4日目の朝、MさんとAさんは早々に小屋を出発してしまった。車を見送り、ポツン、私1人だけが小屋に残された。ふっと軽くなるような重くなるような、人生で経験したことのない感情がぬるっと心のどこかで芽を出しはじめる。
さ、掃除。やることリストを作った。リスト化して整理してから仕事を進めたほうが、効率が良いことは、これまでの(特にニュージーランドの)山小屋生活で学んだことの一つだ。体を動かす前に頭を使う。
外の天気はイマイチだが、雨は降っていないので風でも通そうか、とりあえず布団を干す。去年のシークレットサンタ(クリスマスプレゼント)にもらったスピーカーで音楽をかけ、掃除を一つ、また一つと終わらせていく。
すると、1人おじちゃんSさんが玄関に立っている。作業着を着た、背筋がピンと伸びたおじちゃんは、私に敬語で丁寧に話してくれる。話を聞くところによると、今私が任されている小屋で管理人をしていたこともあるらしい。今は週に1度、この辺に上がって来る機会があり、私が干している布団を見て営業しているのかと思い、声をかけてくださった。
その後も、もう1人おじちゃんTさんが、ふらふらとやってくる。ここから30分ほど下った場所で清掃の仕事をされているらしい。しばらくお話をさせていただいた。
おじちゃんが去り、夕方になると朝、顔を出した芽が急に大きくなり始めた。急に不安に駆られているのは、外がすっきりしないお天気なのも影響しているのだろう。今この状況に対して寂しい、怖い、と感じているのか、これから1ヶ月間が不安なのか。ここまでくると言葉にするのはどうでも良い。頭よりも先に体が反応してしまっている。ちょっとしたパニック状態だ。
ご飯を作っていると少し落ち着いた。ご飯を食べ、大きなメインの建物の本館から新館へ移動する。掃除が終わるまでは新館で寝泊まりしていいことになっており、私の荷物も全てそこに置いてある。歩いて30秒ほどか、新館ではWi-Fiが繋がらないに等しいので映画をダウンロードして、薄暗くなってきた山の中で映画を見ることにした。
明日になれば、何か変わるだろうか。このまま心細いままだろうか。
【本日会話をした人間の数、2人】

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