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8日目〜11日目 疲れない毎日

何度も書いているが、M小屋での半年間があまりにも濃すぎたからか、ここでの仕事が楽ちんに感じてしまう。6割くらいの力で毎日働くことができていて、今の状態に慣れてしまったらM小屋でのcookポジションには、戻りたいかどうかは置いておいて、もう戻れないだろう。それでもあの6ヶ月間があったことで、自分の限界は自分の思う以上に高く設定していいということがわかったし、人間簡単には死ぬことはない。

8日目、9日目は引き続き厨房メインの仕事、10日目、11日目は2連休だった。ここに来てから1週間以上経っているということになる。来てすぐの頃は小屋の正面にはアザミの花の蕾ばかりだったが、咲いている花は多くなり、その次に多いサラシナショウマの蕾もだいぶんふっくらしてきた。小屋周辺を歩いているとひらひらと黄色い葉っぱが落ちていく姿も見かけるようになった。小屋の正面の花は数週間ごとに入れ替わるのだが、サラシナショウマを見ると小屋閉めもそう遠くないことを知らされる。

毎年、小屋の正面の花は、当たり年の花、そうでもない花があって、私が1年目として2022年に働きに来たときは、サラシナショウマの当たり年だった。そう支配人が言っていたのを覚えている。2年目として戻ってきた2025年は、メタカラコウの黄色が眩しかったような記憶があり、先輩に確認すると、そうだったよねぇと、私の記憶は間違っていなかったようだ。今年はというとアザミが多いように思う。こんなにもサラシナショウマの間からアザミが頭を出しているのは初めて見る。

他はというと、ソバナもあちこちでたくさん咲いているような気がする。なんとなくだが、この辺にはあの花が咲いていたなと覚えているが、ソバナは咲いている箇所が少なかったと記憶している。しかし今年は、あちこちで姿を見かける。今年は私の番です、今年はお休みしますと、私たちの見えない土の下で花たちは会話しているのかもしれない。

お休みの2日間は、そんな植物観察のための散歩をちょろっとした。カメラを持ってゆっくりゆっくり歩く。この花の名前はなんだったけな。家に置いてこようかと迷った図鑑を持ってきておいてよかった。本を開いて復習する。

▲私の好きな花・ルイヨウボタンの葉っぱ。花が終わっているのは分かっていたが、葉っぱだけでも会いたかったので探しながら歩いた

▲キフネツリソウ

▲終わりかけのクサボタン

▲花が終わった後の変化も面白い▼

▲多分これはオオシラビソの樹皮だと思う。観察して自分なりに比較し、考えながら違いを見つけるのも面白い

それから、絵も描き始めた。

私が5年くらい前から使っているマルマンのスケッチブックは手のひらサイズだが、その5倍くらいの大きさのスケッチブックがモニターキャンペーンで当たったのだ。正確にいうと、マルマンのクロッキーブックMサイズ。大抵こういうのに応募しても外れることばかりで期待していなかったので余計に嬉しい。手のひらサイズのスケッチブックはどこにでも持っていけるし、さささっと描くにはちょうど良いサイズ。同時に心の中でサイズの大きいスケッチブックにそろそろ手を出したいとも思っていた。

新しいスケッチブックやノートを開いた時のまっさらな紙の匂いと共にやってくるワクワクと、新品を汚したくないという二つの気持ちがぶつかって、さらには何を描いたらいいのだろうかと迷う気持ちも重なり、心が苦しくなり始める。絵はしばらく描いていない。遡ると最後に描いたのは去年の年末だった。モニターのキャンペーンなので決まった期日までにいただいた品を使っている様子を投稿しなければならない。

片手にペンを握り反対にはスマホを持って写真を遡り何を描くのかしばらく迷う。結局M小屋付近の風景の絵を描くことにしたのだが、描き始めてからもしばらく苦しい。こういう感情を抱えながら絵を描いたことがないので、なんと表現したら良いのか適当な言葉が見つからない。絵に色をつける時や刺繍糸の色を選ぶときも似たような感覚に陥るが、それの何倍も苦しい。自分がこれまで描いてきた絵はたくさんあるし、自分の手が絵を作り出せることはわかっている、心は絵を描きたいと言っている。なのに頭が、そんなに簡単にできるはずがないと漠然と否定しているかのように手にブレーキがかかる。次はどこに線を引いたらいいんだろう、これであっているのだろうか、無意識に正解を探してしまう。私の手は答えを知っているのに頭に支配されてしまって手の動きがぎこちない。完成した絵は、今まで見たことない線の連続で出来上がっている。それでも、一応描いた絵は山だと認識できるほどの完成度で、少し安心した。私の頭はもう少し自分の手を信じた方が良いだろう・・・。

こんな苦しい思いをしながらもう絵は描きたくない。でも、この状況から抜け出すには、毎日続けて絵を描くしかない気がしている。

定点観察の再開・・・

▲川が枯れ気味

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