【上山日•61日目】稜線歩き

朝食時間の5分前、スタッフの声が小屋中に響き渡った。

朝ごはんでーーーーーす。

寮生活をしていた頃の朝の点呼を思い出した(笑)。その掛け声で起きた私は急いで準備をする。ここの山小屋も、私が働いている山小屋と同じようにインナーシーツまたは寝袋を持参することが条件となっている。私は畳の上で寝袋を使って寝たのだが昨日の疲れのせいか、19:00過ぎには夢を見ていた。10時間近くぐっすり寝ていたようだ。

朝食の後、荷物をまとめて小屋を出た。昨日の天気は何だったんだろう。太陽もいつの間にか高い位置に昇っていた。

歩き始めるとなぜか踵の上が痛く歩けなかったので、登山靴はザックにしまい、スニーカーに履き替えた。よく小屋周りを散歩するときに履いているスニーカーでソールがアウトドア用ということでしっかりしている。持ってきておいてよかった。でなければ裸足で歩くことになっていた・・・。痛みを感じるところは少し赤くなっている。

小屋から登った後はアップダウンはほとんどなく、スキップしたくなるような稜線歩きが続く。

晴れていたが、少しずつガスが出てきた。気温は暑くもなく寒くもない。昨日の天気は散々だったが、今日のこの景色で全てが吹っ飛んだ。しかも周りに歩いている人は殆どおらず、この景色を独り占めしている気分だ。


噂のブロッケン現象・・・!

森林限界より上ではあるが、秋を感じさせる景色に出会った。ハイマツの隙間から紅葉した高山植物が見える。

この稜線まで熊が上がってきているという話を聞いていたが、今まで他人事のように思っていた。が、この出来立ての看板が空と地面を指しているのを見ると、他人事ではないことに気づく。

2ヶ月前には白い花を咲かせていたチングルマも、こんな姿に変身していた。風に揺られて気持ち良さそうだ。

上山日は、お昼頃までには小屋に戻るように、ということだったので、途中行動食を食べたりうたた寝しながら小屋に向かった。休みが終わるのが寂しいような、早く小屋についてご飯をがっつり食べたいような。

小屋に着くと、いつもと変わらない山小屋時間が過ぎていた。ランチ営業中だ。荷解きをして、汗を流し、この数日で変わったことはないか確認しながら仕事に戻った。

夜は、私がいない間に皆で開けた日本酒がテーブルに並んだ。あぁ、山の上に戻ってきたんだなあ・・・。

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