デザイン|山小屋の手拭い

何ヶ月も前の話になりますが、2025年の4月から10月、日本の山小屋で働いていた時に、支配人「手拭いつくろうよ」と声をかけていただき、手拭いのデザインをさせていただきました。

125日目〜127日目 手拭い
私のインスタグラムを見てくださってる方はご存知かと思うが、125日目に私がデザインした手拭いが500枚(!!!)、小屋に納品された。大きな段ボールに10ずつ括られ、どさりと届く。特に色に関しては今回作ってもらった業者さん、担当の方と何度もメ...

▲こちらの記事でも手拭いについて書いていますが、この記事では制作に関してを主に書き残しておきたいと思います。

始まりは2022年

手拭いの話は、実を言うと3年前、初めて徳沢で働いていた時にも「デザインしてよ」とお願いされていました。2022年4月福岡から松本へ飛行機で出て、支配人の車で山に入山するときに「インスタの絵素敵だねえ、手拭いデザインできる?」と、まだ初めましての挨拶から数時間しか経っていないのに、デザイン料はいくら?と言う話まで・・・。シーズン中はその話はどこかに消え、シーズンが終わる頃に「冬の間暇があったらデザインしておいてよ!」と。あれから3年後、徳沢に戻り2年目として働くことに。「さやちゃん!デザインしてよ!」と支配人のプッシュ。

最初は山道具の絵を描こうと言う話が出ていましたが、休憩時間に私の中の何かを振り絞って描きますが、なかなか上手くいきません。こうしなきゃ、こうした方がいいんじゃないか?と、そんなことばかり無意識に考えてしまいます。

うーん、うーんと悩みこむ私。そこに、小屋の中でも随分と私の山の絵を気に入ってくれている物販担当の先輩(昔は油絵を勉強されていたそうでアートがお好きな方)が、「さやちゃんの山の絵、好きやんなあ、この絵とか・・・」と、はっきりとは言いませんが、山道具の可愛らしい絵より山の絵の方を描いて欲しいと言わんばかりに私の絵をチラチラ覗きます。

その絵とは、2022年、初めての徳沢でのシーズンを終えた後に描いた絵です▲徳沢橋から見える秋の前穂、明神を描いたもの。私もこの絵は好きだったので、先輩がそう言うなら・・・と、思い切って山道具の絵は頭の中から消し、今の私ならどう描くだろうと、同じ場所からの景色を手拭いの縦横比で描いてみることにします。

思い切ってみると、絵を描く手はスイスイと動きます。やっぱり山の絵を描いている時間は私にとって特別です。出来上がったのがこちら▼

 

「いいやん、いいやん!」と背中を押してくれる先輩。これ手拭いになったら素敵すぎん?!と自画自賛。しかしここからが試練の始まり。こんなに色数が多く細かい絵柄は手拭いにはもちろん向いていません。

(私が読み取るに、支配人は、さやちゃんの好きなようにしていいよ!と言いつつも、山道具の可愛らしい女子ウケの良い絵の方が良さそうでした。)

業者さんとのやりとり

小屋のオリジナル手拭いはすでにあり、その手拭いを作った会社に今回も頼むことになりました。全て私に託されているので、手拭いのこと、デザインのことよくわかっていませんがよろしくお願いします!と、メールでのやりとりがスタートします。

業者さんには上の細かなオリジナルの絵をまず送ります。すると色数は⚪︎色まで、できるだけ細かい表現は避けるようにと連絡がきます。そこから私は手拭いバージョンに書き換えます。色数を減らし、形もシンプルに。やりとりしながら何度も何度も色と形を変え、最終的に決まったのがこの絵です。

季節は徳沢の春。雪がまだ積もっている前穂、明神。岩肌は雪解け水が伝わり冷たくごつごつしており、徳沢が流れ込む梓川は、1年の中でも鮮やかな色。川の底には丸くなった岩がはっきりと見えるほど、水が透き通っています。川辺には新芽がつき始めた化粧柳が並び、春が川の向こうからやってくる。絵をわざわざ言葉にする必要なんてありませんが、解説するとそんな絵です。

中でも苦労したのは、色選び。DIC番号で送ってほしいと言われ、DICのことを全く知らない私。DICの公式アプリをダウンロードして、アプリの色見本とProcreateで作った絵を見比べながら画面上で色番号を選んでいきます。

しかし、画面上でみる色と実際に職人さんが色見本(紙ベース)を見て作る色は、誰もが想像できる通り異なります。私は色には拘りたかったので、何度も何度もやりとりを繰り返します。色に拘りたいと言う気持ちはおそらくですが私の中に生まれつきあるようで、色に対して執着がない人のことが理解できない、と言うくらい私は色で気持ちがかなり左右されます。

緑色は新芽の色で・・・、水色は春の梓川の色で・・・。言葉でも説明しますが、業者さんから返ってくる返事は川の温度以上に冷たく業務的なものでした・・・(涙)。

それでも諦めたくない私・・・。知識と経験が乏しい中、色に対してしつこく聞いてしまったからか業者さんからは「ご勘弁してもらえませんか」とまで言われてしまいました・・・。あぁ・・・。

支えてくれた上司

今回業者さんにはProcreateのデータではなくイラストレーターのデータで渡す必要がありました。私はイラレの知識はゼロ。ここで助けてくれたのは、上司の1人、Oさんです。私の絵を細かなところまでイラレで再現してくださいました。

私の業者さんとの壮絶なバトル(笑)も全て見てくれており、がんばれ〜〜〜と応援してくださいました。Oさんの言葉がなければ心折れていたかもしれません・・・。今、思い出しても感謝の気持ちしか湧いてきません。「そのくらい拘って、いいと思うよ〜〜!」

絵を勉強したわけでもデザインに関して詳しいわけでもないので、私は途中で、「自分ってへんなのか?!?!?!?!?!」と思うこともありました。一方、いやいやこれは譲れんやろう。と自信満々な私も。

手拭いが手元に届く

絵を描いたら終わり。ではなく、そこからが大変だった手拭い制作。8月に届いて手にしてみて、黄緑明るすぎるわ・・・水色が、こうじゃないんだよなぁ・・・と思いつつも予想していたよりは良い感じに仕上がっていて(期待が低すぎる・・・)、嬉しいと言うより、ほっと一安心。

今回手拭いを制作してみて、たくさんの学びがありました。1人で作り上げる絵や刺繍とは違います。自分の言葉で伝える難しさ、自分にもっと勉強が必要だと言うこと、色についてもっと知りたいと言う気持ち。

もし手拭いを作る次の機会があれば、メールではなく対面で業者さんや職人さんと向き合いながら作りたいなあと思います。なんなら自分で色を作って染めたいくらいです。

以上、手拭いの制作に関してでした。

 

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