朝9時、ホステルの受付のお兄さんに鍵を返して、オフィスへ。入山・下山時はヘリ移動なので、体重と荷物の重さを測り、(※お休みの間の外食続きで体重が増加していないことを確認済)バンに乗り込みます。こんな頻繁に体重を測るのは人生でも初めてかもしれません。2週間おきにやってくる休みの度、服と靴を履いた状態で測っています。
バンでの移動は1時間ほど。私の体調と運転手によっては車酔いしてしまうようなカーブの多い道が続きます。今回は幸いにもスピードが遅い車が常に前にいたため、運転手はブイブイ飛ばすことができず、私は酔うことなく無事到着。

▲パドックから見える山々の雪はほとんど溶けました
パドックでは今回も数時間待たされ、13時を過ぎてからヘリコプターに乗り込みます。天気やリサプライの都合によっては私たちスタッフのトランスファーが前後する可能性があり、どうなっても良いよう、わたしたちは11時前からパドックで待機。しかし毎回毎回2、3時間待つだなんて時間の無駄のような気がします。なんせ、パドックにトイレがないのが私的にマイナスポイント。隣のF小屋のシェフなんかは「毎回待たされるのは本当に理解できない。仕事よりもこれが疲れる」と真剣に訴えています。彼は聞くところによるとレストランでのシェフ歴は長く、5つ星レストランのヘッドシェフだったということもあり小屋内では彼のスタンダードに合わせていくのが大変だそうです。彼からすると他のスタッフが”怠けていること”に不満を感じており、彼と彼以外のスタッフ間で仕事への熱量、向き合い方が違うのが耳に入ってくる噂話から読み取れます。また、彼の指示の仕方、発する雰囲気も悪いようで小屋の中のスタッフだけでなくガイドも困っているとのこと。

ヘリでの移動は、いつもとは違う短めのルートでした。今回は初めて興奮しすぎずに冷静な気持ちで乗れた気がします(笑)。毎回感情が揺さぶられて涙ほろり状態だったり、仕事頑張るぞ!と異常に気合が入ったりしていましたが、今回はかなり落ち着いていた自分。とはいえ楽しくって仕方ないです。写真を撮り、目にも焼き付け、頭の中でこの辺りの地図を思い浮かべます。


小屋に到着するなり、入れ替わりでヘリコプターに乗り込むのはカップルのルイとエリー、リリーフマネジャーのセシア。
小屋についてからは荷解きに洗濯屋をし、テーブルの上に溢れるフルーツを食べ、シェリーやリン、オリビアとおしゃべり。ウィークオフ中のお互いの報告会やゴシップ話を共有します。リン「私の予想ではF小屋のシェフはあと数週間も持たないね。辞めるんじゃないかな」隣の小屋ではそこそこの問題のようです。
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ここからは、最近私が考えていることの一つを書いてみます。
この小屋に来て、2週間働1週間休むというサイクルは私にとって、すごく大きな影響を与えている気がします。それが良いのか悪いのかは分かりませんが、今後プラスに働く気がしています。
どう影響していうと、時間の捉え方に変化が起きていること、その変化により時間を細分化するようになったこと。
時間にルーズな私は、なんなら時計を見ずに生活したい人間です。時間を無駄にしたくないなんて思いませんし、明日はこれとそれとあれをしようとか、細かく予定を決めるのもしたくない。1週間2週間、1ヶ月、1年とかいう単位で何かを成し遂げるとか、時間を区切って目標を立てるなんてことも、仕事じゃない限り、これといって欲はありません。予定がなければないほどダラけることができるので、私は幸せを感じます。
と、私は自分のことをそう思っていました。しかし、ここM小屋で2週間働き1週間休むという生活をしていると、これから半年に8回やってくる1週間の休みの貴重さ、15連勤のうち4日間だけcookではないイージーなattendantシフトができる時間のありがたさ、cookをする11日間の日々の仕事のこなし方、1日1日無駄にできません。今私に時間があることがありがたい。頭の中では当たり前のように以前からわかっていたと思いますが、今は頭と心と身体と感覚、全てで時間の貴重さを感じます。そして、時間と向き合って「この2週間でこれをやるんだ!」「この1週間のお休みでこれをするんだ!」と決め実行することで、自分が時間という乗り物に乗って前に進んでいる感覚さえ感じます。そして、今まで求めてこなかったこの感覚、悪くないなとさえ思います。
ゆるゆる引きこもって過ごしていた自分が歩くスピードだとすると、日本の山小屋にいる間は自転車、漕ぐのに必死。今の自分は新幹線、漕がずに座ってるだけですんごいスピードで進んでいます。
この感覚が掴めたこと、嬉しくはありますが、やっぱりダラける方が好きだなぁというのも本音。帰ったら好きなだけダラけたい。ダラけなくとも、時間に追われず絵を描いたり刺繍をしていたい、、、。
うーん、時間の話、言語化が難しいです。話の終点をどこにもっていけばいいのかわからなくなってきたので、中途半端ですが、ここで終わりとします。
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今シーズンの山小屋日記は自分の内面的なことばかり書いている気がします。それでも読みに来てくださる方がいらっしゃることに感謝、感謝。誰かに読んでほしいという気持ちはブログを始めたときに比べると随分となくなりました。誰かの役に立てたらなとか、もう思ってません(笑)。自分の心の整理としてとても良いですし、書きたいから書いている、だからこそゆるゆる続いているんだと思います。どんな方が読んでくださってるのかは常に興味があるのでコメント残していただけると嬉しいです。
あー、今日も長くなった。それでは。

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