「おはよう、リードガイドさん、準備はどう?」「おはよう、ガイドする日だね、行ってらっしゃい!」朝、朝ごはんと昼ごはんを作りにキッチンへ行くと、皆が声をかけてくれます。今日はD Passへ賢そうなアニーとブラジルのジェイニーの3人で行く日です。彼らは行くのは初めて、私は5回目です。他のスタッフに比べ登っている回数が多いので、みんなのお母さんエミリー初め私のことをlead guideと呼んでいます。「誰よりも行ってるじゃない。もうあなたは立派なガイドよ。去年でもそんなに行ってるスタッフはいなかったわ」
7:00出発予定でしたが、雨が降っていたので、ゆっくりと各々サンドイッチ等ランチボックスを作りながら天気が落ち着くのを待ちます。
出発したのは8:18。この3人の組み合わせはなんだか不思議で、最初のうちは黙々と誰も話さずに進みます。賢そうなアニーは、ハイキングは元々そんなにしていなかったそうで、「過去の自分にここで働いていること、ハイキングをしていることを伝えたら信じないはず」と。ブラジルのジェイニーも同じく、こんなに長時間歩くのは初めてだと言っています。「毎日自分に言い訳して家にこもってジャンクフード食べてはweed吸って、今とは全く違う自分だったんだけど、これじゃまずいと思って家で身体を動かしたり、外に出るようになったんだ。今と比べたら15kgは太ってたよ」
他にも、ブラジルのジェイニーの町で暮らしていると、マイナス思考が止まらなかったり不安で眠れない日が多いけれど、ここに来てから体の調子がいい、とかいう話や、賢そうなアニーのセラピーを受けた時の話、自分との付き合い方、そういう話をしながら登っていきます。
天気は良くなる気配はなく雲ばかりで青空が見えませんが、雨には降られることなく順調に進んでいきます。5回目なので、トレイルを示すオレンジの三角マークに集中しなくても、勝手に目に入ってくるようになりました。その代わり2人のやり取りに耳を傾け、会話に集中します。
早すぎず遅すぎず、迷わずに良いペースで登り3時間ほどで森林限界地点に出ました。優しいお姉さんブリッジと来た時は、雲で湖が隠れ、風が吹けば湖が顔を出し、ご飯を食べているとすぐに姿を消しの繰り返しでした。今回も同じく曇りではありますが、雲は薄く湖がはしっかりと見えます。
私「あっ!小さい虹!あっち!」2人「え、え!え?」私「消えた、、、」2人「さやかラッキーだったね」
そんな会話をしてから数分後でしょうか。3人の目の前に大きな虹が現れます。虹は絵に描いたような形で、湖の上に浮かんでいます。こんなに大きな虹を見たのはいつぶりでしょうか?初めてかもしれません。いや、初めてだと思います。湖の上に浮かぶ大きな湖を山の上から見下ろします。賢そうなアニー「That’s the proper rainbow!!!」ブラジルのジェイニー「This is such a gift!!!」長い時間私たちに姿を見せてくれた虹は、上を歩けそうなくらいはっきりと7つの色を持っており、片側からじわりじわりと姿を消していきました。
その後は小雨がぱらつき、森林限界からD Pass方面へは2.3時間さらにかかりますが、自分たちのいる場所より標高を上げると、雲の中に突っ込むことになりそうだったので、風を避けれる場所で座ってご飯を食べ、下山することにします。
D Passへは結局のところ1度も行けていません。行くつもりで毎回登り始めますが、森林限界ポイントで引き返してばかり。ここを離れる前に一度でいいので行ってみたいところです。
降りも迷うなくことなく、いいペースで下山。2人とも脚が疲れた様子で、無理してD Passまで行かなくてよかったようです。
小屋に戻り、皆に虹の写真や動画を見せ今回の登山報告をします。今のところ月1ペースですが、次回行くのはいつになるでしょうか、、、。3月に1回、4月に1回とは言わずあと5回くらいいきたい気持ちです。なんと言ってもこの辺では1番の景色だと思っていますし、これまで5回行った森林限界地点からの景色は毎回違うのです。
▲うっすらと
▲絵に描いたような虹
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