連勤が続いていることもあり、44日目、45日目は、日記を書くことなく寝てしまいました。46日目である今日思い出しながら書いています。
⚫︎真夜中の地震
44日目の朝、6:30からキッチンで朝食の準備をしていると、マネージャーであるみんなのお母さんエミリー「夜中に地震があったわね」そう言われてみると真夜中に目が覚め夢の中に戻ったような。地震とは気づきませんでしたが、無意識に揺れで目が覚めたのかもしれません。私以外のスタッフの多くは地震で起こされ眠りにつくことができなかったようで、クライストチャーチでの大きな地震を思い出したと言っている人も。「夜の地震は暗くて何が起こってるか見えないから嫌いなのよ、特にここは夜、電気がつかないでしょう、怖かったわ。あの時を思い出してね、しばらく寝付けなかったわよ」
⚫︎のっぽな山屋ミックのreplacement、コロナに罹る
のっぽな山屋ミックが小屋を去るため、会社は新しくスタッフを雇ったそうで、韓国からサンというイングリッシュネームを持った女性が来るそうです。しかしそのサン、数日前の噂ではコロナにかかってしまったそうで、小屋入りが遅れるとのこと。みんなのお母さんエミリー「ミックに数日長くいてもらえないかしら、今日あっつい中洗濯頑張ってたから、そんなこと頼みにくいわねぇ」しっかり者のメグ「それは言いにくいですね、週明けから、生意気なミアと見習いcookロビンのweek offに合わせて一緒に島に行くって言ってましたし」
近くに彼がいないと思い、キッチンにいるスタッフでそんな会話をしていると、キッチンの隣にあるスタッフルームでくつろいでいたのっぽな山屋ミック。聞こえていたに違いありません。
結局、予定より2日長く働くことになったそうで、その代わり他のスタッフとシフトを入れ替えて休みを取り、隣の小屋へ泊まりに行っていました。
Replacementであるサンが来るとはいえ、チリのカタリーナもその翌週には辞めますし、その2週間後にはキウイの物静かなアニーも大学に戻るため小屋を去ります。つまりは、3人辞めて1人入ってくる。これではマイナス2です。これからどうなるのでしょうか。
⚫︎マネージャーの座を狙うさやか
キッチンで仕込みをしていると、みんなのお母さんエミリー「さやかは、これからロッジの仕事もやってもらうし、もちろんクックもできるし、マルチタスキングよ。会社もそんな人を探していると思うわ、来年も戻ってくるかしら?」見習いcookロビン「あとはマネージャーの仕事ですね、狙ってるかもしれませんよ」そんな会話になりました。
働きながら毎日のように、ここに戻ってきたいかと自分に問い続けているのですが、答えは出ません。皆の話を聞いている限り、1シーズン働けば翌シーズン以降は会社がサポートしてくれワークビザは下りるようなので、現実的に可能ではあります。従部屋は個室ですし食べ物にも困らず、日本のようにカチカチと働くこともなく、倍近くの時給が稼げます。まぁしかし、心からこの山小屋で働くことが楽しいと言えるかと聞かれると、答えに詰まります。
⚫︎お客さんとして小屋に泊まりたいか
辞めていく人のことや、来年も働きたいのかということを考えながら気づいたのですが、”この山小屋にお客さんとして泊まりたいか”、”今泊まっているお客さんと同じ視点を持っているか”、きっとこれらの問いに対してYesであれば、翌シーズンも戻ってくるでしょうし、Noであれば戻ることはなく、さらにはシーズン途中で辞めていくと思うのです。この話は書いているとキリがなさそうなので、また追々書くことにします。
⚫︎低い雲
44日目、45日目は、雲に覆われた2日間でした。山の中とは言え小屋の標高は300mほどしかなく、見上げる山の標高も1500mほどです。そんなジャングルの中にいますが、天気がパッとしない日は小さな雲が目線の高さで漂っていることもしばしば。手で掴めそうな場所に雲が浮いているのです。この周辺では当たり前なのでしょうか?大した答えを求めず見習いcookロビンにその話をしてみると「ニュージーランドの雲は確かに低いかもね」と。いつか思い出したら詳しそうなガイドに聞いてみることにします。
⚫︎マネージャーからお疲れ様とアルコールのプレゼント
45日目、見習いcookロビンと2人で仕込みをしていると、キッチンにやってきたみんなのお母さんエミリー。「あなたたちよく頑張ったわ、本当に頑張った、ありがとうね」chefが不在の3週間強の間、よく働いてくれたと、お礼と感謝の気持ちを込めてみんなのお母さんエミリーから、お菓子とビールのプレゼント、そしてハグをもらいました。今振り返るとあっという間だったような気もしますが、愉快なchefケイシーが小屋を離れた直後1週間はとても長かったように思います。
⚫︎week offで島へ
見習いcoolロビンと生意気なミアカップルは46日目である今日の夕方の便のボートでジャングルを後にし、彼女の生まれ育った場所であるニュージーランドの南の島へ出かけて行きました。特に彼女の方は、毎日のように「あと3回寝たら家に帰れる!so excited !」「あと2回よ!」もういくつ寝ると〜の歌を思い出します。彼らには悪いですがこれから1週間、小屋の中では静かに時が過ぎて行きそうです。
⚫︎12時から行動開始
8連勤を終えた私は、46日目である休日の今日、12時まで寝て、スタッフルームへいき、朝昼ごはんを済ませ、散歩。その後は優しいお姉さんと反対方向へまた散歩。
1人で歩くのも2人で歩くのも違った楽しさがあります。戻った後は少し昼寝、そして従食。食後も懲りずにまた散歩。いままで行ったことのない場所へ行ってみると、それはまた素敵な場所を見つけてしまい、ここにハンモックを張れそうだなぁと考えながら小屋に戻りました。また近いうちに偵察に行かなければなりません。
⚫︎戻ってきた愉快なchefケイシー
45日目に数週間の休暇から帰ってきたchefケイシー。ニュージーランドと彼の母国であるアイルランドの時差は、ちょうど12時間ほどだそうで、つまりは地球を半周してニュージーランドへ戻ってきたことになります。時差ボケで疲れているようで、45日目は皆と従食を食べることなく、翌日からの仕事に備えて早く部屋に戻っていました。46日目は、入れ違いに見習いcookロビンが夕方のボートで小屋を出たので、従食は久しぶりに愉快なchefケイシーの豪華なディナーがテーブルに並びます。昨日までの私と見習いcookロビン2人で作っていた従食のおかずが恥ずかしくなるほど。
メニューは人参とナッツのサラダ、こんがり焼いてシナモンで味付けされたフルーツとチーズのサラダ、私と見習いcookロビンが手をつけることのできなかったチキンの料理、じゃがいもグラタンにビーガン料理はナスのソテー。どれから食べようかなとワクワク迷いながら手を伸ばし、お腹いっぱいになるまで食べ続けます。やっぱりchefの作る料理は違います。これだけの量を作り、さらには仕込みも数日分終わらせ、途中中抜けして外で音楽を聴きながらヘリポートで過ごしていました。
彼に限らず、仕事が速く、完璧にこなしている人を観察していると不思議なことに、速いなぁと思うことはあまりありません。何が速いのか、なぜ同じ時間で倍以上の仕事を終わらせられるのか、わからないことの方が多いのです。確かなのは、彼らには迷いがなく、仕事の順番がきっちりと頭の中で整理されており、無駄がないということ。愉快なchefケイシーと一緒に働けるのはあと3ヶ月。キッチンに一緒に立つ機会はこれから減りますが、良い部分は盗めるだけ盗んで行こうと思います。いやぁ、愉快なchefケイシーにはかないません。凄い。
⚫︎夜のお散歩
46日目の夜は、すぐ寝て翌日からのB/Cに備えようと思っていましたが、ふらっとスタッフルームに行くと、優しいお姉さんブリッジ「昨日満月だったみたいだから今日の月もまだ丸くて明るいはず。消灯の後、みんなのお母さんエミリーと橋まで散歩にいくけど一緒に行かない?」とのお誘い。その直後にみんなのお母さんエミリーがやってきて「ラウンジで消灯までちょっと飲みましょうよ」とのお誘い。もちろん答えはYES。ラウンジでビールを飲み(社割価格で飲めますが、明々後日の給料から漏れなく引かれます)、じわりじわりと色を変えていく山と空の色を大きな窓越しに眺めながら、おしゃべり。いまだに2人のアクセントは聞き取りづらいですが、気合いで(笑)、いえ、文脈や表情から読み取り(笑)、会話に必死について行きます。
1時間ほどゆっくりした後は、小屋から5分足らずの橋までお散歩。のっぽな山屋ミックとしっかり者のメグも合流。橋の上から川を覗き込みeels を探してみたり、空を見上げたり。
22:00過ぎですが空は明るく、ヘッデンなしで歩けます。残念ながら月はまだ山の影に隠れており、見ることはできず。せっかくだからとその後は優しいお姉さんブリッジと2人でボート乗り場まで散歩。流石に暗くなってきたので携帯のライトで足元を照らしながら往復しました。小屋に戻ってきたのは23:00頃。この時間に外をゆっくり歩いたのは初めてで、ジェネレーターやボート、ヘリの音がなく、鳥の鳴き声と波の音だけが耳に入ってきます。光は私たちの携帯のライトと星だけ。人工物から遮断された自然の中で夜を過ごすのは本当に久しぶりです。いや、ここまで極端に隔離された場所は初めてかもしれません。
先月のクリスマスに注文したハンモックが小屋に届いたら、夜に湖や川、星空を見ながらゆっくりするのが楽しみです。
▲44日目の定点観察
▲45日目の定点観察
▲46日目の定点観察
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