42日目 リリーとD Passへ

今日はRDO。リリーとD Passへ行く日です。本当は、デイジーも一緒に来る予定でしたが、隣の小屋から戻ってくるというお客さんがおり、デイジーが迎えにくることになりました。ツアーに参加するお客さんは、もうこれ以上進めない、体力に限界がある、調子か悪い、などの理由で、先に進まずに歩いて(状況によってはヘリで)戻ることができるのです。

仕事をしているスタッフは迎えに行くことができないので、休みのスタッフが行くことが多く、休みのスタッフが行った場合は給料が発生します。昨日デイジーと話し合い、私がリリーとD Passへ行き、デイジーがお客さんを迎えに行くことになりました。

リリーと私は7:30出発ということで7:00頃からスタッフルームで朝ごはんを食べ、昼ごはん用にマフィンを焼きジャムを塗って準備をします。ちょうど出発前のガイドもスタッフルームでご飯を食べる時間で「I am so excited for you guys」「Have a nice one」と皆に声をかけてもらいます。

ブリッジは今日の夕方のボートで小屋を出てweek off。彼女が帰ってくる時には私はweek off、すれ違いになるので2週間会わないことになります。お互い楽しんでねとハグをしてお別れ。ブリッジがいないと寂しくなります、、、。

出発前、私のメガネが見つからず時間が押してしまい8:00前に小屋を出発。メガネは見つからず・・・。天気は前回と同じように曇り。D Pass方面は雲をすっぽり被って何も見えません。が、前回と同じく晴れる予報で気温も上がるとのこと。今日もあの景色が観れると思うと楽しみです。リリーは今日も朝から、あ〜楽しみ楽しみ!と言っています。「さやかの水筒も見つけなきゃね、今日のミッション〜〜」

▲小屋から30分ほどで渡渉ポイントに到着

小屋の裏からD Pass方面に向かって歩くのは7回目。しかし、実際Passまで行ったことはありません(去年、一度だけメグと山頂まで行きましたがPassではありません)。毎回森林限界あたりで引き返しています。それでも、小屋にいる誰よりも私が1番登っています。

回数を重ねるごとに森歩きに慣れるどころか、今回も迷いながら上に上に上がります。迷うと大抵戻れなかったらどうしようと不安になると思うのですが、迷う回数が増えるごとに、不安を感じなくなってしまいました((これは良いことではありません!))。特に今回は、YAMAPのようなニュージーランドで使えるアプリをダウンロードしていてGPSで現在地がわかるので、軌道修正がすぐにできます。それに、何となーくですが、この方向の森の雰囲気はいつもと違う、と勘も働くようになってきました。迷いやすい場所も何箇所か把握しており、今回は騙されんぞと注意しながら歩きます(それでも迷うんですが、、、)。

歩き始めて1時間くらいでしょうか、前回デイジーときた時に最後に水を飲んだ場所に到着します。「この辺で水筒を無くしたはず!あの倒木をよじ登る時に落としたかも、ちょっと待ってて!」と、リリーに声をかけます。その倒木は跨ぐことはできず、よじ登らなければならないような大きな大きな倒木です。ずるっと滑りながらよじ登ったこの倒木、ここで水筒を落としたに違いありません。水筒を探すために倒木にしがみついて覗き込むと、やっぱりありました!!しかし、届きそうにありませんしまた前回のように滑るのが怖く(笑)、リリーに取ってもらいます。

その後はおしゃべりしながら、時には黙々と、登っていきます。4日ぶりに歩きますが、やっぱり飽きることはありません。登山道が整備されてないからでしょう、、、。

歩き始めて2時間半近く経ったところで、森林限界にでます。

のろのろと歩く私とは違い、すいすいっと登っていくリリーが先に到着し、見上げるとリリーが微笑んでいます。メガネがないので、はっきり顔は見えませんがそんな雰囲気です(笑)。「Sillyに聞こえるけどね、こういうの見ちゃうと泣いちゃうんだ。」と言いながら、嬉しくて泣いているリリー。こちらまで泣きそうになっちゃいます。毎回違う人と来ているので、同じ場所を歩いても毎回違う気持ちでここに立つことができます。

森林限界を出た後はさらに30分ほど上り続け、地面が湿ってない場所を探し、昼ごはん休憩です。リリーは幸せだ、幸せだ、来て良かった、幸せだを連発しています。今日も湖は青く、深く、山々は雪を少しだけ残し、小屋は小さくちょこんと川を目の前に建っています。今日も来てよかった、それにつきます。

昼ごはんを食べた後は、D Passへ向かって歩きます。

トラバースが続き、ザレ場や岩場、チョロチョロと流れる水で足場が悪い場所が続きます。2箇所ほど嫌らしい箇所があり、私は引き返したい気持ちでいっぱい。しかも生理痛で気分が悪くなってきました。

「リリー、私ここで待っててもいいかな」「さやかをおいては行かないよ、それなら私も戻りたい。ちょっと休んでから考えよう。ここで座って休憩しよう」

弱気な私を励ましてくれ、ゆっくりゆっくり進みながら、D Passに到着したのは13:00前。Passからの景色は思ったより、、、あれれ!という感じでしたが、やっとここまでこれたことで達成感を覚えます。諦めずにここまでこれて良かった。でも、D Passまで来ることはないでしょう。トラバース嫌いな私は、それより手前の景色で十分満足ですし、その方が角度的に湖も小屋も川も見渡せて、好きです。

▲Passまでの途中にあったケルン

▲D Passから小屋方面

▲反対側の景色

帰りは2人ともほとんど無言で下山。足元に気を遣いながら歩き続けます。疲れで足がもたもたしますが、ここで転けたら笑えません。無事に小山で戻らなければ。

小屋に着いてリリーと2人であそこまで行ったんだ、と再確認しながら山を見上げます。たった4時間前にあの場所にいたとは、到底思えません。2人で信じられないねと言いながら部屋の方へ向かいます。すると、手を振っているアレックスとジェン。「どうだった?」「水筒見つけました!」「めっちゃ綺麗だった〜、幸せ」

スタッフミールの時間より前に帰ってくることができたので、皆と一緒にご飯を食べます。昨日week offから帰ってきたジェイミーとアリスも興味津々で、D Passどうだった?と。写真を見せながら話をします。その後ガイドも夕食を食べに部屋にやってきます。ガイドの1人は「また行ったんだね!D Passクイーンだね」と。私=D Passばかり行く人、D Passガイド、とガイドの間では噂が広まってしまっています。ガイド、とは語弊があります、、、。今回も何度も迷いましたし、リリーに助けてもらいながら、ひぃひぃ後ろをついて行きましたので。足を運んだ回数が誰よりも多いだけです。

夕食後は、スタッフルームでダラダラと過ごし皆とおしゃべりしながらハーブティーを飲みます。メグとエリック、アレックスは、クリスマスまでno sugarチャレンジをしており、今日が2日目。cookが作るデザートはもちろん、小屋にあるお菓子やお客さんに出しているジュース、ビールなどを禁止するということです。エリックは2日目にして、結構キツそうです。毎日甘いものをたくさん食べていた彼、急に抑えるのは難しいでしょう。頭を抱えています。

3人がno sugarチャレンジをしていますし、甘いものを毎日毎日作る必要はないのではと思い、昨日だったか、一昨日だったか、ちらりとティナに声をかけたのですが、almost逆ギレ状態でした。聞いてくれそうにありませんので、私から「デザート毎日作るのはやめよう」とは二度と言いません!!!他のスタッフが、最初の数週間は嬉しそうに食べていた毎日のデザート。最近は手を伸ばす人が少なくなってきたことに、あまり気付いでないようです。ティナが作りたいなら作れば良いですし、私は作る気はないので作りません、、、。時間に余裕があり私が食べたいなという時にクッキーを焼くくらいです。

やれやれ、今日も文句で締めくくることになってしまいました。明日からはECシフトが続きます。ひっさしぶりに、昼前まで寝ることができます。ギリギリまで寝てやろうと思います!!!

▲定点観察

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