5日目 フライドライス

何年か後、プレッシャーと不安でぺたんこに潰れてしまいそうな今の私を思い出したときに、そんな日もあったなと笑えるでしょうか。とにかく毎日こなすのに精一杯で、明日の自分、明後日の自分、来月の自分、数ヶ月後の自分、シーズン終わりの自分、、、全く想像できません。

▲霜が降りた朝

今日は9:00ラウンジ集合。テーブルの上にはエミリーの朝ごはんが並びます。パンケーキに、ベーコン、りんごとバナナをシナモンと炒めたもの、ゆで卵、くだもの。

朝ごはんを食べながら、「さやか、チャイはいつ作ってくれるのかしら?この冬何回かあなたのレシピで試してみたんだけどね、ダメだったわよ、何が違うんだかねぇ、きっとあなたよ」と向かいに座るエミリー。「Definitely it’s her.」とメグとデイジー。チャイを作って皆に振る舞いのんびりと座っておしゃべりでもしたいですが、今の私にはそんな余裕は全くありません。

食べ終わった後は皆でミーティングです。アイスブレイクとして、1人ずつ渡された紙に、名前は書かず自分自身のfun factを書きます。その紙をもう1人のマネージャーであるジェンがひとつずつ読み上げ、皆でそれが誰なのかをguessするというものです。

ジェン「じゃ、読み上げるよ。”10年間バンドでドラマーをやってましたこれを書いたのは誰でしょう?」「え?誰、誰?」「ブリッジ?」「違うよ」「エリック?」「僕じゃないね」答えは、スコットラン人のジェイミー。「ライブはやったりするの?」「ここにはドラムはないから鍋でドラムやんなきゃね」

ジェン「次の人の分、読み上げるよ。のんびりハイキングにロック、楽器を演奏するのが好き」「これは絶対ブリッジだ」「違う、違う」「アレックス?」「エリック?」「あ、分かった、さやかだ!」

半数以上のスタッフの分をジェンが読み上げた頃、時間が結構過ぎていたことに気づき、アイスブレイクは切り上げられ、本題に入っていきます。

まずはエミリーから、お客さんは3000ドル以上かけてツアーに参加し、1番最初に泊まる小屋が私たちの小屋であり、私たちのサービスが第一印象になることを頭に入れておいてほしいということや、「今後色々とこうして欲しい、それは違うと皆にいいことばかりではなくきついことも言うかもしれないけどね、それは、私の過去の経験に基づいて言ってるんだからね、パーソナルではない、それはわかってほしいのよ。過去にはお客さんが亡くなったこと、無線はじめ連絡手段が何もなかった頃水害に遭ったこと、本当にいろんなことを見てきたのよ」と、話があります。そして、エミリーと同世代、今年がfirst seasonであるRelief manager=副支配人、ジェンが軽い自己紹介。エミリーとジェンは昔オーストラリアで一緒に働いていたそうで、エミリーの紹介でこの仕事に辿り着いたそうです。

ミーティングの主な内容は、lodge attendantの仕事内容についてでした。attendantのシフトは5つあり、仕事内容、働く時間帯が異なるので、リスト化された資料を手に、仕事内容を確認していきます。その後は、小屋の細々とした注意事項の共有があり、私とティナからキッチン関係についてのルールを皆へシェアします。ティナ「後ろを通る時はBehind、熱いものを渡したり置いたりする時はmake sure everybody knows it’s hot、そんな感じでコミュニケーションを取ることを忘れないでほしい。これは基本ね。それから〜」

長い長いミーティングはお昼過ぎに終わり、皆はお昼ご飯、ティナと私は特に休憩を取ることなく、昨日の続きで毎日のタスクを細かく細分化し、時系列に並べ、どう進めていくか話を詰めていきます。

去年は、経験豊富なケイシーが1人で食材の管理発注をして、日々のタスクを経験が浅い私とロビンのためか最大限にシンプルにし、スムーズに仕事が進むようmanageしてくれていました。それはそれは、楽で(もちろん飲み込むまでに時間はかかりました)、常にケイシーに頼ってばかりでした。しかし今年はケイシーはいませんから、ティナと協力してやっていくしかありません。

リスト化が終わった後、今日のstaff mealは私が作るから、ティナはリスト化したものを整理したり、レシピチェックしたりするってのはどうだろう?と私から提案。何も考えずにできる、去年の定番メニュー、フライドライスににんじんしりしりをそれぞれ肉入り、肉なし(ビーガン)で作り、サラダとマッシュルームのオーブン焼きを作ります。

途中、あれこれ話しながら料理をしていると、あっという間に3時間経過。今日はメンテナンスチーム3人のスタッフとガイドリーダーのチャーリーが1泊しているため、小屋スタッフ12人を含め、16人分の料理を作らなければなりません。

時間はかかったものの、なんとか無事staff mealを乗り越えた後は、ダラダラと部屋で過ごそうかと思っていましたが、「寝るには早いし、ボート乗り場までいかない?」とブリッジ。断るに断れず、小屋入りして以来ボート乗り場まで散歩してなかったので、一緒に行くことに。その場にいたアリスも一緒に行くとのことで、3人でおしゃべりしながら20:00、小屋を出発します。周りの山々が夕陽に照らされる時間帯で、いくつかの小さな雲は優しいピンク色で空を彩っています。

朝から、ミーティング、ティナとリスト作りで、英語をノンストップで聞いて理解し、自分の意見を発しなければならず、さらにはstaff mealを頭を使いながら作っていたので、結構疲れていて、ブリッジとアリスの会話についていく元気は正直ありません。2人の会話の3分の1を聞き流しながらも時々話に突っ込んでいきます。

聞き慣れたアメリカンイングリッシュとは違い、ブリッジの独特なキウイアクセントとアリスやティナのスパニッシュアクセントの英語を聞くときは、さらに集中しないと言葉が拾えません。あぁぁぁぁあ。

(英語に囲まれた環境を求める人には、本当に良い場所だと思います。)

しかし、疲れているとはいえ、ボート乗り場までの散歩はやはり気持ち良いです。夕日に照らされる湖の色はこの時間だけのもので、日中の青よりも好きです。

小屋に戻った後、スタッフルームでお茶を飲んでいると、やってきたメンテナンスチームの長、ジョージ。メンテナンスチームの3人のスタッフは今日私たちの小屋に1泊して、小屋周りのメンテナンスをしてくれています。彼は確かキウイだったと思いますが、彼は話すスピードが速く、頭を休める暇なく、話の内容を理解するため、集中しなければなりません。色々話をしましたが、ひとつ書き残しておくとするなら、トイレの話。小屋のし尿はタンクに貯められてヘリで1.2年に1度運ばれるそうです。(水に関してはフィルターを通って地下にながされます。)

働いていた日本の小屋では、1シーズン中に2.3回はし尿がヘリで運ばれていましたが、ここでは12年に1回と少ないことに驚きました。よく考えれば、トイレを使うお客さんの数が日本で働いていた山小屋の方が多いですし、きっとタンクの大きさも違うのでしょう。

明日は皆はoffですが、ティナと私は皆の夕食を作らなければなりませんので、半日シフトです。夕食を作りつつ、ティナがリスト化した営業が始まるまでの準備を進めていきます。4時間でこれだけの仕事をこなせるのかと、ティナが書いた文字を見ながら不安になりお腹が痛くなりますが、やるしかありません、、、。きっとなるようになります。

仕事のことばかり考えてはお腹が痛い私をよそに、ティナ「休みのみんなは隣の小屋まで行くんだってさ。私たちも朝はオフだし一緒に行こうよ。」これにも断るに断れず(苦笑)、明日の朝10時頃から散歩に行くことに。

ブリッジも一緒に行くとのことでスタッフルームに10時くらいに集合することになりました。

正直、1人で殻に閉じこもる時間が欲しいです。小屋に来て以来、1人でぼーっとする時間がほとんどありません。小屋の周りの自然は、もちろん変わらず美しく、日々夏に向けて変化しています。ですが、見惚れる余裕は全くありません。そんな日が待ち遠しいです。

 

▲定点観察

〜従食メモ〜

⚪︎にんじんしりしり

Meat eater用にはツナ入り、ピーガン用にはひよこ豆と豆腐入り

⚪︎マッシュルームのオーブン焼き

ウォルナッツとニンニクも一緒にロースト

⚪︎フライドライス

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