今日は、小屋入りの日。8時に松本駅のアルプス口に集合して、支所を経由し、小屋へ向かう。
昨日の松本入りの飛行機から、着陸前に桜の木がこんもりとピンク色に染まっているのを見ていたので、あぁ、こっちはまだ春が始まったばかりかと思っていたが、風は冷たく乾燥気味。九州とは湿度が違うし、松本の駅でさえ空気が澄んでいるように感じる。
道中、支配人の運転する車から満開の桜を楽しんでいると、右手に大きな枝垂れ桜が現れた。助手席から写真を撮っていると、寄り道しようかと支配人。
▲樹齢は500年くらいらしい
支所に寄り道、役所の方々に今年もよろしくお願いしますと挨拶をして、さらにさらに山の奥へと進んでいく。
トンネルを一つ二つと通り抜けるごとに、季節は一歩二歩と前に戻っていく。すれ違う車と気を遣い合いながら、上高地のバスターミナルに到着。
各所、系列のホテルや食堂に挨拶。今日の朝、松本駅で来ていた服では到底寒いだろうと予想はしていたが、やはり寒かった。靴もこれじゃない。車の中で途中履き替え、ずぼずぼと雪の中を歩いて、次に到着したのは、穂高神社。
寒いから毎年恒例の入山日のお詣りは無しにしようと言っていたが、バチが当たる、神様に挨拶しないのも、、、と私がぶつぶつ言い、支配人が聞いてくれて皆でやっぱり行くことにした。
観光客は多いし、神聖な場所というよりも観光地化しているこの一帯ではあるが、私は理由もなくこの神社が好きだし、お詣りしといて損はないだろうと思う。
この地点では梓川は流れており、辺りの山々は真っ白、時々噴き上げる風はキーンと冷たい。
こんなに寒くてもちらほらと見かける猿。熊はまだ冬眠中だろうか。
ここから4kmほどさらに山の奥へと入ると、梓川はまだ流れておらず雪で蓋をされていた。そんな姿を見るのは初めてで、車の中で静かに大はしゃぎ。
小屋入り後〜営業開始前の人が少ない時間、かつ雪が溶ける前にこの景色を是非とも一眼レフで撮影したいところ。
小屋に到着してからは、レトルト食材でお腹を満たし、従業員の部屋割りを決め(5回のあいこののち、1人部屋は外れて相部屋となりました)、明日からの簡単な流れの説明、下界から持ってきた食材や荷物を小屋に入れたり、自分たちの荷解きなどして、あっという間に午後の時間が過ぎていく。
3年ぶりにこの小屋に足を踏み入れたが、真っ先に思ったのは、なんか小さい。天井は低いし狭い気がする。自分が大きくなったのか、なんなのか。ニュージーランドの山小屋が広くて大きくて、開放感があったのに慣れてしまったのか。
ちなみに、今年のスタッフは8人。うち支配人含め4人は3年前のシーズンで一緒に働いた。2人は今年2年目だが私は初対面、そしてもう1人は山小屋で働くのは初めてだという最年少。
夕方からは今日の夜ご飯の鍋の野菜を切る係となった。家族の人数以上の食事を作るのは1年以上ぶりか、鈍った勘に頼って野菜の量を調整しながら切っていく。
皆で鍋を囲み、ビールを開け、乾杯。つい最近までここで同じように食卓を囲っていたような、とっても久しぶりなような。
そして今、風呂に入り、ボトルにお湯を入れて湯たんぽがわりにし、ぬくぬくとこのブログを書いている。雪が溶けて暖かくなって欲しい、よりも、人のいない奥上高地の雪景色と静けさをスタッフだけで独り占めしたい気持ちのほうが大きい。
とはいっても来週末には営業が始まりゴールデンウィークという繁忙期がやってくる。
ふぅ。
山小屋時間が、さぁ、流れ始める。
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とりあえず一日目書いてみたけど続くかどうか自信はこれっぽっちもありません。ま、ほどほどに頑張ります。
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