【90日目】持ち場を抜け出して

いつもなら「夕食の時間になりました。食券をお持ちの上、食堂に・・・」と声かけする時間。小屋の中にはスタッフ以外の人気がない。それも当然、窓から見えるのは、沈む太陽に照らされた雲海。

これを見ずに何をしに来たのか。苦労して何時間もかけて山に来た意味がない。

 

お客さんは外で、服を着込んでカメラとスマホを手に稜線で景色を楽しんでいた。いつお客さんが戻ってきてもいいように、私たちスタッフは食堂付近で待機だ。

我慢できずに食堂の窓越しにスマホで撮影

うずうずしていると、夕日見てきていいよと、お許しの一言。交代で外へ出ることができた。

この日は、お客さんは片手で数えるほどだった。それもそう、天気予報に良い言葉は一言も見当たらない。先日に続きお客さんは誰も来ないのではないかと思っていたくらいだ。このめまぐるしい山の上の空は、風雨に打たれながら登って来てくださったお客さんと、私たち小屋で生活するスタッフしか見ることのできない景色だろう。

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