5:30、館内放送で目が覚める。今日の朝9時に臨時の街に降りるバスが出る予定、そのあとは通行止めになる、という放送だ。昨日からの雨が降り続き、何日か前と同じく交通規制がかかってしまった。9時にバスが出るということは、バスターミナルまで歩いて2時間なので、お客さんはすぐに小屋を出なければならない。7時からの朝食が普通だが、そんな暇はなくなった。
早朝から出勤のスタッフはお客さんの朝食ではなく、お弁当を準備し、小屋からお客さんを早めに”追い出す”こととなる。
私は8時からのシフトだったので、早朝から出ているスタッフから引き継ぎをし、仕事を進める。
昨日から泊まっていたお客さんは無事下山されたそうで、今日宿泊予定のお客さんに連絡もとってくれたようだ。
結局、1人だけは交通規制がかかる前に、夜行バスで来ることができたそうで予定通り宿泊予定。他のお客さんはキャンセルとなった。バスが動かないので、いくら泊まりにきたいという気持ちがあっても足がない。規制の解除はいつになるかわからない。
泊まるお客さんが1人となると、小屋はスタッフの家となる。つい最近のようだが、小屋開けをしていた2ヶ月前を思い出す。
毎日とは言わず、1週間に一回だけでもこんな日があればいいのにと心底思う。きっとこんな風に暇を皆で楽しめるのは、シーズン中片手で数えるほどだろう。
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