71日目、72日目 イライラ、頂点に

できることなら愚痴ばかり書きたくないのですが、自分に嘘をつくのも綺麗事だけ書くのも違う気がするので、今日も変わらず私の感情をそのまま書きたいと思います。

71日目、ウィークリーミーティング

毎週月曜日はウィークリーミーティングの日。3、4週間前から始まったこのミーティング。先週は数分の立ち話で終わってしまいましたが、今回はテーブルを囲って椅子に座った状態で、行われます。参加者は今週の5人であるセシア、ルイ、エリー、クララ、私、そして今日も滞在しているヘッドガイドのチャーリー。

ヘルスアンドセイフティーに関して何かありますかとセシアから質問が投げかけられ、食洗機周りがプールのような水浸し状態になることが多く「滑りやすく危ない」と私から話します。食洗機に入れるトレイの動かし方が皆雑で、バシャバシャと水を豪快に床へと撒き散らすように動かすのです。セシアは解決策は何かありますかと皆に投げかけ、ルイが、使ってないマットを今あるマットの隙間に敷いたらどうかと提案。その案が採用され、解決。

その次、メンタルヘルス的に最近の調子はどうですかとセシアから一人ひとりに問われます。この質問は数週間前、リンが取り仕切るミーティングでも尋ねられました。「自分自身のバッテリーが切れそうな時のリラックス方法はそれぞれ見つけましたか?」「何をしている時にバッテリーが切れそうになりますか?」等具体的な質問も。エリー「曇り、雨の日が多いから外に出ることが出来ないけど、休憩時間に外に出たら少しはすっきりする」クララ「私はまだ10日間前後しか働いていないから経験不足。この質問に対して何かを言える立場ではない」ルイ「朝食サービス中、忙しく仕事している時間帯にお客さんがキッチンの中に入ってくるのが一番エネルギー使うし、本当にあれはやめてほしい」これには全員が賛成。

数日前の出来事ですが、私が朝食サービス中キッチンに立ち、ポーチドエッグを何十個も作り、ベーコンやトマト、マッシュルームをオーブンから出して、マフィンをボードに並べと一番手が塞がっている時間、日本人のお客さんがスタッフオンリーのキッチンにズカズカと入ってきて、オレンジを切ってもらえませんか?(英語)と尋ねてきました。他のスタッフは皿洗いをしていたりで忙しく動き回っており私が対応することになり、とってもとってもイライラしてしまいました。私が「はい」と返事した為日本人だとバレてしまい(苦笑)、こういうふうに切ってもらえないかしら?袋に入れてもらえないかしら?その小さなナイフじゃなくて包丁で切ってもらえないかしら?と注文は多く、私はそっけなく対応。3分でちょうどよく半熟となるポーチドエッグが鍋の中でぐつぐつ固くなってしまう!!!と思いながら、どうぞとオレンジを渡しました。こういう出来事は1週間に数回起きます。大抵は皿洗いシフト、もしくはキッチンハンドシフトの人が対応しますが、仕方なく私が表に出ることも・・・。セシア「お客さんだから、丁寧に対応しつつも過剰なサービスをする必要はないから。でもこれは仕方ないね」本当にその通りです。

私からは、「11日間のcookシフトをしているときは本当に手が疲れるし、今も腕が痛い。休憩時間は外に出てリフレッシュするような気分でもないし、本当に疲れている」と、正直に言いました。考えて発言したというより、口から出てしまったという感じ。こうやって文字に起こしたものの、実際に何を言ったのか覚えていません。セシア「みんなで何か手伝えることはない?皮剥きしたり、誰でもできるような仕事を分散しよう」私「時間があるときに声をかけてもらえたら、いくつでも仕事はあるから、時間を見つけた時に手伝ってほしい」セシア「んーと、事前にさやかが私に言ってくれたら、皆に指示を出して時間を取るようにするから、さやかは何が必要なのかリストにしてほしい」

ここで私は一つハッとさせられます。そうか、ここは日本ではないのか!

日本人ばかりの集団だったら、あの人大変そうだから今手が空いたし手伝おうかな、とか、今暇だから手伝うよと声をかける気がするのです。上からの指示がなくとも声を掛け合える環境、空気を読み合う雰囲気があります。もちろん日本人の中でも個人差はあります。しかし、山小屋という環境であれば、お互い助け合う気がするのです・・・。(反対に、上に立つ人間が、こういうふうに問題点を皆から吸い上げ、解決するために動くということは1週間に1回単位では存在しない気がします。もちろん組織によるでしょう。)

しかし、ここはニュージーランド。中で働いている人の国籍は様々。任せられた仕事をやればそれでOK。早く終わらせて誰かを手伝おうとか、私の仕事が終わったからあの人の仕事を手伝おう、なんてことはほとんどしません。途中暇な時間ができれば座ってコーヒーを飲みますし、おしゃべりをします。外に出てベイピング、携帯を触って息抜き。これは不真面目でもなんでもありません。

こういう環境の中で、私が前に言った「時間を見つけた時に手伝ってほしい」という言葉は通用しません。セシアの「皆に指示を出して時間を取るようにする」でないと、誰も動かないのです。日本人ばかりの集団であれば、臨機応変に動くことが出来たり、皆で助け合うことができるでしょうが、それは日本人同士だからできること。日本ではない場所でチームの上に立つ場合、セシアのような視点が必要だということにハッと気付かされ、私は後から自分の発言がなんだか恥ずかしくなってしまいました。同時に「上から支持され、リストがないと動けないのか・・・」とも思ったり。所謂カルチャーショックですね。

あ。補足しておくと、この辺ブリッジは日本人の感覚にとても近いです。空気を読むことが日本人のようにナチュラルにできるブリッジ。彼女がいなくなった今もひしひしと感じます。

イライラの頂点

この私の“疲れた発言”の後、エリーは私にこう言います。私はぷつんと切れるのを抑えて笑うことしかできませんでした。

「さやかは自分の仕事以外もやりすぎだと思う。皿洗ったり、やらなくてもいいことをやったり。自分のことをやったら、それだけでいい。後は私たちがやるから」

は!?!?!?!?!?!?あなたたちがやらないから私がやっているのであって、私が真面目だから、やりたいからやっているわけではないですよ・・・?!?!?!?!?!

確かに、cookである私は1日中調理だけしていれば良く、皿洗いは朝食・夕食サービス時間中はDシフト(皿洗い)、日中はHシフト(ホスト)がやると決まっています。しかし、日中Hシフトの人たちは大抵皿洗いを中途半端にしかせず、ほったらかし状態。私がやらなければ、調理器具はシンクに置かれたまま、まな板を使おう!と思ってもHシフトの人が洗っていなければ、私が洗うしかありません。

そして、この朝のミーティンを終え、夕方。Hシフトである人は16:30までに皿洗いを済ませておかなければなりませんが、ルイは全くしておらず、食洗機周りはカオス状態。私はここで「もう、何言っても無駄だわ・・・。」と思ってしまいます。この話には続きがまだまだあるのですが、今日はここまで・・・。

手伝ってくれるチャーリー

なんだか愚痴ばかり書いていますが、ミーティング中に正直に私の気持ちを言ったことで、良いこともありました。ミーティングの直後には、ヘッドガイドのチャーリーが私に声をかけてくれました。「ジャガイモの皮剥き、手伝うよ!」「ありがとうございます!!!!!!」1袋10kg分を、誰よりも速く剥いてくれた彼女は、その後も「次は何をしましょうか、シェフ!」と私に声をかけてくれ、あれこれチャーリーにお願いすることにしました。こういうときは甘えるのが一番。遠慮なくお願いさせていただきました。

チャーリーは結局72日目まで滞在し、私だけでなく皆にも気を遣ってくれ、いろんな部分で手を貸してくれました。マネジメントチームのスタッフが、私たちと一緒に毎日生活し、ミーティングではスタッフの表情、言葉を画面上ではなく対面で見て・聞いてもらえたのは、すごく大きなことだったように思います。しかもこの数日オーブンが壊れただけでなく、食洗機の調子が悪かったり、小屋にあるコンピュータが壊れておりセシアは毎日のレポートやパソコンを使った業務ができませんでした。40人マックスのお客さんが入った状態かつ小屋の中のものは壊れている、そしててんやわんやしている小屋のスタッフ。実際に見なければわからないことがあるはずです。セシアは、この状況は改善されるべきだといつも言っていますが、彼女1人の声ではオフィスは動いてくれません。なのでチャーリーがこの数日、滞在してくれたことにとっても喜んでおり、チャーリーもマネジメントチームの中で声を上げてくれるのではないかと、期待しています。スタッフの数を増やしたり、スタッフの数を増やしたり、スタッフの数を増やしたり。

72日目、湖へ

日々のイライラは募るばかり、これでは本当にまずいと思い、72日目は天気が回復したので思い切って湖に行くことにしました。今でも2年前にG小屋のマネジャー、エミリーに言われたことを覚えています。「休み時間に外に出ることなく部屋の中に篭り始めたら、それは精神的にまずい証拠。外に出て息抜きしないとダメよ」私は、前回のウィークオフから小屋に戻ってきて、外に出て散歩をすること、ほとんどしていません。今日は何がなんでも外に出ようと自分に言い聞かせます。

するとびっくり。湖の水位がかなり下がっており、水がない!!!歩き回れる!!!とびっくりして羽が生えたように湖の周りを歩き回ります。

▲水位が2m近く下がっています。手前に見える岩は全て水の中でした

▲ちょうど良い岩を見つけ、そこで寝そべってパワーナップ。景色はこんなです

この景色を綺麗だと思える心は無くなってはいませんが、残念ながら疲れすぎているのかこの景色に夢中になれるような自分でもありません。それでも、また晴れたらここに来ようと自分に誓います。周りに人はおらず、私1人になれる場所です。

7年ぶりの再会

毎日のイライラは消えることなく、過剰に反応しすぎているような気もします。生理前ということも関係しているのでしょう。72日目、ミーティングをした日、スタッフディナーはチャーハンに餃子スープを作りました。美味しい美味しいと皆言ってくれますが、私はあまりにもイラついており皆と食べる気にもなれず、1人2人とスタッフが集まってくる中、仕込み作業を続けて、後で食べようと思っていると、キッチンにひょっこり日本人が顔を出します。7年以上ぶりに再会するガイドさんです。私が旅行会社の添乗員として富士山へ登った時、ガイドをされていた方で、確か3回一緒に登りました。イライラはすっ飛んで、お元気ですか?!後でお話ししましょう!!!と簡単な挨拶。夕食サービスが終わった後消灯までたくさんおしゃべりできました。ここでの仕事はどう?と聞かれて、迷う暇なく「よろしくないですねぇ」と言ってしまう私。いやはや、ここでも嘘はつけません。しんどいものはしんどいですから。

さてさて、明日丸1日、明後日半日働けば下山。もう先は長くありません。腕の疲労が悲鳴を上げ始めています。あと少し、ぼちぼちやっていきます・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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