食欲は常に絶えない、とにかく食べることが好きな私が、サバサンド、トルコアイス、ケバブ以外のトルコ料理について、熱弁する記事です。話が途中で逸れがちですが、よろしくお願いします。先に言っておきますが、トルコ料理は美味しいです。個人的には日本人の口にも合うと思っています。では、始めます。
トルコ語、英語、日本語で料理名を確認しないまま食べるだけ食べる旅をしてきたので、書き始める今、トルコ料理の知識は皆無です。
トルコのファーストフード
トルコ料理は美味しいって言われても、あまり具体的な料理は思い浮かびませんよね。まずは観光地・イスタンブール内でお手軽に食べることのできるファーストフードからじわじわと攻めていきたいと思います。
Islak Burger:濡れバーガー
東京でいう渋谷や原宿のような、イスタンブールの繁華街・タクシム広場。お店も人も多く賑やかで、何かと困ることはありません。そんな観光地のど真ん中にある、KIZILKAYALAR HAMBURGER。店頭には茶色いものが隙間なくびっしりつまったショーケースが。覗き込んでみると、その茶色いものの正体は小さめのハンバーガーのようです。トルコ語でIslak Burger、日本語では濡れバーガーと呼んでいるそうです。(Islak=濡れたという意味)今書きながら知った・・・
ぺろっと食べれて美味しい。とっても。中身は肉とチーズ、以上!シンプルです。しっかりとソースがパンに染み込んでいます。このお店には濡れバーガーだけでなく、ケバブもありました。一緒に飲んだフレッシュジュースがこれまた美味しかったです。フレッシュさがパない。
トルコで好きな食べ物はと聞かれたら、フレッシュジュース(食べ物じゃない)と答えたくなるくらいフレッシュです。
Döner kebab:ケバブって?
中はやっぱりフレッシュジュース。キウイとオレンジとパイナップルのミックスだったはず。
バンビの絵がお店のロゴにもなっているトルコのファーストフードチェーン店、BAMBI CAFE。イスタンブールには15店舗あるそうです。(公式サイト情報)このお店で食べたのはケバブ。他にも濡れバーガー、スープ、飲み物などあり、メニューは豊富。
これもさっきの写真もケバブ?サンドイッチじゃないの?
初めてこの食べ物を見たとき、私の中のケバブのイメージからはかけ離れていて、イマイチ理解できませんでした。ケバブじゃない感。私のケバブのイメージはコレ。
肉の塊をピタパンや薄い生地で包んで食べるもの=ケバブだと思っていました。正しくは、ケバブとはこの肉のことを言います。トルコは宗教上、豚肉を食べない人が多く、主に羊、牛、鶏、ラクダ肉を食べます。ケバブに使う肉は一般的に羊ですが、今では牛や鶏もあり、ファーストフード店だけでなくレストランなんかでもメニューを見るとケバブ(鶏肉)、ケバブ(牛肉)と書いてあります。
写真のように積み重なった肉を切り落として食べていくケバブをdöner kebabと言います。切り落とした後の食べ方は色々で、私の想像していたようなピタパンに入れて食べることもあれば、フランスパンのようなパンにサンドして食べたり、ライスの上にのせて食べたりと、きりがないほどです。私が一番驚いたのは、ヨーグルトとフライドポテトの上にケバブが乗っかってるケバブです。肉+ポテトで膨らむお腹の隙間にヨーグルトがするするっと入っていくような感じです。(よくわからない)
Ayran:白くて泡立っている飲み物の正体
イスタンブールからは離れて・・・、BursaからIzmirに行く途中にあるお店、YASAで食べたものを紹介。このお店は簡単に調べてみましたが、チェーン店なのかどうかがよくわかりません。このお店で注文したトルコ特有のものは白い泡だらけの液体と、でっかい丸い何かです。
まずこちら。泡だらけの液体の正体は、Ayran。飲むヨーグルトのような味ですが甘くなく酸っぱめ。このお店だけでなく、レストランやスーパー、コンビニでも見かけました。トルコの飲み物といえばチャイがすぐに思い浮かびますが、同様にトルコではメジャーな飲み物のようです。調べてみると作り方は簡単、ヨーグルト+水+塩。スイスイと飲みやすいです。一目惚れならず一口惚れしました。
Çi börek:タタール人が広めた食べ物
次にこの丸い大きな何かは、Çi börek。börekとは小麦粉でできたパイのようなトルコ発祥の食べ物だそうです。Çiが付くと“生のbörek”という意味になります。小麦粉の生地で生の牛ひき肉を包んで油で揚げて作られるためです。もともとはクリミアタタール人の食べ物だそうで、トルコのエスキシェヒルに彼らが移住しÇi börekが広がったそうです。
クリミアタタール人って?世界史で出てきたような?
・・・。変な所で興味を持ってしまいました。ここに書くには長くなりすぎる&話が脱線しすぎるので別記事で書きますいつか。
実は海鮮も美味しいトルコ
イカリングとサーモンサラダ
トルコで魚介類を食べるというイメージはないかと思います。私は全くありませんでした。実はトルコの南西部はエーゲ海に面しており、とってもすてきな街がたくさんあります。
そこで気づいたんです、トルコって魚介類も美味しいってことに。港町ではいくつかのレストランで食事をしたので、美味しかった料理をピックアップして紹介してみます。・・・の前にまずは食前酒から紹介。
Rakı:トルコのお酒の度数が信じられない
木にぶら下がっている青く丸いものはトルコのお守りナザールボンジュウ。
内陸部では羊肉はじめ、肉が多く食卓に並ぶのが一般的ですが、南西部のお店に行くと魚介類のレストランがたくさん。写真のレストラン、 Voyn Meyhaneはお洒落かつ外にあるお店で開放的。見渡すと、どのテーブルにもグラスとお酒らしき瓶が並べてあります。お酒の名前は、Rakı。Rakıを飲みながらおしゃべりして、夜風に当たっている地元の人がたくさんい
ました。
rakıの度数は45〜50度。桁間違ってない?と突っ込みたいところですが、本気で45〜50度です。透明の蒸留酒で、水で薄めて飲みます。水を入れると濃い白い色に変わります。味は、独特で慣れない味でした。何と言ってもアルコールが強いので一口しか飲みませんでしたが、飲み続けると癖になってしまうんだろうなというのが、レストランにいるトルコ人の姿を見ていると簡単に想像できます。
ちなみにギリシャにも同じようにして飲むお酒があり、Uzoというそうです。トルコのお酒に比べ、色は薄く度数も下がり35〜40度だそうです。
前菜と一緒に食前酒として飲むのが普通だそうです。
この日の前菜はトマトと茄子の何か。
写真にちらりと見えるのはオリーブとパンです。オリーブとパンは、大抵レストランでは座ると頼まなくてもすぐに出てきます。気に入って私は毎日オリーブとパンを食べ続けました。オリーブの塩っけが恋しい。
Kalamar:いわゆるイカリング
タルタルソースが一緒についてくるのが基本のようです。
港町のレストランには3軒行きましたが、イカリングをなぜか毎回食べました。イカはトルコ語でkalamarです。イタリア語が語源のようで、英語でcalamariというと、調理されたイカをさします。(イカそのものはsquid)トルコで食べたイカリングは、魚臭いということもなく、日本と変わりない味付けでした。お店によっては柔らかく食べやすかったです。美味しい。
Karides:エビのアヒージョ
左はエビ=karidesのアヒージョ。エビは小さくぷりぷりっとしていて、ニンニクがきき美味しく、頼めば頼むだけ食べられるパンにとても合います。右はグリークサラダ。ギリシャが近いからか、食事も街並みもギリシャを感じさせる雰囲気でした。(行った事ないけど)
Çipura と levrek:魚はレモンをしぼってさっぱりと
トルコでは魚を刺身で食べる事はなく、丸ごと焼いてシンプルな味付けで食べます。醤油はもちろんかけません。ふわふわの白身魚(でかい)を2種類食べました。写真の通り、必ずと言っていいほど勝手にサラダが付いてきます。サラダを別で頼まなくて良かったです。(3回は同じ失敗をしました。どのレストランでもサラダが付いてくる。)
上の写真は恐らく、Çipuraです。地中海と北大西洋の東岸に生息する魚だそうです。日本にはない魚ってことですね。一応訳しておくと、ヨーロッパヘダイ。花ならまだしも魚の種類は分かりません。勘弁を。
続けて・・・下の魚は、
・・・恐らく、levrekです。スズキの塩焼きといった所でしょうか。個人的にはlevrekの方がギュっと詰まった身が甘く美味しかった気がします。どちらの魚も、醤油で焼き魚を食べる事になれている日本人からすると、な〜んか足りないように感じました。一緒に食べるお茶碗に入ったお米もないし。だけど、私が主役と言わんばかりにレモンがドンと添えてあるので、それをしぼって食べると、さっぱりとした味付けもいいなと思えました。
Kebab:どこにでもあるケバブ
港町でもKebabは必ずあります。Ölüdenizで行ったレストランではヨーグルトとポテトに乗っかったものを食べました。満腹。
港町にある肉なんて固くて肉臭くて食べづらいのでは?なんて思うかもしれませんが、肉臭くないし、固くないし、美味しくいただきました。お店によって上にかかっているソースの味がそれぞれです。Ölüdenizのレストランで食べたケバブのソースはトマト味でした。ポテトにも良く合う!!!
わたしの好きな伝統料理は・・・
Pide:ピザの原型?
長くもっちりとしたパンに肉や野菜、チーズが乗っかっている、(そうです)ピザのような食べ物。これをPideといいます。これが美味しいんですよ。好きなトルコ料理の一つです。
ピザとはまた違う、しっかりと腹持ちするこのパンが美味しいのです。固めのパンなのでよく噛んで食べます。のっかっている具はレストランによって様々ですが、ひき肉とチーズが使われている事が多いので、軽いおやつ<<<しっかりとした食事です。写真のように横にカットされていて、一口二口で1切れを食べられます。気づくと5切れ、6切れと平らげちゃってるんですよね。
調べてみると、ピザの原型なのでは?という記事も見つけました。小麦粉を平たくのばした食べ物は古代エジプトの時代からあるそうです。6000年も前から(味と形は変わったとは言えど)同じようなモノを食べていると思うと、不思議でなりません。
平たいパンは今私たちが食べるピザへと変身を遂げるまで、トルコのpideはじめ、ギリシャのピタ、イタリアのフォカッチャやコカという名前で食べられていたようです。
Gözleme:おやつのように食べれるクレープ
港町Ölüdenizから1時間ほど行くと「岩の村」を意味するKayaköyという街があります。ここは名前の通り石造りの家が立ち並ぶ廃墟エリアで、1923年まで人が住んでいたそうです。書き始めると長くなるのでこれも別記事にします。
Kayaköyの廃墟を見るには入場料を7TL払う必要があります。が、小銭はないし、カードも使えない。ということで入り口付近にあったAntik Restaurantでブランチかねてコレをたべました。Gözlemeです。
薄いクレープ生地のようなものに具をが入っていて、これもぺろっと食べられます。このレストランでは、チーズ・チョコレート・ハチミツの3種類。
トルコってハチミツが美味しいんですよ。ハチミツにすれば良かったです。このときはチーズとチョコの気分でその2種類を食べました。
この生地はクレープのような生地で薄く、ぱりっと鉄板で焼いて作られます。
おやつ系のGözlemeもあれば、お肉やチーズが挟んである食事系のGözlemeもあります。薄いクレープと思って食べていると、こちらも小麦粉なので後から「しっかりとお腹にたまったな・・・」と思えるトルコ料理です。
洒落たカフェ in イスタンブール
タクシム広場のある新市街からアヤソフィアやブルーモスクがある旧市街までは歩いて行くことができます。途中、イスタンブールのシンボルの1つでもあるガラタ塔を目の前にのびる石畳の道があります。カフェやバー、お土産屋さんなんかが立ち並び、観光客で溢れかえる通りです。
パッと上を見上げると、急におとぎばなしの世界に降り立ったように錯覚してしまいます。
そこに1つ、チーズケーキで人気のお店があります。Viyana Kahvesi Galataです。このお店のチーズケーキがチーズだけじゃないチーズケーキで人気なんです。
何言ってるの?チーズケーキはチーズでしょ?
そんなお店でも私は私らしくティラミスを注文したため、チーズケーキの良い写真がありません。公式Instagram から伝わりやすい投稿を拝借。
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大きな一切れのチーズケーキが見えなくなるまで、どろっとあま〜〜〜いチョコレートがかかっています。そのチョコレートとチーズケーキをすくって食べるのが、良いようです。一口食べましたが、甘過ぎました。甘いもの好きにはおすすめします。そうでない方は、チャイかブラックコーヒーを片手にどうぞ!
ちなみにティラミスはそこそこでした。ガラタ塔とチーズケーキの映えを買ったと思えばたいした事ないお値段です。
※トルコのデザートは甘すぎる事が多いので要注意!!!
2000円で泊まれるホテルの朝ごはん
お店で食べられる食事をさんざん紹介してきましたが、ホテルや家庭で食べる食事は・・・?ということで次にホテルでの朝食を紹介。
その前にホテルの相場から説明させてください。トルコってまぁまぁ物価が安いので、ホテルも安いんです。相場は大体2000〜5000円/1泊1人くらいで日本のビジネスホテルレベルに泊まれます。もちろんイスタンブールはお高めですが、港町なんかに行くと、オーシャンビューのホテルで2000円。日本で同じレベルのホテルを取るなら7000〜10000円取られてもおかしくないのでは。そんなくせして、朝食は期待を超えるクオリティです。もちろんホテルによりけりですが。
これは、Ölüdenizの中心部から車で3分程度の少し小高い位置にある、オーシャンビューのホテルでの朝食です。
この写真じゃ半分ほどしか良さが伝わってませんが…。バイキング形式で、オムレツはその場で焼いてくれるし、チーズは5種類以上あった気がします。
Sigara böreğ :春巻きのトルコver.
万人受けするような食材だけでなく、トルコにしかない料理ももちろんありました。これはsigara böreğ。前にもbörekとは小麦粉でできたパイのようなトルコ発祥の食べ物と書きましたが、これはsigaraつまり葉巻の形に例えてそのような名前がついています。中身はチーズとパセリ。春巻きのトルコバージョンってとこでしょうか。
Bal:巣から食べる贅沢なハチミツ
見た目でお腹いっぱいになりそうなハチミツ。
トルコはハチミツも有名。瓶に入ったハチミツ・・・ではなく、そのまんまです。トルコ語ではbalと言います。ハチミツよりも食べたいものがたくさんあって、あまり味わう事なく食べてしまいましたが、次回はもっと味わって食べたいと思います・・・。
トルコの家庭料理
外で食べるものは分かったけど、実際トルコ人何食べてんの?って思いますよね。観光客向けじゃない、家庭料理。こんな感じでした。
Ekmek:パンで始まりパンで終わる1日
ここまで読んでくださった方は分かるかと思いますが、とにかくパンや小麦粉でできたものを食べるトルコ人。外でも家でもパンは欠かせません。トルコではパンの総称をekmekといいます。パンで朝が始まり、パンで夜が終わります。
種類はたくさんあり、私が特に好きなのは、simitです。simitそのものが分かりやすい写真を撮っていませんが、上の写真の中央一番上にちらりと写っているものです。形は輪っかのようになっていて、街中でもよくsimitを頭の上に何十個も積み上げて売っているおっちゃんがいます。パン屋さんやスーパーにも必ずあり、ごまで覆われた固めのパンです。simitの他だと、ごまの甘いペースとが上にのっているパンも好きです。パン好きはトルコでパン屋さん巡りするべしです!
Köfte:さっぱりしたミートボール
写真にあるハンバーグのような食べ物がköfteです。羊とラクダの肉のköfteをBBQで食べました。肉の種類や味付け、調理方法、形は家庭によって違うようです。歯ごたえがあり(肉というより、かまぼこみたいな感じ)、臭みはゼロ。羊とラクダだからか脂っこくなく胃もたれもしません。一緒に玉ねぎやペッパーも焼いて食べます。もちろんekmekと一緒に。
その他、ヨーグルトとチーズは当たり前のようにテーブルに置いてあります。家庭料理も地域によってはまた違うのかな〜と思うと気になるところです。
日本人にも合うはず。トルコ料理食べてみるべし!
ということで、トルコ料理をあらゆる切り口から解説しましたが少しでも食べてみたいと思っていただけたでしょうか。世界三大料理に選ばれてなかったとしても、みなさんには知ってほしい・食べてみてほしい料理です。大雑把すぎるわけではなく、だからといって日本のように繊細な味付けというわけでもありませんが、飽きる事なく食べられ、日本人の口にも比較的合うのではないかな〜〜と個人的には思います。
おわり。
客が食べる魚が落ちてこないかと見張るネコ。2019.12.20
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