小屋入りから10日が経ち、今日、小屋の営業が開始した。既に1か月くらい小屋にいるような、つい昨日小屋入りしたような。
小屋の中では5つのシフトに分かれており、ざっくり説明すると、うち2つのA、B番は厨房、もうふたつのC、D番は受付、最後のひとつE番はそれぞれのサポートに回る何でも屋さん、といった具合。E番の具体的な仕事といえば、外来昼食と翌日の朝食弁当、それから自分たちの従食を作り、それ以外は日によって厨房、受付それぞれの掃除や仕事が円滑に進むよう動く。
私はこれから1か月のほとんどが、E、もしくはAとB。以前働いていた時から、細かな部分が変わっているので、私はしばらく厨房で仕事を思い出し、覚え直しながら働くことになりそうだ。そして、従食。
そう、今日も従食を1人で作った。昨日は試食会だったので皆でお客さんに出す食事を食べたが、それ以外はほぼ毎日使っている気がする。今日はトマトとサーモンのサラダ、じゃがいもとベーコンのスープ、ふきのとう、舞茸の甘辛豚肉巻き。
*
過去に働いていた時のことを思い出しながらとはいえ、2シーズンのニュージーランド山小屋生活で私の中の記憶が上書きされている上、皆で協力しながら空気を読みつつ仕事をすることになるので、それなりに気を使う。仕事がはっきりくっきり分担されているわけではない。皆で協力し声を掛け合いながらやる。これは日本人だからできるし日本人にしかできないことな気がする。どっちが正解とかではなく、このやり方で小屋が成り立つ日本は、やっぱりすごいなと思う。
休憩時間もニュージーランドのように、シフト上、半日休みとか4、5時間の中抜けはない。特に今は皆で確認しながら、教えながらやるので時間はどうしてもかかってしまうので、休憩時間は細切れ。
となると、絵を描いたり刺繍したりとか言う暇は、さらさらない。30分でも休み時間が取れるのなら、外に出て植物観察。定点観察。絵も刺繍も手が鈍ってしまうのは怖いが、今は仕方ない。
*
今日は昨日よりひやっと寒く、風もある中、さささっと植物観察をした。
まずはユキザサ。多分これはユキザサ。雪のような花が咲き葉はササのような姿ということだ。木の根元に密集している。猿はこれが美味しいと知っているようだ。
次はヤマエンゴサクと似ているこちら。葉の形がそれとは違うので、別の植物なのか、はたまた同じなのか、私の中で何度も問い続けている。大きくなるまで答えはお預けだ。
そして、トリカブト。昨日も載せたが、見つけると可愛くて、撮ってしまう。
こちらも何度も載せている、何だかわからないもの。どの株も葉を開いて、大きくなってきた。
小屋の前にわんさか咲く、カラマツソウ。彼らは比較的背が高く、いつだったか、これから数ヶ月後に咲くはずだ。いや、もう少し早かったか。もうこんな時期から芽を出しているのか、知らなかった。
それから、ヤマシャクヤク。数日前までなかった気がするこの芽たち。いつ出てきたのだろうか、今日見た時には10cmを超える高さで、地上からぐんぐんと太陽に向かって伸びていた。
何度もしつこいが、私が何の花なのか気になっているこの子。今日も、わからない。
最後に、すみれ。今日は10を超える株がひらひらと咲いていた。ちょっと待ってくれ、花の姿はなく雪が残るしんとした森の中を楽しませてくれ、、、と思う。
ではでは、定点観察を。
【小屋から望む前穂】
【前穂と化粧柳】
【梓川と大天井】
【大天井岳】
昨日のパキッとした青い空から一転、春を感じさせる雲に優しくどこか冷たい青い空だった。明日はどんな空だろうか。
*
今日の散歩中にふと、私のお絵描き休憩スポットを見てみると、川の流れが変わって、もう行けなくなっていました。あそこでぶよのような虫に噛まれながらも絵を描いたり、音楽を聴きながらぼーっとしたりするのが好きだったのに、残念。今年は今年のスポットを見つけようかと思います。
COMMENT