20日目 カップラーメンを食べる日々

今日はお休み。ゴールデンウィーク中、6連勤、7連勤している人がいる一方、私は3日働いて休み、次なんかは2日働いたらまたお休みだ。その代わり、月末に連勤がある。

皆の風邪は、私に移ることはなかったが、皆それぞれ軽い症状が長引いており、ピンピンしている人は私以外いない。

今日は2つ、書きたいことがある。まず1つ目はカップラーメンを食べてしまうという問題について。従業員が食べていいようにと、カップラーメンが数種類常にストックしてあるのだが、それをどうしても2日に1回のペースで食べてしまう。夜ご飯は、当番の人が全員分を作り健康的なご飯を皆で食べるのだが、朝と昼は各自で食事をとることになっている。さて食べようかと思った時、休憩時間が短かったり、タイミングが悪いとキッチンの中はてんやわんやなのでコンロを使って何か作ろうという気にはなれない。そんな時にカップラーメンは登場する。厨房の隅に置いてある箱の中で輝いているし、他のスタッフも美味しそうに啜っている。そんなのを見ると食べてしまうのだ。しかも、最近私の大好きなシンガポールラクサ味まで小屋にやってきた。食べるしかないだろう。

どのシフトの場合も午前中は体を動かし掃除するし、夕方からは時間に追われながらせっせと夕食の手を止めることなく進める。そんな日々が続いているからカップラーメンくらい食べてもいいだろう、とは思う自分がいるが、一方で野菜を食べたい、果物を食べたい、同じカロリーを摂るのならお米を食べたい、とカップラーメンに対して後ろめたく思う自分もいる。健康的にも、2日1回はなかなかのハイペースな気がする。

このゴールデンウィークパニックが終わったら、昼食くらいゆっくり作る暇ができるだろうか。そう思いたい。

2つ目は、今日のお散歩中の出来事だ。ゴールデンウィークということで人通りが多い私たちの小屋周辺。それでも私はめげずに、植物観察をしている。すれ違う登山者たちは、これから登る山々に思いを馳せ、たったかたったか前に進むか、稜線上から森の中に戻ってきて早くバスターミナルへついてしまいたいと早足で歩いている。そんな中、私はのろりのろりと一つも花を見逃さないようにと、右足を前に出し、左足も前に出し、おっとっと、一旦止まって座り込み・・・の繰り返しだ。

カメラを構え、コチャルメルソウがたくさん咲いていたので、どの花を撮ろうかなと考えていると、山の上からの景色を存分に楽しみ、あとは帰るだけというような登山客に声をかけられた。「何か咲いていますか?」私は、コチャルメルソウがたくさん咲いていますし、サンカヨウの小さな芽もある、さっきはハシリドコロもニリンソウも・・・と頭の中には花の名前が瞬時にいくつも上がったが、とりあえず「小さな花がたくさん咲いています」と一言答えた。そうすると、彼が返した言葉は、「フキノトウがたくさんありますね」だった。私は「ニリンソウなら少し先に咲いていましたよ」と彼の進行方向に咲いている花を一つ紹介した。ニリンソウなら知っているだろうと勝手ながらそう思ったのだ。しかし、返事はない。すぐに歩き始め、私は写真を撮り続ける。

一瞬の出来事で何ともない会話なのは百も承知。それでも私はなんとも言い表せない気持ちになった。フキノトウか・・・。フキノトウか・・・。

私とその登山客とでは同じ場所を歩いていても目に入るものは全く違う。その一瞬の会話の中で、お互いが見ているものを共有するには、限界があるのかもしれない。何か咲いていますか、という質問から、何も咲いていないように見えるけど何か咲いていますか?と言われたようにさえ思う。きっと、鳥をとっている人がいて私が何か尋ねるとしたら、同じように「何か飛んでますか?」と聞くだろう。

それはそれでいいのだが、どうしても寂しさと虚しさを感じてしまう。私はコチャルメルソウを撮ってその場を離れ、小屋に戻る途中、ぐるぐる考えながら歩いた。フキノトウか・・・・・。

さて、その散歩中に見つけた植物の写真を載せていく。毎回同じ顔ぶれになってきているが、すくすくと成長し、花を咲かせている。

まずはヤマシャクヤク。小屋の前と裏にあるが、これは小屋の前にあるヤマシャクヤク。芽が出た頃とは全く違う姿になっている。古株さんたちは葉っぱをたくさんつけており、それが見事に開き始めている。

ハシリドコロも、場所によっては、蕾をこれでもかと葉の中に抱えている。

ハシリドコロは集団生活をするようだ。一つの株がぽつりとあるのは見たことがない。場所によっては全体的に花の色が薄いハシリドコロの群があった。

こちらは、よく見る色が濃いハシリドコロ。

木の根元の苔から生えているハシリドコロも・・・!

次にトリカブト。やはり、葉の先端部分が光っているのが気になる。

次にエンゴサク。葉の形からして、エゾエンゴサクのようだ。

これも、おそらくエゾ。

これはヤマエンゴサクだろうか。

これはヤマエンゴサクの蕾。色が様々あって、一つ一つ微妙な色の違いが見られるのが嬉しい。どの色も、美しく、まじまじと観察したくなる。

こちらは、上にも書いた、そのコチャルメルソウ。今全盛期を迎える直前といったところだろうか。私のいる場所周辺では、この花が一番多く咲いているが、おそらく一番気にかけられていない花だと思う。座り込んでゆっくり見ない限り、全く目につかないからだ。

この形は他の花にはないので、是非とも歩く人たちには見てほしいとは思うが・・・。

こちらは、最近咲いた花が増えてきた、エンレイソウ。

今はこの色の花が多いが、いずれは白いシロバナノエンレイソウも出てくるだろう。

エンレイソウは何年も経ってから花を咲かせるというが、こちらは、花を咲かせるのが初めてのカブだろうか。蕾がとっても小さい。

そしてそして、ニリンソウ。花が開ききってしまうと、このように花びらの外側のピンク色が見えなくなるので、このくらいの蕾の時期が可愛くて好きだ。

ユキザサも蕾が出始めた。

このユキザサも徐々に開き始めている。

これはなんという植物だったか?葉の枚数が様々だ。4枚のものもあれば5枚、それ以上のものもある。

最後に。初めて見つけてビクッとした、ニリンソウの茎。もやしのように白い。もしかして、今まで葉で覆われて見えないからよく見ていなかっただけで、全て茎は白いのか?!と思って葉をめくって確認してみると、ほかの部分は黄緑。ここだけ白いのは何故だろうか?土や枯れ葉に埋もれていて白かったところ、それらが風で飛ばされ顕になったのか?とか考えるだけ考える。調べはしていない。

それではお決まりの定点観察を。

【小屋から望む前穂】

【化粧柳と前穂】

【梓川と大天井】

【大天井岳】

 

 

 

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