どうもお久しぶりです。毎日ちらほらとこのブログを見てくださる方がいるようで嬉しい限りです。感謝。
いきなりですが、みなさん高山植物はお好きですか?山小屋生活中に高山植物熱がさらにアツくなり(笑)、最近念願のヤマケイの高山植物図鑑を手に入れました!!これを機に、山小屋生活中に撮りためた写真に素人なりの解説付けて、植物について紹介してみることにしました
初回の今日は、イワツメクサ。きっと見たことのある人も多いかと思います。
イワツメクサってどんな花?
山好きなら一度とは言わず何度も見たことがあるであろう、イワツメクサ。高山植物=小さく可憐、というイメージ通りの花です。小さく真っ白な花で、葉はくすみのない、若草色に近い緑。
写真のように、小柄で茎は細いので、少しでも風があると写真に収めるのが大変。すぐにブレます。
数輪で咲いていることもあればこのように大きな株でドサッと咲いていることも。
高山植物のバリエーションが少なく感じた富士山にも多く咲いていた記憶があります。この花を見ると、あぁ、山に来たなと思います。
か弱く見えるイワツメクサですが、私が山小屋にいた夏山シーズン中は雨風台風に負けず、他のどの高山植物よりも比較的長く花をつけていました。霧雨の中でもこの花は、顔色ひとつ変えず、涼しい顔して咲いていました。
花弁の枚数は何枚?
この花の可愛らしさの1つは、花弁が細かく、それが揺れている姿。数えてみると花びらの枚数はどれも10枚。稜線上にきらきら輝く星のよう…
いいえ、実はイワツメクサの花びらの枚数は5枚。1つの花弁が2つに裂けて10枚に見えるそうです。山で見かけた際にはじっくり観察してみてください。
葉の形
こちら、花の時期が終わった後のイワツメクサの株。
秋晴れの日に散歩をしていると、変わった形をした葉があるなと足を止めてついつい観察。この辺には確かイワツメクサがたくさん咲いていたような…。あまりにも面白い形でしばらく見入ってしまいました。上から見下ろすと手裏剣のようです。
しゃがんでイワツメクサと同じ目線の高さから見てみると…
こんな形。花がある時期は中々花以外の部分に目が行きませんが、こうやって葉だけ注目すると面白いですね。
夏に青々としていた葉は、秋になると薄い黄緑、黄色へと黄葉するようです。写真をよくみると、下から黄葉してグラデーションのようになっています。
名前の由来
イワツメクサという名前。由来は漢字表記を知ると納得です。漢字では、岩爪草、つまり岩の間に咲く爪草です。
このブログのために岩の間から咲いてくれたようなイワツメクサ
爪草とはどんな花でしょうか?調べるまで知らなかったのですが、爪草は、山ではなく道端に咲いている野花です。爪草の葉は細く線状。切った爪のように尖っているから、鳥の爪の形に似ているから、などが考えられている説だそうです。
イワツメクサの葉も確かに尖って細い形をしています。
シロツメクサとの関係
ツメクサ、と聞くと、シロツメクサを思い出した方もいるのではないでしょうか?
”白い花にクローバー”、あのシロツメクサとイワツメクサやツメクサは全く関係ありません。
イワツメクサは岩爪草ですが、シロツメクサは白詰草と書きます。それぞれ、
爪草 >>> ナデシコ科
詰草 >>> マメ科
と、異なります。確かに、イワツメクサとシロツメクサ、花の形が全く違います。
シロツメクサの名前の由来
シロツメクサの名前の由来はというと、漢字からわかるように詰める草として使われていたのが、全ての始まりです。
何に詰める草なのかというと・・・
時は遡って江戸時代、オランダから長崎にガラスが持ち込まれた際、ヨーロッパ原産であるこのシロツメクサは、枯れた状態で緩衝材として箱に詰められていたそうです。白い花が咲く、詰め物として使われる草、白詰草、というわけです。
その後、明治時代に飼料として栽培されるようになり、シロツメクサは帰化植物となったようです。
ヨーロッパではシロツメクサが緩衝材として使われていましたが、日本の緩衝材として使われていたのは、浮世絵だったそうです。それが世界に浮世絵が知られたきっかけだとか。今で言う発泡スチロールやプチプチが、シロツメクサ、一方では浮世絵だった、ということですね。
イワツメクサ
イワツメクサ・岩爪草/ナデシコ科ハコベ属
ナデシコ科は主に北半球に約75種あり、その1属であるハコベ属は世界に約100種、日本に17種ある。イワツメクサは本州に分布、多年草。花期は7〜9月。
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