【22日目】小屋で過ごす休日

昼まで寝ていようと思いましたが、昨日の夜洗濯したものを乾燥室から取り入れるため、8:00過ぎに起床。そうしないと日中はLシフト、ランドリー担当のスタッフが客室のシーツを干すので、スタッフの私物は取り上げられ隅っこに雑に置かれてしまいます。

洗濯を取り入れ、今日は明日の分の従食、カレーを作ることにしました。天気はすっきりしませんし、明日は見習いcookロビンが休みなので1人で従食を作らなければなりません。

みんなのお母さんエミリー「キッチンに来ちゃダメよ!お休みなんだから、仕事のことは考えちゃダメ。ダメですからね!」みんなの姉貴キャサリン「さやか今日休みでしょ!」

Cooking for funと言い訳し(「それならいいけど、仕事はダメよ!」とエミリー)、玉ねぎを15個ほど切り、ニンニクと生姜をミキサーにかけ、カレーの仕込みを続けます。「プレッシャーを感じながら料理するの嫌でさ、ゆっくり料理したいんだよね」と見習いcookロビンにぼそっと伝えると、わかるわかる、と言ってくれます。

カレーは一晩寝かせた方が良いですし、明日1日大変になるんだろうな、上手く進められるかな、と考えながら雨の中小屋で1日過ごすより、小屋でのんびりカレーを作っていた方が、私のメンタルヘルス的にはベターなのです。今日失敗しても明日何か作ればいいかと思えますし、ダラダラと何か食べながら&飲みながら自分のペースで料理できるのなら、私はハッピーです。

玉ねぎは水分が飛ぶまで強火で炒め、その後はじわじわと弱火で炒めていきます。人参やナスの切れ端、トマト缶、ひよこ豆、ココナッツミルクも入れ、その後は、レシピ通りに料理するのが苦手な人間なので、適当にカレー粉やクローブ、カルダモン、ブラックペッパー、ターメリック、クミンなどなど混ぜてみます。

味見を続けていると、どうしたらいいかわからなくなってきたので、キウイの物静かなアニーを捕まえ、味見させます。「おいしいよ!」不味くはないというひと言を聞いて安心したかっただけかと思います。

その後は、ベッドのシーツを洗濯をし、スタッフルームにいるスタッフとダラダラおしゃべりします。みんなの姉貴キャサリンの話を聞いていると、彼女は愉快なchefケイシーと同じくアイルランド出身なのですが、フランスやスイス、イタリアのハイキングツアーのガイドや、サーフィン、クライミングに関わる仕事を過去にしていたそうです。興味深い!「スイスで仕事したい人いたら、教えてね、紹介するからさ」

今日のシフトを終えた優しいお姉さんブリッジとはコーヒーを飲みながら、休暇で街に降りる時の移動手段や宿泊先について話します。私のweek off1番遅く1ヶ月以上先なのでまだ心配するには早いかもしれませんが、予約の方法などを教えてもらいました。

その後は、ニューイヤーズデイのジャムの話になり、ギターを弾ける彼女がいくつか曲を選んで、ギターに合わせてみんなで歌おう、という企画があるようです。ちょっと練習してみるわ、ということで、小屋にあるギターで何曲かパソコンでコードを調べながら弾いて歌ってくれました。私のお気に入りはミスタービッグ、という話を昨日していたので、to be with youも候補の曲に入れてくれました。ちなみに彼女の昔のお気に入りはモトリークルーだそうです。

いろいろ話していると、話の流れでなぜか私もギターを一緒に弾くことになり、教えてあげるわ!と。楽譜は読めますし、コードもなんとなくわかります。ウクレレも齧ったことがあります。しかし!ギターは初めて。実際に弦を押さえてみると、想像していた以上に強く押さえなければ音が綺麗になりません。ギタリストはこんなことやってんのか!とびっくり。とりあえずこれなら弾けるんじゃないかと最初に教わったのはガンズの曲、Used to love herです。

ん〜、、、。本当に私もジャムに参加しなければならないよでしょうか()。流石に半月の練習で人前で弾けるようになるとは思えません。それどころか、毎日の仕事をこなすので精一杯です。人前で演奏するかは置いといて、ギターはこれから休憩時間や休みの日に弾くには良いリフレッシュになりそうです。

優しいお姉さんブリッジにギターを教わりつつ、この小屋での生活についても少し話しました。1.2週間前から何となく感じ取ってはいましたが、皆、会社そのもののルールにうんざりしており、優しいお姉さんブリッジは「来年戻ってこようとは思わないわ、fuck no」と渋い顔して言っていました。

小屋に来てから3週間ほど経ち、皆と過ごす時間は楽しくなってきましたが、こういう話になると、うーん、私は悲しくなります。消灯前、チリのカタリーナも不満が溜まっているようで、「何がルールさ、皆が幸せだったらいいじゃない。のっぽな山屋ミックも出ていくよ、耐えられないよ、こんなの!」とイライラしている様子。彼女が辞めたいという話は聞いていましたが、彼の話は初耳です。

確かに皆の言うことは分かります。これだけ隔離された環境の中でルールに縛られていれば、それはそれは誰かさんの言う通りprisonでしかありません。私にも、いつくか気に食わない出来事や理解できないルールがあります。しかし、組織にはルールが必要であり、大きな会社であればあるほど、それは厳しくなるものだと思うのです。その対価としてお金が発生し、私たちはコマのひとつになり、ルールに従いながら働くのです。It is what it isです。

私含め、自然の中で働くことを選んだスタッフは、会社や組織、規則、そんな世の中の常識からフリーになりたくて、小屋での仕事/生活を選んできたのだとは思いますが、結局どこに行っても、働くということは同じ、ある程度の縛りは付いてきます。その縛りの中でどこまで楽しめるか、そう考えるしかないと思うのです。フリーになりたいのなら、会社を去るしかありません。

私は4月までみっちり働き、お金さえ受け取ることができれば、満足です。(今日は2回目の給料日でしたが、日本の給料と比較すれば倍近くのお金が入っていました。ありがとう、会社!) そもそも、お金と自由がバランスよく手元に入ってくるとは思っていません。それに、ここでの生活に対して皆が愚痴るほど悪いとは思っていません。だからこそ皆がそういう話をし始めると、悲しくなるのだと思います。

話は変わり、今日は日本人のガイドが2人小屋に来ていました。1人は会うのが4回目、もう1人は3回目です。彼らは5日間のツアーをガイドするので、前回小屋に来たのは5日以上前のはずですが、2.3日前に会ったような気がします。もう5日以上経っているとは驚きです。時間の流れが徐々に速くなってきたのだと思います。

ふぅ、これを書いていると23:00を過ぎてしまいました、寝なければ。また明日から7連勤のスタートです。小さな幸せはその辺に転がっているはず、見過ごさないように、毎日過ごしたいものです。

▲今日の定点観察

 

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