今日はcook、2日目。朝少しでも早くキッチンに行こうと寝る前から自分に言い聞かせていましたが、昨日の仕事終わりの後味が悪く、夢でも仕事をしており眠りが浅く、寝起きがよろしくありません。しかしそこで、もう1人の自分がこう言います。「新しい1日が始まる、今日はきっと良い日になる!」
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結論から言うと、昨日よりも夕食サービスは長くなり、慌ただしい1日となりました。
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朝食サービスはスムーズに済み、朝ごはん休憩もきっかり30分とって、しっかりと朝ごはんを食べました。昼ごはんは仕事に追われて食べるタイミングを逃しますし、夕食はプレッシャーで味覚が鈍くなることに気づいたのです。んなら、朝しっかり食べておかないと、と、もりもり食べます。
お昼過ぎから、天気はどんどん悪くなり、雲は薄く光は入ってくるものの、空の上で誰かが気まぐれに風を操るかのようにビュンビュンとあっちに吹きこっちに吹き、雨も降っています。降っているというか、雨が風に振り回されているように見えます。さらには換気扇越しにパタパタという風の音が激しく聞こえてきます。
こんな天気の中、稜線を歩いているガイドとお客さんは果たして大丈夫なのだろうか。お客さんは稜線にある休憩場所(シェルター)からヘリコプターで次の小屋まで飛んで移動という予定だそうですが、ヘリコプターが飛ぶような空模様ではありません。
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仕込みやスタッフミールの準備もなんとか終わらせ、2時間ほどは休憩時間が確保できたので、ラウンジで刺繍に取り掛かるべく、コーヒーを飲みながら暖炉の火をつけることにします。少し手間取りましたが、ここに来てから暖炉の火をつけられるようになりました(笑)。
(今日のスタッフミールは、そばを野菜と炒めて醤油ベースのタレで味付けをするというネットで見つけた韓国風の(?)そばを作ってみることにしました。その他は、パンプキンサラダ、きゅうりの酢の物。)
M小屋のラウンジは窓が大きく私はとても好きなのですが、その景色を見ながら休憩中のブリッジとおしゃべり。ブリッジはシャワーを浴びるということで部屋に戻り、私は刺繍の図案を布に描き始めます。
するとマネジャーのリンが私のところへてくてくとやってきました。「昨日泊まったお客さんだけど、今稜線上のシェルターにいて、天気が悪いから足止め中みたい。今のところ4パターン考えられて、天気の回復を待ってヘリでシェルターから次のF小屋へ移動、別のヘリが着陸できる場所まで移動してそこからヘリで次のF小屋へ移動、M小屋まで戻ってきてヘリでF小屋に移動、M小屋に戻ってきて宿泊(=つまり昨日今日2泊するということ)。2、3時間以内にはどうなるか決まるはずだけど、最悪の場合に備えて、夕食サービスの準備をしてほしい」
最悪の場合とは、4パターン目の私たちの小屋に戻ってきてもう1泊するということです。
このようにお客さんが引き返してきてM小屋に2泊するというのは、今回で3回目。今日は良い1日になるって、朝誰かが言ってたのに、、、。と思いながら刺繍道具を部屋に戻し、休憩を切り上げてキッチンへ戻ります。
ステーキに添えるじゃがいもや人参の数を数えなおし、肉を新たに解凍させ、24人の予定だった夕食にプラスして昨日のお客さん24人分の準備を進めます。
最悪のパターンに備えて仕込みをしているとリン、「もう一泊すること、確定。」外は相変わらず、そりゃそうだよなというお天気。
夕食のサービスは2回に分けて行われ、2回目のグループが終わったのは21:00過ぎてから。片付けをしているとあっという間に21:30。勤務時間はスマホのアプリ内から打ち込むことになっていますが、なんと12時間働いた1日となりました。
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こんなに長い時間働いていると日本の山小屋であれば少なからずイライラと怒りを感じたり、気分が荒立ってしまうことがあります。しかし今日は勤務時間は長いですが、イライラを感じることはありません。もちろん頭を使って疲れる、体力的に疲れるというのはあります。同じように長く働いていてもストレスの種類が違うのはなぜでしょうか。
すぐに思い浮かぶのは、対価としてそれなりの給料が発生している事が考えられます。なんだ、金かよと突っ込みたくなりますが、日本の山小屋の日給と比べると2.5倍受け取っています。いくら貰えれば自分の納得ラインを超えるのでしょうか。そんなことすら考えてしまいます。
他の理由は、なんでしょうか、、、。スタッフ同士のいざこざがない(というと語弊が少しありますが)ということも考えられます。それぞれの仕事の役割が明確なため、いざこざが生まれにくかったり、変に気を使い合うことがないのかもしれません。
それから、イレギュラーな事が起きた場合、マネジャーがスタッフそれぞれの仕事の割り振りを再度指示し、仕事を終えた後はproud of youとかyou did a great job todayとか、嘘でもお世辞でもなく、はっきりと伝えてくれる、というのも、理由の一つでしょう。私だけでなく全員の仕事がスムーズに進んでいるか、体調はどうか、とこまめに確認してくれます。マネジャーとしてのリン、小屋で働くのは2年目ですし私より年下なのですが、落ち着き具合、振る舞い、気の配り方、尊敬します。年数や年齢って関係ないです。
あとは、幸いにも今週の小屋のメンバー、今日のガイドたちの中に、予想外の出来事が起きた場合にパニックになる人がいないのも大きいです。時々いるじゃぁないですか、たいしたことでもないのに騒ぎ立てたりしかめっつらになったり、急に怒りっぽくなったりする人。今いるメンバーは、まず行動を取る前に、時間をかけてでも何が求められているのか先に頭を使って考え、それから物事に取り掛かっているように感じます。
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今日も長々と書いていると23:00過ぎてしまいました。明日はきっと良い1日に、、、なるでしょうか。2週間連勤うち11日間はcookシフトと修行のようではありますが、時間に限りがあることを改めて感じる今日この頃。この1シーズン乗り越えれば、更に自分に自信が持てるはず、、、。

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