28日目酔うからパイロットにはなれないかもしれない

今日は下山日。本来であれば木曜日である昨日が下山日でしたが、天気が悪いことが事前にわかっており、月曜日にオフィスから連絡があり1日後倒しとなったのです。その通り、昨日の風速は100k/hを超え、クレイジーな山の中でした。

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昨日から今日にかけて泊まっているお客さんの数は少なく18人。ここのところ30人以上の日が多かったので、20人を切ると何か忘れているのではないかと心配になる程、時間が余ります。それに、今日は下山日なので仕込みを何もしなくていいよう計画的に進めてきたため、お客さんの朝食のサービス以外にやることが大してありません。

今日私がヘリで下山し、シェリーはヘリで入山。入れ違いになり、ヘリに乗る時に一瞬しか彼女には会えないので、彼女が休み明けに仕事にスムーズに戻れるよう、メモをまとめることにします。

そして、11時ごろだったか、リサプライのヘリがやってきます。食料、備品が届き、それを私とセシア、ブリッジの3人でせっせか運びます。2人はケージから物を出して冷蔵庫付近に置いてくれ、私が冷蔵室、冷凍室、ドライストアの中に1人で片付けていきます。1人でやるのは今回で2回目。要領がつかめてきました。

その後、隣の小屋のリサプライが行われ、それから私たちスタッフの移動が始まります。食料整理の後に時間があったので、届いたアスパラガスの下処理をしたりと時間のかからない、いつでもヘリになれるように簡単な仕事をやりながらヘリを待ちます。

そこでハッとひとつ気づいて、ドライストアに行ってみると、ココナッツオイルの発注を忘れたようです。ココナッツオイルが届いてません。仕入れ先が忘れたのかなと思いインボイスを確認しますが、記載がありません。私が忘れたようです。ココナッツオイルがないと、お客さんに出しているビーガンスライス(オートミールとデーツで作るエナジーバーなようなもの)が作れません！

汚い字で、シェリーへの置き手紙にごめんなさい！と書き足していると、無線が入ります。「2分でM小屋に到着、スタッフの移動の準備を」

無線は、過去2シーズン、私には聞き取れないとさっぱり諦め聞こうとしてきませんでした。しかしM小屋では無線も電話も取る機会がありますし、聞いていないと大事な情報を聞き逃すことになるので、この2週間余裕がない時以外は耳を傾けるようにしてきました。それから、少しずつ聞き取れるようになってきた気がします。これって全てのことに対して、共通します。自分にはできない”から始めたら、いつまで経ってもできるようになりません。

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ヘリコプターは、無線での連絡通り2分後には到着。私は18kgの荷物を持って、ヘリパッドへ向かいます。何をそんなに持ち歩いてるのよ！とブリッジ。体重と荷物は毎回測らなければならず、私や荷物の多さに呆れているブリッジ。彼女も大概たくさん持ち歩いているのですが(笑)。

そうそう、体重は、キッチンでつまみ食いを常にしているにも関わらず、2kgは落ちました。セシア「これだけずっと働いてたら、それは痩せるはずよ」同じく彼女も2kg痩せたと言っています。ブリッジも小屋入り前から6kg、ルイも数kg痩せたと言っています。

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ヘリパッドへ向かうと、降りてきたのはリンとシェリー。良いウィークオフをとシェリーとハグ。2人ともウィークオフ帰りのオーラを纏ってキラキラと笑顔で小屋の中へ向かいます。キラキラのかけらもない私とブリッジはさっさとヘリに乗り込み、隣の小屋のF小屋に寄り道してF小屋スタッフを乗せて、それからパドックへ。

ヘリコプターからの眺めは、何度も何度も書きますが、情報量が多すぎて頭がバグります。フワッと開いた後いつもとは違う方向に飛び始めたので、え！どこに行くんだろう？え、あれってあの山、これってこの湖？この川は？え？ん？あ？えー！あそこにもトラック(道)がある？こっちにぐるっと回ってるから小屋はあの辺のはず？写真撮らないと？あれってあの滝？は？えーーー！写真写真！え？ん？んんん！

そういう調子でした。

▲左中央に見えるのがわたしの働いている小屋

そして何より驚いたのは、緑が明るく瑞々しいこと。前回見た時は天気のせいもあったかもしれませんが、こんなに緑は輝いていませんでした。季節が夏へと着実に進んでいるんですね。小屋にいるときに散歩する時間を取りたいと思いつつも、キッチンにずーーーっといるので、外に出ることがあまりなく、自然の変化に気づけていませんでした。

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ヘリコプターはそれなりに揺れ、私は少し乗り物酔い状態。それから1時間かけてクイーンズタウンへのバン移動。ここで完全に酔います。気持ち悪い。

これも何度も書しましたが、ヘリコプターに乗るたび、パイロットになりたいという夢はやっぱり捨てられん！と思うのですが、こんなに酔うんじゃ、難しいのではと思い始めました。操縦してたら酔わないんでしょうか？(そういう問題？)

それから前回ヘリに乗った時に、ヘリのために仕事頑張る！とブログに書いた気がするのですが、この16連勤中あまりにも勤務時間が長いですし、しんどいことも多いので、ヘリなんてどうでもいい！仕事しんどい！と思っていました。しかし、今回のヘリ移動はいつもとは違うルートでお天気も良く、感動の連続。涙が出そうにまでなります。あ〜、人間って単純です。また仕事頑張れる気がします、はい。