16日目 文化の違い

今日はお休み。遊びに来てくれているメグと1日を過ごした。

コーヒーを飲みながら、先輩が出してくれたデザートを食べながら、軽い散歩をしながら、ビールを飲みながら、ワインを飲みながら、煎餅を食べながら。

延々と話した。

彼女と一緒に初めて長い時間を過ごしたのは、お互い働いていたニュージーランドの山小屋から裏のD Passへデイハイクをした時だ。あのときは何度も道迷いし、森林限界を超えても雲の中だった。喋り続けることなく、黙々と一緒に登った記憶。往復ともに道があるようでない森の中を歩き、体力を消耗する上、私自身、ペラペラとオープンに自分のことを話す余裕も英語力もなかっな気がする。

あれから2年半経ち、私は2シーズンをニュージーランドの森で過ごし、そして今再び日本の山小屋にいる。彼女は、日本で1シーズン冬のスキーリゾートで働いた。私たち2人とも、ニュージーランドと日本で働き、それぞれの良さや問題点、違いが分かって、それを共有できるということだ。

何度もこのブログには似たようなことを書いている気はするが、日本では空気を読みながら仕事をするし、ニュージーランドでは仕事内容がきっちり分けられ各々が何をするのか明確にした上で時間が流れていく。

日本からニュージーランドに行ってすぐは、秒単位で(言い過ぎか、1時間単位で)それぞれのシフトの動きがはっきり決まっているものだから、幼稚園生でもないのにここまで指示されなくてもいいだろう、と思っていた。

しかし今は、細かな仕事が誰の仕事なのか、いつなされるべきなのかと明確にされている方が、お互いやりやすいし、個々が責任を持ってひとつひとつのto doをこなせる気がする。

その感覚が残っている私には、”日本の山小屋の普通”が、ストレスに感じることが、多々ある。ただ、その”普通”があるおかげで、成り立っている部分も大いにある。だから、「今日からニュージーランド方式で働こう!!」なんて簡単に言えない気もする。

この日本での普通はメグにとって”unorganized “だと何度も口にしていた。空気を読みながら仕事をすることは、その文化がない人からすれば”unorganized ”に見えるということ。もし働くスタッフが皆始業から終業までどういう流れで働き、何をしなければいけないのか分かっていれば、仕事は楽になるしマネージャーたちも働き通さなくていい。マネージャーが働きすぎればストレスは溜まり、その下で働く私たちにも影響する、と。

いやはや、そうだよなぁ。これは面白い違いであり、海外の人からすればきっと理解が難しく、日本人にとっては当たり前過ぎて気付くことすら難しいのかもなぁ、と思ったり。

他にもいろいろ話したが、もうひとつ書き残すのならば、日本の従業員部屋の環境が悪いという話。これに関しては、心身ともに健康に働き続けるには、日本はニュージーランドなり、他の国々を真似るべきだと思う。従業員のプライベートスペースは確保されるべきだ。

何をするにしても新しい環境に飛び込んですぐは、目の前のことに頭がいっぱいで、どうしようと1人で考え過ぎてしまうが、今日はメグと一歩引いて、ニュージーランドと日本の違いを話すことができて本当によかった。今の私に必要な物の見方だったと思う。

そして何よりも彼女はいつもポジティブ。明るく太陽のようなエネルギーを放っている。日本の温泉にすっかりハマったこと、日本のお菓子が大好きだということ、5日後ニュージーランドに戻り冬を過ごして半年後には日本にまた戻ってきたいと思っていること、いろいろと話してくれた。

昨日のブログにも書いたか、人に会うのが億劫になったり、一人で籠ったりと、人との関わりを持ちたくないと思ってしまう私だが、こうやって友達と話すことは私の視野と心を広げ、精神衛生上必要不可欠だと改めて感じた。とはいっても一人で籠るのが好きなんだよなぁ。

さてさて。植物観察も、ちらっとしたので、載せておく。

ヤマエンゴサクの蕾たち。

これはなんだろうかと思っていた赤い葉っぱ。今日夕方1人で地面に吸われそうになりながら観察していると、答えがわかりました。ヤマシャクヤクの芽。なんだぁ、図鑑がなくてもググらなくても、花たちそのものが答えをくれることがあるんだなぁと1人でしばらく嬉しくて芽を眺めていました。

増えてきたニリンソウのピンク色の蕾。

形も名前も面白いコチャルメルソウ。

【小屋から望む前穂】

【化粧柳と前穂】

【梓川と大天井】

【大天井岳】

それにしても、私ともう1人のスタッフを除いては、皆咳、鼻水、くしゃみなど何かしら症状が出ている。風邪が流行ってしまった小屋の中。ゴールデンウィークが早く終わってほしい。

 

 

 

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