ニュージーランド英語の話

これまで山小屋日記には、ニュージーランドでの山小屋生活での話をあれこれ書いてきました。海外で働くこと、山小屋で働くこと、英語の環境の中で働くこと、キッチンでの仕事、人間関係、食文化はじめ文化の違い・・・そして私の愚痴・・・。その日の私の気分で思いつくことが乱雑に書き並べられた日記です。

今日はその中でも時々触れてきた、【ニュージーランドで使われる英語】にフォーカスして、面白いと感じたことやカルチャーショック、アメリカに留学していた時に触れていたアメリカ英語との違いなどを書いていきたいと思います。

(注)アメリカに10年以上前に1年ほど留学した時の記憶、ニュージーランドで計1年ほど働いた体験をもとに書いています。全て私の個人的主観です。

ニュージーランド人は早口?!

ニュージーランド英語に圧倒されたのは、2022年の11月のこと。ワーキングホリデーでクイーンズタウンに降り立って、生活を始めるために銀行に行き口座を開設して、携帯を契約して・・・と準備をする段階でした。それ以前にもニュージーランドには2度訪れたことはありましたが、観光目的でしたので、店頭での軽い会話や私と同じようにニュージーランド国外から訪れた人たちとの会話ばかりで、その時には難しいと感じることはありませんでした。

しかし、街中で銀行に行って手続きをする、ニュージーランドでの携帯電話番号を手に入れる、新しい国で新しい生活を始めるとなると、それなりに会話をしなければなりません。なんとか諸々の手続きが終わった後は、山小屋へと向かい、英語が飛び交う中での仕事に生活。当時はインターネットもほぼない状態だったので、まさに英語漬けです。

そんな中で一番に感じたのは、ニュージーランド英語、難しい!耳にすんなり入ってきませんし、難しい理由はなんといっても、早口

私の英語の勉強不足かな、リスニング能力が学生時代よりも落ちたんだろうな・・・なんて思っていましたが(実際それもあると思いますが)、山小屋生活中に会った、ニュージーランド歴が長い日本人の先輩に聞いても、ニュージーランドの英語は早いし訛りもあるし、他の英語圏の英語に比べて難しいと思う、ということでした。これを聞いてほっとした私・・・。

とはいえ、ほっとしたところで誰もゆっくり話してくれるわけではないので早口な皆の英語についていくしかありません。最初の数週間いや数ヶ月は、耳も頭も疲れました。

アクセント、発音の違い

早いだけならまだしも、訛り、アクセント、発音も慣れないものが多く最初は苦労しました。山小屋日記に書いたような気もしますが、ニュージーランド英語の面白い例を紹介すると、eの発音です。

山小屋での生活中はスタッフ皆で夕食を食べるので、毎日皆が繰り広げる会話の中で食事をすることになるのですが、その日皆はベッドメイキングについて話をしていました。しかし私は何の話かさっぱりわかりません。bedの発音が、ニュージーランド英語ではカタカナで書くと、ビィッドと聞こえます。ビッド?何のこと?ビ・ィ・ッ・ド???

会話が弾んで次から次に内容が変わっていく中、私はビッドが何なのか、綴りはどうやって書くのか考えてみたり、皆が会話中に出していた他の単語を捕まえながら意味を推測します。しばらくして、もちろんベッドメイキングの話が終わって次の話、次の次の話をしている頃、私は気づきます。ベッドのことだ!!!

bedという単語は仕事柄よく使うので毎日耳にしていましたが、何度聞いても慣れませんでした。毎回、ビッド?何のこと?あ、そっか、ベッドのことか。bedの音が頭の中でスムーズに処理ができなかったのです(笑)。

ニュージーランド人のeの発音は独特で、他に例を出すと、bearとbeer。どちらも同じ音にしか聞こえません(笑)。真面目に、一つ一つの単語の音を聞いて理解しようとしていた頃は頭を抱えていましたが、しばらく英語の環境の中にいると、今相手が何を話しているのか文脈から意味を考えることに慣れてくるので日常会話では躓く回数が減りました。

この経験をしてから日本語を話す時・聞く時も意識することがあるのですが、日本語でも音がはっきり聞き取れない時は結構頻繁にありますし(私の耳が悪いだけ?!笑)、推測しながら会話を進めることって普通だな・・・と思います。日本語の場合は瞬時に、かつ無意識に脳が処理してくれているので、今私聞き取れなかったから推測したんだ!なんて思うことはありません。英語だとその過程がちょっとスローで意識的にやっているだけ。それでもゆっくりゆっくり慣れていく自分の耳と脳みそには感心しました(笑)!

言い回し・フレーズ

これは、相手の言っていることが聞き取れはするけど、フレーズとして100%理解できない・・・という話。

How are we?

例えば・・・、個人的に好きな挨拶であり方言の一つのこれ。

How are we?

初めてこの挨拶をされた時は一瞬固まってしまった自分がいましたが、その場の状況や、挨拶のタイミングとしてはHow are you?の意味だろうと思い、I’m goodと返事。いまだにHow are you?との違い、細かなニュアンスが理解できていないので、自分から使うことはありませんが、この聞き方、なぜか好きです(笑)。皆が皆使うわけではありませんが、kiwi(ニュージーランド人)に聞くと、方言みたいなものじゃないかな、と言っていました。

Sweet as!

Cool!Awesome!Nice!など、いいね!という意味で使われるsweet as。OKという意味でも使えます。Sweetの部分は他の形容詞を入れて、例えばexpensive asとすることもできます。

このasの使い方に関して、全く知らなかったアメリカ人がニュージーランド人に「そんなの文法的に成り立たないよ、asの続きには、これと同じくらいsweetなものを入れて、例えを表さないと。」とか何とか言っていたのを覚えています。けれどニュージーランドでは、asで終わってOK。

いいね!めっちゃ高いやん!強調のasです。

I reckon …

これを初めて聞いた時のことを今でもよく覚えています。キッチンでオーストラリア出身の子と働いていた時です。reckonと聞き取れはするものの、初めて聞く単語です。recommendを短縮してるのか?国問わずどこの若者も省略するんだなあ、なんて思いました私。

その後、何度もこのreckonを耳にしますし、年齢問わず使っています。この辺の方言なのかな?と思うだけで特に調べもしませんでした。I guess、I think と同じように使っているように思えましたし、それで理解して特に問題なかったからです。

しばらく経って調べてみると(笑)、reckonはreckonで一つの単語。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでよく使われる英語だそうで、やはり意味としてはguesssやthinkと同じようです。

Aye?

綴り方は他にもあるようですが、音としてはエイ。文末につけて、イントネーションは上げ気味です。ニュージーランド人が頻繁に文末につけるのですが、意味としては、〜だよね?〜じゃない?と確認したり、同調を求めるような形で使われます。すごくサラッと、自然に文末にaye?とつけてくるので、意味はそれほど重くなさそうです。

Is it gonna be raining tomorrow, aye? – 明日雨降るよね?

She didn’t look fine, aye? – 彼女、調子悪そうだったよね?

なんだか良い例文が思いつきませんが(笑)、文末につけるaye? ニュージーランドならではです。

 

ニュージーランド英語とアメリカ英語

最後は、ニュージーランド英語とアメリカ英語、それぞれの環境に1年ずつ浸り、これ違うな?と感じたことを書いていきます。結構たくさんあるんですよ・・・最初は戸惑いました。

HelloとHi

挨拶で使うこの2つ。教科書にはどちらも載っていたと思います。しかし、アメリカに留学していた時はHelloなんて言っている人、いなかったように覚えています。Hiが主流だったような?一方ニュージーランドでは、”Hello! How are you?”から挨拶が始まるではありませんか・・・!私のアメリカでの記憶を何度も疑いましたが、Helloを聞く回数は圧倒的にニュージーランドでの方が多い気がします。

soとvery

アメリカではsoの方がよく使われますが、ニュージーランドではveryをよく聞きました。Thank you so muchとThank you very muchが良い例かもしれません。これも年齢関係なく、veryで強調している人が多いように思いました。

アメリカだと、super busy, super good! 等、superを使うこともよくありましたが、これもニュージーランドでは使っている人は聞きませんでした。

 Pardon?

アメリカ留学した時、誰もPardonなんて使ってなくて、教科書英語なんだなと思っていたのをよく覚えています。しかし!!!ニュージーランドに来るとPardonを皆使ってます、驚き(笑)!かしこまった言い方なのかな、上品な言い方なのかな?とも思っていましたが、そんな風でもありません。20代前半の若い子達も、Pardonは頻繁に使っています。これには驚きました・・・。

時間の表し方

アメリカでは聞いたことのなかった、時間の表し方、これにも驚きました。アメリカでは時間をいう時日本語と同じように10時15分ーten fifteen、3時20分ーthree twenty、このように言い表していたと思います。しかしこのように時間をいう人は少なく、

10時15分 quarter pass ten
3時20分 twenty pass three

他にも6時55分 five to seven
9時45分 quarter to nine

このように言います。最初は頭がこんがらがって、時計の針を頭の中で浮かべながら(もしくは時計を見ながら)10時から15分過ぎているから10時15分か・・・といちいち考えなければ理解できませんでした。時間に関して会話するときにアメリカでは頭を使った記憶が一切ないので、この言い方はアメリカではしなかったかと思います。

もちろん、アメリカ英語と同じように時間をそのまま読み上げても相手には伝わりますが、圧倒的にこの言い方で時間を表現する人が多いです、ニュージーランド。

その他

他にも違うなあと感じたことは単語単位でもたくさんあります。

ニュージーランド英語 ー アメリカ英語

rubbish bin ー trash can/garbage box
Do you need a lift? ー Do you need a ride
parcels ー package
jandals ー flip flops
togs ー swimsuits

まだまだあります。キリはありません・・・。

アメリカではあまり耳にしませんでしたが、ニュージーランドではありがとう!という意味で、仲の良い友達同士なんかだとcheers!と言ったりもします。それから、どう、元気?という軽い挨拶でアメリカではWhat’s up?男友達とかだとbroを文末につけたりしますが、ニュージーランドではwhat’s upはあまり聞かなかったような。それにbroではなく、mateの方がよく使われます。

 

 

以上、ニュージーランド英語についてでした。ニュージーランド英語に触れる機会は、現地に行かないとなかなか作ることができないかと思うのですが、少しでもニュージーランド英語の面白さ、他の英語との違いが伝わりましたでしょうか。映画や音楽で触れるアメリカ英語、イギリス英語とは違う独特なニュージーランド英語。早さと訛りで最初は拒否反応を起こしそうになる程でしたが、今では他とは違う、聞くとなぜか安心する英語になりました(笑)。

また新たな発見や、思い出したことがあれば、追記していきたいと思っています。

それではまた!

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