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山小屋生活 in NZ ③を終えて

3度目のニュージーランドの山小屋生活を終えて早くも3ヶ月近くが経とうとしています。すっかり過去の話になってしまって、日本でぬくぬくゆるゆる過ごす毎日です。これ以上時間が経ってしまうと、記憶が“美化された思い出”に変わってしまいそうなので、今回のシーズンでの気づきを書いてみたいと思います。山小屋日記に毎日のことを書いているときは、日々の仕事に精一杯で周りが見えていませんでしたが、今一歩二歩引いて、あの時間のことを振り返ると、感情的にならずに文章にできる気がします。多分。

3度目の山小屋生活でニュージーランドがさらに好きになる

2025年10月の終わりから2026年4月の頭まで、3シーズン目となる山小屋生活を送りました。場所はニュージーランドの南島。とあるトラックにある湖が目の前の山小屋です。2シーズン目の休みに訪れて、ここで働けたら幸せだろうなと思っていたら、3シーズン目、運よくそこに配属してもらえることができたのです。

ここでは、15日間連続で勤務し、7日間の休みといったルーティーンで6ヶ月間を過ごしました。1ヶ月に1、2回は強制的に山の外に放り出されることになるので、町での生活が好きであろうと嫌いであろうと、1週間分の荷物を持って皆がよく言う“real world”で寝泊まりする場所を探して、“普通”の生活を送らなければなりません。

それに比べ、1シーズン目は6ヶ月の間に2回、2シーズン目は4回しか外に出る機会がなく、ほとんどを山の中で過ごしました。

町での生活をする時間が長かったからか、3シーズン目となりニュージーランドで過ごす時間が蓄積されてきたからか、この半年間でニュージーランドがさらに好きになりました。好きというか、ニュージーランドの良さがもっと感じられるようになった、といった方が良いでしょうか。日本とニュージーランドを行ったり来たりして、私の中でのニュージーランドに対する解像度がじわじわと上がってきているような感じ。2024年に3ヶ月間、トルコやエジプト、モロッコを旅行したのも、関係しているかもしれません。比較対象が増えることで見えるものも増えてきます。

ニュージーランドの何がどう良いのかと言われると、スラスラ言葉にするにはまだ自分の中で消化できていません。今の私なりに文字に起こしてみると、1つ目に人々の物事に対する力の入れ方。2つ目に朝型生活。3つ目に自然と人との距離。人と人との距離。

力の入れ方と言うのは、無駄に頑張りすぎる人はおらず、だからといってゆるすぎもしない。もちろん個人差はあると思います。それでも私がニュージーランドで関わる人たちの力み方というか、物事に対する捉え方とか熱量が、心地よいように思います。

2つ目の朝型の生活と言うのは文字通り。これも場所によりけりかもしれませんが、全体的に朝型なニュージーランド。6時台から賑わうカフェ。昼過ぎには閉まってしまうお店も多々。夜は田舎に行けば20時くらいになれば閉店ガラガラ。そのくらいの時間から活気が溢れ出すモロッコのメディナとは対照的。夜型人間な私ですが、ニュージーランドの朝型な生活も、いいな・・・と思うようになってきました。太陽と共に生活する。体内時計をリセットするにはニュージーランドの生活は持ってこいです。

3つ目は、自然との距離、人と人との距離。距離の取り方が日本や今まで私が行った国と違います。国や地域、文化、民族によって異なるのでしょうが、ニュージーランドで感じる距離感がゆっくりとわかってきた気がします。それが心地よい。これに限らず、ここに挙げたこと全てにおいて日本を否定したり悪く言うつもりはさらさらありません。ニュージーランドの雰囲気が掴めてきて、そういう捉え方もあるんだと気づき、それが心地良いと言う話。

数日間旅行しただけでは気づくことのできない、感覚的なニュージーランドの良さがじわりじわりとわかってきた3シーズン目。同時に日本に帰ってくると日本の良さもクリスタルクリアに!見えてくるようになりました。この感覚のアップデートは、もうしばらく続けたいです。一つの場所に居続けると鈍感になりそうな自分が怖いです。

時間を雑に扱わないこと

何度も書きますが、今回の山小屋生活は、15日働いて7日休む生活の繰り返し。しかもシーズン始めは毎回休みごとに部屋を移動しなければなりませんでした(シーズン後半は同じ部屋を使わせてもらうことができました)。15日間働く間は休みはなし。毎日の休憩時間も数時間のみ。

時間が有限だと言うこと、当たり前ですが、この事実を突きつけられた6ヶ月間でした。こんなにも、もっと大事に時間を扱おうと感じたのは人生で初めてだと思います。特に会社を辞めてからは、組織の中にいないこともあり時間を気にしながらカチカチと動くのが嫌な人間なので、いつかやればいっか、そう思うことが多々。1週間とか1ヶ月とかいう時間の捉え方をなるべくしないようにしていました。ただただ目の前を流れていく川の水と同じように時間も流れていくもの。

そんな私は、入山してから「たったの15日間しかこの部屋にいないし、汚くてもいっか」「6ヶ月もいるんだから、散歩するのはまた今度」そんな風に考えていました。ですが、15日間のうち11日連続で1人っきりで40人分のお客さんの料理プラス8−10人分のスタッフミールを毎日計画的にこなしていくことで、日々の仕事をきっちりリスト化するようになったり、予定が立てるのが好きなブリッジと一緒に山での生活を送ったり、ウィークオフの予定を一緒に立てることで、「たったの15日間かもしれないけど、自分がくつろげるようにきちんと部屋を作ろう」「6ヶ月っていう時間はあっという間。今回の15日間ではこれをできるようになろう、次の休みはこれをしよう」と時間の流れに乗ること、流れに任せ過ぎず流れをある程度自分でコントロールすることを覚えました。

この感覚を得ることができたのは、自分の中でかなり大きいです。めちゃくちゃでかい。この環境でcookという役職に就く機会がなければ、延々と川の流れに身を任せていたと思います。身を任せる自分と、流れを大切にする自分、両方持つこと、それを学ぶことができた3シーズン目、本当にありがとうと思います。

もちろん一緒に働く周りの人間からの影響も多々ありました。ブリッジはもちろん、川に流されるのではなく流れに乗っている人を自分の身の回りに置くと、私も乗ってみよっかな、そんな気持ちになりました。流れにうまく乗っている人をみると、本当に楽しそうだなとオーラから感じますし、一緒にいてポジティブになれます。

そもそもの概念が違うこと

これは主に働き方に関しての話です。これは1シーズン目、2シーズン目で既に学んだものと思っていましたが、今回は初めてフランス人と一緒に働いたからか?!、私の固定概念がグッシャグシャにされました。日本でも海外でも山小屋という環境で働いていると、本当にいろんな人がいるなあと、私の当たり前を毎回覆されます。それだけ他人と過ごす時間が長く、濃いということです。もうこれ以上覆されることないはずと心のどこかで思っていましたが、今回もえーっ!!!!!ということが何度も起きました。

当たり前が当たり前であることに気づいていない自分を深く知ることができた、そんな感じです。

こうすべきだろう、こうしたら良いのに、他人に対しての意見や文句、考えは、私が日本で培ってきた当たり前という見えない前提があってこそ。私自身も私の奥深くに当たり前という私の固定概念があることに気づいていないから厄介。「なんであの人はきちんと働かないんだろう?」働くことに対する考え方がそもそも違うので、なぜの問いをする前に、相手にとって働くとは何なのか理解する必要があります。いやぁ、人間同士分かりあうってそう簡単じゃないです。多分、不可能に限りなく近い。分かり合えていると感じたら、それは一方的な話。この辺に関してはかなり悲観的な私・・・。この辺にしておきます。

英語

自分の英語はシーズン毎に磨かれているんだろうか、とことある毎に自問自答しています。どうなんだろう、これ以上伸ばしていくには、自分がどこまで英語を伸ばしたいのか目標を明確にする必要がある気がする・・・。毎回いい感じに言葉が出てくるようになったという時に半年の山小屋生活を終えて日本に帰るタイミングが来てしまっています。

今回の一緒に働いたメンバーは、第二言語で英語を話している人、母語が英語の人が半々。特に前者は皆私よりも語彙力もリスニング力も高く、すらすら話せていて、本当に勉強になりました。

英語の話からは少しそれますが、英語力うんぬんの前に、この人とは話が合うな、波長が合うな、一緒にいて楽しな、笑うツボが同じだなって、言葉を対して介さずとも感じることってあるじゃないですか。今回のシーズンでも素敵な出会いがたくさんありました。特にセシアとクララは今後会う機会はないかもしれませんが、私の中で大切な存在です。そんな人たちに出会い、自分が心地良いと思える環境で英語を使える、勉強することができる、本当に感謝感謝です。

 

以上3シーズン目を終えて、いくつか自分の中での大きな気づきを書いてみました。

嬉しいことに、ニュージーランドでの山小屋生活に興味があると、お問い合わせをいただくことが増えました。いただくお問い合わせの内容はいつも似ていて、よくある質問集でも作ろうかな、なんて考えた時期もありましたが、すみません、まとめ記事的なものは作るつもりはないので、もしこのブログを読んで気になること、質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。毎回回答はコピペしてません(笑)。その人に合わせて答えているつもりです。私も初めて日本の山小屋で働いてみようかなと考えた時は、何人かにインスタのDMを送りつけましたし、不安はたくさんありました。同じような気持ちを抱えたことがあります。今となって思うのは、迷うならやってみるに越したことない。Trying doesn’t cost anything. です。それに気づいたのは、自分が不安ながらも飛び込んでみたからです。メッセージ送る前にできることなら山小屋日記を読んでもらえれば不安や疑問がいくつかは解消されるかもしれませんが、記事数も増えてきたので、全部読んでくれ、という気もありません。同時に、何も知らずに飛び込んでみるのも面白いんじゃないか?とも思います。

さてさてこの辺にしておきます。最後まで読んでくださった方へ感謝。

 

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