久しぶりの日記になってしまった。休みの日に書くというルーティーンを守れずに、気づけば10月。2026年もあと3か月、ここでの生活もあと1か月半を切った。
この数週間、休みの日に町に降りてみたり、往復5時間の散歩をしてみたり。稜線や山頂に上がる気力はなく、散歩である。それでも小屋から少し足を延ばせば、小屋の窓から外を眺めるよりも季節が移り変わっているのがよくわかる。風が吹いた時に落ちる葉の数は、日に日に多くなっているし、空気も冷たい。
ここ数日は朝晩だいぶん冷えるようになり、3日前だったか、小屋のラウンジにある暖炉に火が付いた。世話人は、支配人である。皆が長袖を着てぬくぬくと暖炉の前に集まってくる一方、支配人は半袖を着て汗を額にきらりと輝かせながら、火が消えてしまわないように、せっせと薪を積み重ねる。暖炉の前はお客さんの特等席なので、私は自分の部屋に休憩時間は引きこもり、窓から漂う薪が灰になっていく香りを楽しむ。
今シーズンは、何度も書くが、やっぱり引きこもり状態が続いている。もともとインドア派、内向的な性格の私は(というと、そんなことないだろうと突っ込まれる気もする)、外に出かけたり、誰かと話したりすることに必要性をあまり感じていないので、休みの日は必要最低限の会話を交わし、部屋にこもったり食堂で絵をかいたりしている。
しかし、それではさすがに精神的によくないと思い始め、シルバーウィーク中に松本へ向かった。映画を見て、誰かの作ったご飯を食べ、バスに乗り移動範囲を広げてみる。お財布からカードを出して、お金を出して、何かを買ってみる。
こういうなんともない日常の行動一つ一つが、山小屋にいると新鮮になり、新鮮な行動を一つ二つやってみることで、自分がリセットされていく。
そうそう、最近ふと思ったことがある。一人で山小屋生活をするのと、8人のスタッフで毎日30~40人以上のお客様を迎えるような山小屋生活をするのとでは、何が違うのだろうと考えた。もちろん違いはいくつもあるだろうが、一つは、一人で生活していると一瞬一瞬の判断が、全て自分自身の意思でしか下されない。一方、一人ではなく周りに人がいる状態で生活していると、一瞬一瞬の判断に他人の何気ない一言や時には優しい、厳しい、冷たい、暖かい意見が影響してくる。一人の時間が長ければ長いほど、自分の頭の中で考えは煮詰まってしまいやすい。自分以外の存在が周りにあれば、自分で決断を下したと思ってはいても、実際は周りの言動に振り回されていることがある。望んで意見を求めに行った場合は、他人と意見を交わしながら、話が発展し、予想さえできない結論にたどりつくことだってある。
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話は変わって、シルバーウィークから紅葉の時期に突入し、それなりに忙しい毎日が続いているが、去年よりも今だに疲れをほとんど感じず、毎日過ごすことができている。去年の自分ならイライラしていたことに対しても、深く受け止めず、ゆるっと過ごすことだってできる。ニュージーランドでの山小屋生活3シーズン目が私に及ぼした影響が大きかったことに、今となって気づいている。
自分が変わったなぁと思う瞬間は、料理をするときにも感じる。従食は美味しいものを食べたいという欲が他の誰よりも強いみたいだ。お昼ご飯も、満足度高めのご飯を作っている。今となっては山小屋で働く前の自分をよく思い出せない。毎日パスタばっかり作っていた気がする。つい最近は、ニュージーランドでサラダによくかけていたバルサミコソースが食べたくなり、先輩に発注してもらったのだが、バルサミコ酢が届いてしまい、酢にいろいろ混ぜてソースを作った。うん、美味しい。ニュージーランドではオーブンを毎日使っていたが、ここではジョニーというあだ名がついているスチームコンベクションをよく使っている。ジョニーは優秀で、温度、蒸気、風速、細かな設定が可能だ。揚げ物もフライヤーを使わずジョニーでできてしまうので油を使う量を減らせるし、常に火の前に立っていなくていいので、他の仕事と並行して料理をすることができる。家にあったらいいのになぁなんて思ってしまうほどだ。包丁でさえも、切れたらいいという考えから、昨シーズンから使っている自分の包丁“が”いいと思うようになった。包丁が変わるだけで手の疲れ方が違うし気分も変わってくる。
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しばらくブログを書いていなかったので何を書いたらいいのか、どう続けたらいいかわからなくなってきたので、最後にこの半月で撮った写真を載せたいと思う。(順不同)





▲ルートバーントラックを思い出す

▲久しぶりにきのこも日向ぼっこをしている




▲よく見かけるこの子は、目が悪いのか、人間がきても気にせず餌を探し続けている

▲明神岳(5峰)にスタッフ2人が登頂したと連絡があり、全員で確認しにいく。1人は肉眼で姿が見えると言っている

▲片道1時間、ここでくつろぐ時間は、山にいる間の楽しみである


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