんやりしていた「また戻れたらいいなぁ」が、ハッキリと現実に切り替わり、「え、私またあの場所に戻るん?」と自分に再度確認する。戻るらしい。暫定一位の選択肢だから、としか言えない。やりたい、やりたくないではなく、やらなければならない感覚が強い。考え始めると、地面に穴が開くまで考え続けてしまうので、考えずに目の前に準備された(自分で切り開いた)道に右足、左足と進めるしかない。
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しかし、集中力があれよあれよと低下している。去年の5月にIELTSを受けた時にも感じたが、勉強は長続きしないし、試験中も寝てしまった。今回の応募フォームのの質問への回答も、なかなか進まない。英語の質問に対して、英語で考え英語で答える。行き詰まった時は、日本語で文章を考え、それを英訳する、というふうにした。2、3問行き詰まり、日本語での回答もままならない。コーヒーを飲み、お菓子を食べ、働いているスタッフと少し喋り、スマホを開き、無意識のうちにスクロールし続ける。
時間はかかったものの、ひとまず応募はできた。
時間に待ったをかけたいが、もう無理そうだ。そもそも進んでいたし、進んでいるもの、これからもスピードを上げて進み続けるだろう。時間についていけるよう、もう少しランニングの頻度を増やすきか。
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とはいえ、楽しみではある。ニュージーランドの森の中には危険な動物はいないし、日も長い。今回働くことになりそうな山小屋は、2シーズン働いた場所とは異なるトラック上になりそうだ。人数も働き方もまるで違う。なんと、15連勤、6連休を6ヶ月繰り返すことになる。ポジションは唯一ビザが出るcookだ。新しいレシピに新しいキッチン。学ぶことが多そうだ。
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